【2023年6月の主要SNSニュースまとめ】TikTok 米モンタナ州の「TikTok禁止令」からわかること…施行は困難で、データ保護の実効性も疑問、本命のX(Twitter)キラー遂に登場、Instagramをベースにしたメタの「Project 92」

2023/07/07


今月もラボ編集部より最新ニュースと解説をお届けします!

■目次

  1. X(Twitter)
  2. Instagram
  3. Facebook
  4. TikTok
  5. LINE
  6. LinkedIn
  7. その他SNS
  8. 動向データ

1. X(Twitter)

広告収入6割減、マスク氏による買収後 米で止まらぬ広告主のX(Twitter)離れ

米国時間6月8日、米ニューヨーク・タイムズは、X(Twitter)の米国での広告収入が、1年前に比べ約6割減ったと報じました。

ニューヨーク・タイムズが入手した内部資料によると、23年4月1日~5月第1週の5週間余りの米国におけるX(Twitter)広告収入は8800万ドル(約123億円)で、前年同期比で59%減少しています。

2022年10月にイーロン・マスク氏が買収して以降、広告主のツイッター離れが広がっているそうです。

X(Twitter)はマスク氏による買収後の混乱と、またマスク氏の政治的スタンスによる懸念から多くの広告主が離れました。

新しいCEOヤッカリーノ氏は広告のプロで、大幅に減収した広告をいかに戻すかということがミッションだと言われています。

ヤッカリーノ氏は縦型の動画広告フォーマットや有名人ユーザーを引きこむなど、X(Twitter)を再び盛り上げる施策を用意し、今後ローンチしていく予定です。ただし、マスク氏の動向に振り回されるということはまだ続きそうです。

参考:
https://news.nifty.com/article/economy/business/12114-2381386/

厳しい一時制限 未認証アカ閲覧件数は「1日600件まで」

日本時間7月1日11時頃からX(Twitter)の投稿が読み込めない現象が起こり、「X(Twitter)終わり」「API規制」というワードがトレンド入りしました。

X(Twitter)を運営する米X社のイーロン・マスク氏は「極端なレベルのデータスクレイピングとシステム操作に対処するため」未認証アカウントに一時な閲覧制限を加えた」とツイートしています。

2023年7月2日午前7時頃に、閲覧制限が緩和し、認証・未認証アカウント共に閲覧可能な投稿数が増加した旨をツイートしました。

このニュースの根本的な問題は、エンジニア大量解雇や、X(Twitter)とGCP(Googleのサーバプラットフォーム)との契約切れだとも言われており、本当に一時的な問題なのかは疑問視されております。

そしてユーザーが閲覧制限に失望している、この機にMetaはTheredのリリースを早めると発表しました。「敵」の隙を狙った格好と言えます。

X(Twitter)のこの問題は企業のキャンペーン活用などに対しても影響が出ており、安心してマーケティングに使えるプラットフォームなのかは大企業中心に不安の声が広がっています。

参考:
https://news.yahoo.co.jp/articles/b98f647feb44c556a2d0be878c82488c8ac7197e

Instagram

AI導入計画 写真修正・投稿できる機能開発

米国時間6月8日、Facebookを運営するアメリカIT大手MetaのザッカーバーグCEOが、写真共有アプリInstagramなどにAIを導入する計画を、社内集会で伝えたことが明らかになりました。

AIで写真を修正して投稿できる機能などを開発しているそうです。

Metaは、VR(仮想現実)に力を入れている一方、生成AIへの取り組みでの遅れも指摘されていました。

遅れているとは言われていますが、最近のMetaは生成AIを通じ、コンテンツの制作力を持たない多くのユーザーが投稿できるような機能の開発に余念がありません。この動きが広まると、Instagramでの投稿数はさらに伸びていくことになるでしょう。

ただし、Instagramは加工の度合いが少ないSNSとして、一般消費者が口コミを拾う場として活用されていた側面もあります。となると、相対的に「リアル」な投稿には今後、より価値が出てくるという未来も考えられます。

企業活用としてはどちらを選択するかは悩ましいところですが、一般ユーザーの活性化は間違いないので、リーチを広げるチャンスであることはほぼ確実に言えるでしょう。

参考:
https://www.fnn.jp/articles/-/540504

Facebook

本命のX(Twitter)キラー遂に登場、Instagramをベースにしたメタの「Project 92」

日本時間6月12日、Media Innovation Newsletterは、Metaが社員向けミーティングで、開発中の「Project 92」を披露したことを報じました。

X(Twitter)キラーと認識されているプロダクトで、正式には「Threads」になると言われています。

Instagramをベースに、アカウント連携ですぐに利用開始が可能で、マストドンなどが採用する分散型ソーシャルプロトコルの「ActivityPub」に対応しているため、フォロワーを別のアプリに移行することもできるそうです。

現在X(Twitter)が問題を起こしており、多くのユーザーが怒っていますが、そのようなタイミングでMeta版X(Twitter)と言われるThreadsのリリースが発表されました。最新情報では7/6(米国時間)となります。

今までもX(Twitter)のようなSNSは出てきていましたが、既にユーザーを多く抱えたX(Twitter)はネットワーク効果により、他の追随を受け付けませんでした。しかし、12億人とも言われるInstagramと連携させることで、そちらのユーザーを取り込めば、X(Twitter)にとってかわる可能性も十分にあるでしょう。

参考:
https://media-innovation.jp/2023/06/12/newsletter-230612/

TikTok

米モンタナ州の「TikTok禁止令」からわかること…施行は困難で、データ保護の実効性も疑問

日本時間6月15日、BUSINESS INSIDERジャパンは、米モンタナ州で成立したTikTok禁止令についての見解を示しました。連邦政府でもTikTok親会社のバイトダンスと中国との関係性を懸念、全米での禁止を議論していますが、モンタナ州でも連邦政府でも禁止令の施行は難しいとしています。

プライバシー擁護団体は強い反対運動を起こし、政治的にもテクノロジー的にも施行が困難であると主張、さらに、プライバシーやテクノロジーの専門家は、TikTokのデータ収集方法に関する懸念を解決することはできないだろうと述べています。

TikTokの完全な禁止は技術的には難しいですが、ストアから消えればアップデートはできないですし、多くのユーザーはVPNを使えません。例えば、中国ではFacebookなどが使用禁止で、VPNを使い、ブロックを回避しているユーザーもいますが、多数派ではありません。

現在TikTokでの米国ユーザーは1億5000万人ですが、そのうちの一部はVPNなどを使って、使用を続けるでしょうが、おそらく半分以上のユーザーは、そこまでしない、もしくはその能力がないでしょう。その場合は、やはり多くのユーザーが脱落することにはなってしまうでしょう。

参考:
https://www.businessinsider.jp/post-270442
https://www.businessinsider.com/montana-ban-on-tiktok-is-a-blueprint-for-federal-ban-2023-5

EC事業、2023年のGMV目標は強気の2兆8000億円か。東南アジアでシェア急拡大

日本時間6月20日、米ブルームバーグの報道により、TikTokが今年、世界での電子商取引(EC)事業規模を4倍に拡大、GMV(流通取引総額)200億ドル(約2兆8000億円)達成を目標に掲げたことが明らかになりました。

2022年GMVは44億ドル(約6000億円)でしたが、インドネシアを含む東南アジア市場が著しく成長しているため、業績に対しては楽観的です。

アクティブユーザー数も、インドネシアは1位の米国に次ぐ第2位となっています。

SNSを通じて物を購入するという文化は、10年以上前から東南アジアでは盛んでした。例えば日本ではInstagramから直接物を買うということはあまりなく、Instagramで商品を吟味したのち、GoogleなどでECを検索し、最安値。ポイント、送料などを検討した上で購入するという購買経路が一般的だったりしますが、東南アジアではFacebookのメッセージで、直接購入したいとショップに持ちかけるようなコミュニケーションが一般的です。

TikTokはその文化に最適化した形で業績を伸ばしており、東南アジアの旺盛な購買力を取り込むための有力な媒体になっています。

参考:
https://www.excite.co.jp/news/article/36kr_36kr_237048/

LINE

「恋愛相談AIチャット」が登場 個性豊かなAIカウンセラーたちが身近な相談相手に


日本時間6月9日、群馬県前橋市のシステム制作会社、有限会社アゼットは、対話型AIのChatGPTを使用したLINEで相談できるサービス、「恋愛相談AIチャット」を公開しました。

ユーザーの恋愛の悩みを、個性豊かなAIカウンセラーが、LINE上でお伺いします。

AIカウンセラーたちは自然な会話で、まるでリアルな相談相手のように、相談者のお悩みを聞き入れたり、解決策を示してくれたりして相談者をサポートしてくれます。

ChatGPTを使用したLINEチャットは数多くリリースされていますが、上手に学習させて最適化させれば、人件費が要らない上に、人間以上の満足感を与えるサービスも可能です。

今後、SNS上にもAIが動かすアカウントが増えてきます。その時、企業の公式アカウントというより、企業お抱えの公式インフルエンサーを多数抱える、そのようなマーケティングが主流になると思われます。

人間よりも人間らしい魅力を振りまくAIインフルエンサーをいかに作るかが、公式アカウント運用担当者の次のミッションになる未来がくるかも知れません。

参考:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000123780.html

LinkedIn

生成AIを搭載した広告作成支援機能「Copy Suggestions」を導入

米国時間6月7日、LinkedInは、OpenAIの高度な「GPT」モデルを搭載した生成AIによるコピー文提案機能「Copy Suggestions」を発表しました。

このツールは、「LinkedIn Page」のデータと、「キャンペーンマネージャー」の設定内容を利用して、広告キャンペーン用の見出しとコピー文を5種類提案します。

ユーザーは提案の中から選択して、好みに合わせて微調整できます。キャンペーンマネージャー内で利用することが可能です。

LinkedINはマイクロソフトの所有なので、ChatGPTを積極的に活用しようとしています。広告だけでなく、投稿や求人の募集文などもChatGPTで生成するようになってくるでしょう。

生成AIでもテキストに関しては、SNSの中ではChatGPTとの結びつきが強いLinkedINに一日の長があります。Metaはハルシネーション問題でリリースを一旦ストップしています。

参考:https://news.yahoo.co.jp/articles/de9b62538af130e1af56c028268aee52bbdad07d

その他SNS

インフルエンサー広告、倍増 数年で雑誌抜く可能性

日本時間6月17日、サイバー・バズとデジタルインファクト(東京)の調査結果により、交流サイト(SNS)で多数のフォロワーを持つ「インフルエンサー」を使った広告の国内市場規模が2023年に741億円と、20年の2倍超に拡大する見通しであることがわかりました。

今後数年で雑誌の広告を抜く可能性があり、企業が隠れて宣伝するステルスマーケティング(ステマ)増加も懸念され、国は規制強化に乗り出しています。

インフルエンサーの市場規模は拡大していますが、インフルエンサーが思ったよりも効果がないという不満の声も多く聞かれるようになりました。

消費者はステマや広告感のあるコンテンツへの嫌悪を増しているので、インフルエンサー活用にはこれまで以上に、フォロワー数ではなく、商品やサービスの文脈にそったキャスティングと、インフルエンサーの個性を活かした投稿が求められるでしょう。

キーポイントはリアルさと第三者感で、逆に言えばやらされている感をいかに出さないかがポイントです。

参考:
https://nordot.app/1042689451230134846?c=768367547562557440

動向データ

SNSの影響度と利用状況は?Z世代購買者の5割はUGCを参考に【スマートシェア調査】


日本時間6月1日、SNSマーケティングプラットフォームOWNLY(オウンリー)を開発・運営するスマートシェア株式会社は、2023年4月に全国15~59歳の男女630名を対象に、SNSの影響度と利用状況について調査した結果を発表しました。

商品/サービスを購入する際に何を重要視するかという質問では、約5割の回答者がWEBサイトやSNS上の口コミ(レビュー)を参考にすると回答。また、「WEB上の紹介記事」34.8%、「身近な人から聞く話」28.7%で、購買の際は口コミと他人の意見を参考にしていることが伺えました。

公式サイトや公式アカウントの情報よりも、第三者の口コミの影響度が高いという結果が出ました。興味深いのは、インフルエンサーのおすすめよりも一般ユーザーの第三者的な意見が重視されているというデータです。

公式とインフルエンサーの比較では、公式の方が影響力が高いという結果が出ました。こちらは様々な解釈が可能ですが、プッシュ型で勧められるものを買うよりも、自分が気になっているもの、解決したい課題などを積極的に検索し、その検索結果については第三者的意見が尊重される、あるいはその人となりをみて信頼度を判断しているということが言えます。

参考:
https://manamina.valuesccg.com/articles/2422
https://www.smartshare.jp/news27/

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