2016年、各SNSのアップデートからみる「動画・ライブ配信」に注力する理由

2016/08/24

Young caucasian woman making photo by mobile phone from the observation place

日々のSNS運用で担当者さんの頭を悩ませるのが、頻繁なアップデート。今年に入ってからもたびたび新機能が発表されたことで一般ユーザーが喜ぶ一方、担当者さんの中には戦々恐々としている方もいると思います。

そこで今回、SNSのなかでも比較的仕様の変更頻度が高いFacebookとX(Twitter)、Instagramにラボ編集部は注目し、仕様変更や新機能をピックアップしてみたところ、どのSNSでも「動画」というキーワードが浮かび上がってきました。

ここにきて、なぜ「動画」コンテンツなのか? 本記事では各運営陣の狙いや期待される効果を整理してみました。

    目次

  1. SNS別 2016年からの変更点
  2. キーワードは「動画」! プラットフォーマーの狙い
  3. Facebook動画から学ぶ、動画コンテンツの可能性
  4. まとめ

1. SNS別 2016年からの変更点

Facebookの注目の変更点

 

【2016年】Facebookの変更点
1月 投稿にリアクションが可能に
オーディエンスネットワークの拡大
2月 ライブ動画の配信が可能
ニュースフィードのアルゴリズムが変更
5月 360度動画・写真の投稿が可能に
6月 ライブ動画にコメントやリアクションが可能に

 

X(Twitter)の注目の変更点

 

【2016年】X(Twitter)の変更点
2月 GIF画像の検索がツイート画面から可能に
3月 「トレンド」にツイート件数を表示
5月 Periscopeによるライブ動画の保存が可能に
 6月 Periscopeがツイート画面に搭載
ツイートできる動画の秒数が30秒から140秒に拡大
7月

認証済みマーク(アカウントが正式なものと認める印)の

ルールを緩和

 

Instagramの注目の変更点

 

【2016年】Instagramの変更点
2月 アカウントの切り替えを簡単に
4月 投稿できる動画の秒数を15秒から60秒に拡大
6月 時系列だったフィードにアルゴリズムを導入
8月 24時間で消えるスライドショーInstagram Storiesが導入
検索画面からユーザー好みの動画を表示してくれる動画チャンネル「イベントチャンネル」の導入を発表(米国から)

どのSNSにも共通して、仕様変更のなかに「動画」に関するものが数多くありました。

2. キーワードは「動画」! プラットフォーマーの狙い

前項で紹介した通り、「動画」というのが今年に入ってからキーワードになっているようですが、

なぜ各プラットフォームで動画への動きが進んでいるのでしょうか。この項では各SNSの狙いをプラットフォーム関係者の発言から探っていきます。

Facebookの狙い


https://live.fb.com/about/

「動画の新黄金時代に入っている。今後5年を早送りしてみたら、ユーザーがFacebookで見るもの、毎日シェアするもののほとんどが動画だったとしても驚かないね」

参考:
https://www.buzzfeed.com/sakimizoroki/facebook-live-interview?utm_term=.agd8dDLlq#.jcGkvd4Ol

今年4月に「ライブ動画」機能の拡充を発表したCEOのザッカーバーグですが、発表前日BuzzFeedの電話取材に対して上記のように答えていました。

同社は従来のテキスト中心の投稿から、ライブ映像を含め動画コンテンツがいずれ拡大してくると予想。実際BuzzFeedやNew York Timesなど大手メディア企業と連携し、より多くの上質なライブ動画をフィードに流そうとしています。

X(Twitter)の狙い


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「そもそものX(Twitter)の成り立ちがテキストで、そこにストーリーがあるとリツイートされると思うのですが、ここにビデオを組み込むことでリツイートがさらに加速します。」

参考:http://japan.cnet.com/interview/35075657/3/

上記はX(Twitter) Japan代表の笹本氏がX(Twitter)における企業PRの特徴について、問われた時の回答なります。

最近ではテキストのコミュニケーションだけが人々の間で盛り上がるのはなく、同社は「ビデオ(=動画)」にも話題化するチャンスを見出しているようです。実際にリツイートや再生といったエンゲージメントも高く、動画ツイートの割合も今年始めから50%も増えてきているそうです。

Instagramの狙い


”You’ll see stories from the people you follow at the top of your feed, and a ring around their profile picture tells you when their story has been updated.

This is the latest step in putting video at the center of all our services. People are already creating and sharing more video, so we’re going to make it even easier.”

◆ラボ編集部訳

「ユーザー(=あなた)はフォローしている人のStoriesをフィードの上部で見れて、プロフィール写真の丸枠が表示されれば彼らがStoriesを更新したと分かるようになります。

これは私たちのサービスの中心に動画を据えていく上で、最新のステップとなります。人々はすでにより多くの動画を作りシェアしているため、私たちは動画作成をずっと簡単なものにして行くつもりです」

参考:
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10103007623415361&set=a.612287952871.2204760.4&type=3

上記は、8月ザッカーバーグが24時間で消えるスライドショー「Instagram Stories」を発表した後、自身のFacebookに投稿した文章です。

別の取材でInstagram StoriesがSnapchatの要素を取り入れたと開発スタッフも公言していますが、ユーザーの間で広く受け入れられている動画コンテンツを取り入れたかった想いが伺えますね。

3. Facebook動画から学ぶ、動画コンテンツの可能性

最後に、動画コンテンツにはどういった効果があるのか、Facebookの動画投稿に関するデータを参考に考えてみます。

再生回数80億回突破! 再生回数・視聴時間の多さが魅力

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動画が自身のフィードに現れて、つい指を止めて見てしまうことは多々あると思いますが、オススメ動画機能(Suggested Videos)など動画視聴環境を整えてきたFacebookは、月間の動画再生回数が80億回、一日あたりの総視聴時間が1億時間超えるほどです。

また、少し古いですが2014年の海外調査によれば、Facebook上では1分間あたり、Youtube動画が323日(=7,752時間)相当見られているそうです。Youtubeという動画専門のプラットフォームがある一方、ユーザーは自分が見たい場所でも動画コンテンツを楽しんでいるように思えます。

そう考えると、「今後5年を早送りしてみたら、ユーザーがFacebookで見るもの、毎日シェアするもののほとんどが動画だったとしても驚かないね」とザッカーバーグが言っていたように、人々の心に浸透しやすい動画コンテンツが今後もニュースフィードを占めていくことは不思議ではありません。

静止画とは差が2倍以上! 動画広告の認知効果が魅力

また動画のもつ広告効果についても見てみましょう。

カンタージャパン調査

カンター・ジャパンによる調査「高いターゲティング精度だけではない! Facebook広告による態度変容効果を検証」によると、動画広告の広告素材認知度は、静止画と比べて2倍以上平均してパフォーマンスが良かったといいます。

もちろん態度変容効果(購買など行動に結びつくこと)やブランド効果は動画そのものの素材や質に関係するため、一概にすべてを比較はできませんが、「目に止まる・記憶にとどまりやすい」という動画の持ち味が広告にも十分発揮されることが分かります。

「その場、その時」しか味わえない、ライブ動画ならではの臨場感も魅力


参考:https://www.facebook.com/IHOP/videos/10153861952208152/

アメリカ発の朝食特化型レストランチェーン「アイホップ」は、Facebookページ上で一風変わったライブ動画を公開。38万回再生・総視聴時間延べ17万1000分という驚異的な記録を残しました。

それは、パンケーキを並べて放置している様子を延々と撮り続けるといった内容。木がゆらゆらと風に揺られ鳥が悠々と羽ばたいていく背景と、手前にあるパンケーキのホイップが徐々に溶けていく様がなんともシュールです。また動画の途中でひげの男性が突如として姿を現し、映し出されているパンケーキを一口食べては消えた時に、ユーザーの興味を一気に引いたそうです。

「何が起きるんだ?」「どういうことなんだろう?」といったライブ動画ならでは非予定調和な部分や臨場感がユーザーのなかで話題を呼び、同社の動画シリーズに期待を集まっていったと思われます。Facebook上で「なにかが始まったから、見に行く」といった感覚は、従来の文章や写真の投稿にはなかったライブ動画特有の体験であり、今後企業のPR戦略でひとつとして伸びていく分野だと考えられます。

参照:パンケーキの垂れ流しFB「ライブ動画」が38万回再生!?:朝食チェーン「アイホップ」のソーシャル戦略

4. まとめ

いかがでしたか。2016年に入ってFacebook, X(Twitter), Instagramそれぞれ動画に注力している様子が分かったと思います。それではまとめに入ります。

  • 動画の保存や秒数の拡大、コメント機能など動画コンテンツがフィードに流れるのを活発化させる動きが目立った
  • 各プラットフォーマーは動画コンテンツがユーザーに受け入れられているのを察知し、動き始めている
  • 再生回数や視聴時間、広告素材認知効果など動画ならではの効果も期待されている

以上、「2016年、各SNSのアップデートからみる『動画・ライブ配信』に注力する理由」でした!

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