【2023年4月の主要SNSニュースまとめ】Twitter Twitter Blueに新特典「1万文字、斜体、収益化、マスクとのQ&A」、TikTok 周CEOによる協調フィルタリングのアルゴリズム解説

2023/05/15

今月もラボ編集部よりを最新ニュースと解説をお届けします!

■目次

  1. Twitter
  2. Instagram
  3. TikTok
  4. Facebook
  5. その他
  6. 全般
  7. 動向データ

1. Twitter

3月末に公開されたアルゴリズムに誤りがあった?

3月末にTwitterはアルゴリズムを全公開しましたが、4月8日に一部訂正が入りました。

訂正があったのはツイート自体の拡散力を重みづけするアルゴリズムの一部です。

ツイートについたいいねは30、リツイートは20などのエンゲージメントで拡散力を決定するアルゴリズムが、コードとしては残っているが、既に機能していないことが判明しました。

今回の訂正発表で分かったことは、Twitterもかなりパーソナライゼーションが進んでいるということです。ツイート自体の拡散力をエンゲージメントによって重みづけるアルゴリズムは廃止されていて、エンゲージメントに関してはHeavy Rankerと呼ばれているアルゴリズムのみが機能している状態だということが判明しました。

Heavy Rankerは各アカウントのタイムラインを各ユーザーに最適化するアルゴリズムで、つまりTwitterはTikTokやYouTubeなどと同じようにかなりパーソナライゼーションが重視されているということになります。

参考:https://github.com/twitter/the-algorithm-ml/commit/b85210863f7a94efded0ef5c5ccf4ff42767876c

イーロン・マスク氏「X」と投稿 Twitter社消滅で全世界が注目 「x.com」ドメインも取得済み?

日本時間4月11日午後4時3分、イーロン・マスク氏が、「X」とツイートを投稿しました。

米Twitter社がイーロン・マスク氏の保有する「X Corp.」という名前の企業に統合されたことが話題になっており、「Twitter消滅」などの関連ワードがTwitterトレンド入りしている中のことでした。

投稿から約10分ほどで10万以上のいいねを獲得し、表示回数は125万回を突破しています。なお、イーロン・マスク氏はこれ以外の投稿はしておらず「X」の真意は分かりません。

このツイートの後、BBCのインタビューなどで明らかになったのは、万能アプリXの存在でした。万能アプリXとは、Twitterの現在の機能のみならず、EC、送金、預貯金、金融商品の取引、サービスの利用における認証やポイント、信用スコアの連携など、中国国内版WeChatのような生活のインフラとなるアプリにしていく準備だということが匂わされました。

一方で、経営難もささやかれており、今後の行方はまだ読めません。しかし生活のインフラとなるような万能アプリXにTwitterが進化するのであれば、企業としてTwitterに投資する意味合いは非常に重要なものになっていくのは間違いないでしょう。

参考:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2304/11/news168.html

Twitter Blueに新特典「1万文字、斜体、収益化、マスクとのQ&A」

日本時間4月15日、Twitterが月額8ドル(980円~)のTwitter Blue加入ユーザー向けに、より寛大な文字数制限、収益化オプション、テキストフォーマットオプションを含む一連の新機能を追加すること、同社のCEOイーロン・マスクが、定期的にQ&Aを行う予定だと述べたことが明らかになりました。

Twitterが「レガシーな認証」アカウントから、新しいサブスクに申し込まない限り、青いチェックマークを取り除くことを計画している中での動きです。

Twitter Blueはますます優遇されてきています。先日明らかになったところでは、やはりアルゴリズム上も優遇されていることも分かりましたし、新機能も続々と追加されています。

企業活用としては、毎月1000ドル以上の広告をコンスタントに行っていれば、金のバッジがもらえるのでよいのですが、それ以外の企業はやはりTwitter Blueの登録は前向きに検討すべきでしょう。様々なベネフィットがこれからも追加されていきます。

参考:https://news.yahoo.co.jp/articles/b9503d2e626291bf079d3f64285e41fc43a2c081

2. Instagram

プロフィールに最大5つのリンクを設定可能に

米国時間4月18日、Instagramは最新アップデートを行い、プロフィールに複数のウェブサイトへのリンクを記載できるようになりました。

「Instagramのプロフィールに最大5つのリンクを追加できるようになった」と、Metaの最高経営責任者(CEO)であるマーク・ザッカーバーグ氏は自身のInstagramアカウントで発表しました。

その際、この機能は、最も要望の多かった機能の1つだとも述べています。

企業活用としては非常に歓迎すべきアップデートです。これは、Instgramをあたかも企業のポータルサイト化させていくための動きの一環としてとらえられます。

Instgramは、生活者・消費者が自分の欲しいものを探すためのプラットフォームとして重要性を増してきました。BtoCで売上を上げていこうと考えている企業は、投稿を発信していくということだけではなく、あるいはそれを行わなくても、Instagram上でしっかりと検索に引っかかる「ブランドサイト」を作っていくことがMeta社が意図していることです。

参考:https://japan.cnet.com/article/35202903/

3. TikTok

TikTokが米国で閉鎖の危機 中華アプリの規制がまるで追いつかない米国の焦り

日本時間4月17日、PRESIDENT Onlineは、米国がTikTokに対して強い危惧を抱いていることを報じています。

米国をはじめ主要先進国が、中国の字節跳動(バイトダンス)が開発したSNS、“TikTok”への規制を強化しているのは、自国の個人情報などのデータが中国の当局に流出する懸念からです。しかも、利用者が急増していることが危惧を倍加させることになりました。

今後、SNSに限らず、IT先端分野での米中対立は一段と先鋭化することが予想されます。

日米で利用可能な中華系アプリの最高峰はTikTokですが、その他にもWeChatやSimeji、Zoomなど多岐にわたります。

これらは米中の対立が深まると同時に、NATO諸国での立ち位置を失いつつありますが、利用者は増えつつあり、それらのアプリでできた新しい経済圏も拡大中です。

米国でTikTokが使えなくなれば、当然米国の同盟国である日本への影響が考えられます。これに限らず一時はTwitterが危ういという話もありましたように、SNSのプラットフォームも何かひとつに依存するのではなく、分散的に展開しておくことが求められます。

参考:https://president.jp/articles/-/68553?page=1

周CEOによる協調フィルタリングのアルゴリズム解説

日本時間4月26日、TikTokの周CEOが基本的なアルゴリズムについてTEDにて解説したことが明らかになりました。

まず、レコメンデーションアルゴリズムはまさに数学そのもの。好みの抽出を10億人以上の人で繰り返すことでAIが最適化され、莫大なシグナルを学習し、各ユーザーに関連性の高いコンテンツを素早く提供する事が可能になります。また、ユーザー体験の中に組み込まれており、動画を見たり、スワイプ、いいねをしたり、共有したりすることで興味を抽出してシグナルを獲得しています。

TikTokがどのようなアルゴリズムで動いているか、TEDでCEOが行った解説が話題になりました。

アルゴリズムの説明はシンプルな協調フィルタリング、つまり、同じ動画を好むユーザーをクラスタリングし、効率よくエンゲージメントさせていく仕組みです。

同じアルゴリズムはYouTube、Pinterestなどにも使われていますが、それらの成功を受け、Instagram、Twitterも協調フィルタリング中心のアルゴリズムに移行しつつあります。

フォロワーの多寡ではなく、協調フィルタリング中心にコンテンツが拡散していくというのが、今後しばらくSNSのトレンドとなりそうです。

参考:https://twitter.com/nekodemowanwan/status/1651231074352254976?s=46&t=o-G-N20naS2sfMnAHU8h6ghttps://www.tiktok.com/@tedtoks/video/7225292301864635694?_r=1&_t=8bopIhESiuX

4. Facebook

Meta 2023年第1四半期(1月-3月)業績ハイライト

米国時間4月26日、Metaは、2023年第1四半期(1月-3月)業績ハイライトを発表しました。

2023年3月時点のFacebookの利用者数は、以下の通りです。
Facebookデイリーアクティブ利用者数(DAU) 20億4,000万人(前年比4%増)
Facebook 月間アクティブ利用者数(MAU) 29億9,000万人(前年比2%増)

爆発的な成長は既に収束したものの、若干の伸びはまだあります。

とは言え、先進国での伸びは頭打ちになっており、今後伸びるメディアでないことは確かです。

逆に言えば、既にシェアは取り切っており、かつてのテレビや新聞のような中心的なメディアになったと言えます。Facebookは強力なメディアとしてしばらくは君臨し続けるでしょう。

もっとも、日本国内においてはInstagram、Twitterの方が活発に利用されており、Facebookは今ひとつ振るわないのが現状です。今後もその趨勢は変わらなそうですが、Facebookグループの活用では面白い事例が見られるなど、意外な部分での展開はありそうです。

参考:https://about.fb.com/ja/news/2023/04/2023_first_quarter_result/

インフルエンサーマーケティングにも浸透しつつある AI :「そっくりさんクリエイター」増加の懸念も

日本時間4月27日、モダンリテール[日本版]の記事に、人工知能(AI)への懸念が掲載されました。デジタルマーケティングの世界で、この数カ月、AIの話題はかつてないほど盛り上がっています。

AI機能はすでにeコマースでは標準的で、オンライン小売業者は顧客のブラウジング体験や商品のリコメンドを行うためにAIを使用しています。

同時に、機械学習は、人間的なつながりが要求されることが多いインフルエンサーマーケティングに組み込まれるようになってきています。

生成AIはインフルエンサーのコンテンツ制作能力を飛躍的に向上させ、さらなる影響力の増加へ寄与するだろうと予測されます。もちろん、これは企業アカウントにも同様のことが言えるでしょう。逆に言えば、生成AIで大量の良質なコンテンツを生み出すアカウントに生まれ変わらなければ、早晩競争力は低下するだろうということも示唆しています。

とは言え、生成AIも当然のごとく使われるようになるのであれば、それも特別な能力ではなくなることも予想され、必要以上に怖れることはないと言えます。また、逆に人間にしかできない仕事も明確になりつつありため、むしろそちらに意識を集中させるべきでしょう。

参考:https://digiday.jp/modern-retail/how-ai-is-infiltrating-influencer-marketing/

関連動画:

人間は要らなくなる?!世界で話題のChatGPTによってSNS運用はどうなっていくのか。

 

5. その他

TikTokの姉妹アプリ「Lemon8」、収益化とグローバル展開に向けたクリエイター戦略

日本時間4月24日、DIGIDAY+ [日本版]の記事によると、バイトダンス(ByteDance)が運営するLemon8が各地で人材を募集していることが明らかになりました。求人情報から、姉妹アプリTikTokの戦略を踏襲する意向だと思われます。

現在、24名(スタッフ17名とインターン7名)を募集しており、今後のコンテンツの収益化、ひいてはオーディエンスの収益化に向けて、組織の土台作りのさなかにあります。

Lemon8はTikTokとPinterestとInstagramの良いとこどりをしたようなプラットフォームで、主に若者中心のライフスタイルを発信する媒体として、米国を中心に人気を集め始めています。

日本ではそこまで話題化していませんが、今後注目を集める可能性は十分にあり、今からアカウントを作り発信をすれば、先行者利益を得られる可能性は大きいでしょう。

一方で、TikTok同様ポリティカルリスクは抱えており、いつ米国をはじめとする中国と対立する地域でシャットダウンの憂き目を見るかは分からないとも言えます。とは言え、次世代SNSとして非常に興味深い媒体であり、チェックしておくことは有益です。

参考:https://digiday.com/marketing/tiktok-sister-app-lemon8-looks-to-creators-to-help-it-grow-to-the-next-level/

6. 全般

消費者庁のステマ規制、「PR明記ルール」の認知は7割、規制強化を評価は6割

日本時間4月12日、アジャイルメディア・ネットワークは、2023年10月施行予定の改正景品表示法に関し、ソーシャルメディアのプロモーション明示の意識調査の結果を発表しました。

金銭や物品・サービスの提供を受けた場合、ソーシャルメディア上で投稿する際に「PR」「プロモーション」などのハッシュタグやテキストを記載することが推奨されるが、「知っていた」31%、「ある程度知っていた」26%、「聞いたことはあった」17%で、ルール認知は74%でした。

ステルスマーケティングの規制は長らく自主規制であり、社会的に問題化して、批判を受けることがあっても法的に罰せられることはありませんでした。しかし今年の10月から施行される景表法では正式に違法となります。なので、より一層ステルスマーケティングには注意する必要があります。

今回のアジャイルメディア・ネットワーク社での調査でも7割の人々が認知していることから、高い関心が寄せられており、世間の問題意識の高さがうかがえるため、発覚した際のレピュテーションリスクも高まっていると言え、一層気をつける必要があります。金銭の授受がなく、商品、サービス、便益の供与でもステマに該当することはあるため、注意が必要です。

参考:https://netshop.impress.co.jp/node/10843

スープストックトーキョー、“離乳食無償提供で炎上”に声明 毅然とした態度に称賛

日本時間4月26日、スープ専門店チェーンを運営するスープストックトーキョーが、赤ちゃん連れの客に離乳食を無償提供すると表明し、一部の利用者から「一人客が利用しづらくなる」などと批判を浴びたことを受け、声明を発表しました。

声明では、離乳食提供は「子連れだからと外食をためらう人の助けになれば」と考えて始めたと説明した上で、「特定の顧客だけを優遇することはない」などと表明。“炎上”に対して安易に謝罪せず、自社のスタンスを貫く毅然とした態度に称賛が集まっています。

赤ちゃん連れの利用者に無償で離乳食を提供するとして炎上したスープストックのSNS投稿ですが、同時に多くの支持も得ていました。批判と同時に称賛を受けるというのは、昨今の炎上ではよくあることで、社会が細分化し、それぞれの集団の利害や正義が相いれないということが当たり前の世の中になってきたと言えます。

そのような中で、企業は全顧客の期待に平等に応えることは難しい状況です。自分たちが体現したい価値は何か、本当に報いたい顧客は誰か、どのような社会を実現したいのかを明確に意識し、社会のニーズや期待にも是々非々で対応していくことが、炎上に対して求められる姿勢になっています。原理的にもう炎上は防げないので、事なかれ主義では対応できなくなっているのです。

参考:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2304/27/news096.html

7. 動向データ

「日本の広告費」の歴史から読み解く、時代の変化

日本時間4月28日、ウェブ電通報は、「情報メディア白書2023『日本の広告費』~75年を振り返る~」を基に、戦後日本の広告費がどのように経済や社会の情勢に影響を受けてきたかを取り上げました。

2022年日本の広告費は7兆1021億円となり、1947年に推計を開始して以来、過去最高となり、2007年に記録したそれまでで最高の7兆191億円をも上回りました。

15年ぶりに広告費は最高額を更新しましたが、その内訳は2007年当時約8%だったインターネット広告費のシェアが約44%になっており、まったく内容が変わっています。

GDPの伸びがほぼ横ばいの中、広告費が過去最高を示したのは、円安とドルインフレによって、インターネットの広告の媒体費が上がっているからとも言えます。

企業としては、伸び続ける広告費は収益を圧迫する要因に外ならず、口コミやUGC、各SNSアカウントのオーガニックでの発信力を高めると同時に、オーガニックの投稿を広告によってブーストさせるなど、広告費の効率的な使い方を追求することが求められるでしょう。

参考:https://www.d-sol.jp/solution/a-research-for-information-and-media-society?__hstc=103293855.dbab7db1f30d8dd7557409ef925c8310.1671838218618.1671838218618.1682735902054.2&__hssc=103293855.1.1682735902054&__hsfp=2664602720

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