SNSの動画マーケティングは本当に効果的? 動画市場の調査データと活用実態まとめ

2017/11/13


写真や動画を楽しんだり、友人や家族と交流したりするのに、InstagramやFacebookなどのSNSはもはや生活の中で欠かせないものとなっています。利用者数の増加に伴い、企業が広告やブランディングとして活用する機会も増えてきました。

中でも動画コンテンツはユーザーの目を引くこともあり、マーケティングに効果だとされています。しかし実際にどれだけの効果があるのか、またユーザーは動画広告にどのような印象を持つのかなど、提供する側からは分からない部分も多いのではないでしょうか。

そこで今回はSNSの動画市場に関する、調査データや活用事例などをご紹介します。

    ■目次

  1. SNSにおける動画コンテンツの利用状況ついて
  2. SNSの動画広告
  3. SNS×動画の効果
  4. SNSで動画を有効活用するためのTips
  5. まとめ

1. SNSにおける動画コンテンツの利用状況ついて

10代がスマートフォンで最も利用するのは「動画」、使用デバイスや利用時間は?

  • 調査機関:株式会社ジャストシステム
  • リリース日: 2017年9月28日
  • 調査対象期間: 2017年8月30日~9月3日
  • 調査対象者:15歳~69歳の男女1,100名

スマートフォンで利用するコンテンツについて、1日あたりの平均利用時間が最も長かったのは「ゲーム」、次いで「動画」という結果となりました。

10代に限って見ると「動画」の視聴時間が81.84分と、ほかの世代と比べてもっとも長くなっています。動画コンテンツを利用するデバイスとしてスマートフォンが最も多く使われ、「Gyao!」や「AbemaTV」などのネット番組視聴サービスや「スポナビ」のようなスポーツ動画配信サービスなどが利用されています。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。
調査結果URL:https://marketing-rc.com/report/report-video-20170928.html

内容をもっとも覚えているのはソーシャルメディアの動画広告

  • 調査機関:株式会社マクロミル・株式会社 デジタルインファクト(共同調査)
  • リリース日: 2017年7月31日
  • 調査対象期間: 2017年6月
  • 調査対象者:国内動画コンテンツ視聴ユーザー536人

動画コンテンツの視聴に利用するサービスは「YouTube」が 97.8%を占めており、動画視聴をするユーザーのほぼ全員がYouTubeを利用していることになります。次いで「ニコニコ動画」「Facebook」と続きます。

また動画広告のうち、「視聴した内容を覚えている」と答えたものはソーシャルメディアに表示される動画広告がもっとも多く、ソーシャルメディアに配信する動画広告が効果的なことがわかります。一方で、動画広告を見て不快に思った経験があると答えたユーザーは約6割に上ります。動画広告の内容や配信するプラットフォームによっては逆効果になり得るかもしれません。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。
調査結果URL:https://www.macromill.com/wp-content/uploads/files/press/release/pdf/20170731_macromill.pdf

スマートフォン動画は「タテ型」がいい?女性がタテ型のを支持する理由とは

  • 調査機関: トレンダーズ株式会社
  • リリース日: 2017年9月13日
  • 調査対象期間: 2017 年 8 月 28 日~8 月 30 日
  • 調査対象者:10~30 代の男女 720 名

スマートフォンにおける動画視聴では、今まで本体を横向きにして視聴するのに適したヨコ型動画が主流でした。しかし上記の調査では、6割以上の女性で「スマートフォンをタテのまま見ている」という結果になりました。

その理由については「画面が大きいから」、「スマホを傾けるのが面倒」となっており、スマートフォンをわざわざ持ち替えることなく気軽に動画視聴をしたいという傾向が高いようです。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。
調査結果URL:http://www.trenders.co.jp/wordpress/corporate/wp-content/uploads/2017/09/trenders20170913.pdf

企業の動画マーケティングの現状と今後について

  • 調査機関: wyzowl
  • リリース日: 2017年1月
  • 調査対象期間: 2016年12月
  • 調査対象者:マーケティング専門家とオンライン消費者311人

アメリカでの動画マーケティングの調査によると、企業の97%が「動画は製品やサービスの理解を深めるのに役立っている」と答えており、「動画が投資効率が良いと考えている」と回答した企業は83%を占めています。

一方で消費者は、91%が「動画によって製品やサービスのことを理解できる」と答えています。しかし消費者の95%は「ビデオの長さが2分未満であるべきだと考えている」という結果も出ており、長すぎる動画は敬遠されっる可能性が高いです。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。
調査結果URL:https://bb4b089076d0d4765f18-c3b4c8baa80714684c08ebfcd0c823f3.ssl.cf1.rackcdn.com/AutopilotHQ/downloads/Wyzowl-Video-Survey-2017.pdf

2. SNSの動画広告

インフィード型動画広告は嫌われにくい?ユーザーが受ける印象と効果とは

  • 調査機関: IPGとX(Twitter)の共同レポート
  • リリース日: 2016年8月18日
  • 調査対象者:事前調査を経た4,790名

インフィード型動画広告とは、WebサイトやX(Twitter)などのタイムラインの間に表示される広告のことです。X(Twitter)における調査では、「動画広告が自分の興味関心と関連性があった」「押し付けがましくなかった」と答えた人の割合が高くなっていました。

動画コンテンツの前に流れるプレロール動画広告よりも自然な形で広告が目に入りやすく、ユーザー属性と関連性の高い動画広告を流すことで好意的に受け止められるということがわかります。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。
調査結果URL:https://www.ipglab.com/wp-content/uploads/2016/08/IPG-Lab-Twitter-Beyond-Completion-Rates-How-Social-Video-Works-1.pdf

Facebookにおけるインプレッションや広告効果

  • 調査機関: Adobe
  • リリース日: 2014年4月19日
  • 調査対象期間: 2013年および2014年
  • 調査対象者:2,260億以上のFacebookポストを調査

Facebook広告はクリックスルー率(CTR)が上昇を続けており、2014年の調査では前年比で160%増加しています。また、インプレッション数も前年比40%増と好調です。

FacebookだけでなくX(Twitter)、LinkedinなどとともにSNSからのトラフィックも増加しており、マーケティングにSNSの活用は欠かせないものとなっています。投稿タイプでは動画や画像を使った広告へのエンゲージメント率が増加している傾向にあり、ユーザーは動画を活用したコンテンツを支持していることがわかります。

少し調査年度は古いですが、SNS広告の傾向を知るのには有効です。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。
調査結果URL:https://files.acrobat.com/a/preview/82076e0e-c4c3-41c9-9f13-42813d579c7a

Instagram動画のPR活用に関する調査

  • 調査機関: トレンダーズ株式会社
  • リリース日: 2017年7月26日
  • 調査対象期間: 2017年7月3日~2017年7月4日
  • 調査対象者:Instagram を毎日閲覧する20~30代女性500名

Instagramでは、企業のプロモーションやPRに動画投稿を活用する事例が増えています。調査によれば63%が「フィード」、71%が「ストーリー」で動画広告を再生した経験があると回答しており、特に20代の女性においてInstagramの動画が抵抗なく受け入れられているという結果になっています。

ただし動画の内容としては、「広告色が少ない」「雰囲気がおしゃれ・かわいい」ことなどが求められるため、企業が主体となるよりも個人のインフルエンサーからの発信が有効だと考えられます。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。
調査結果URL:http://www.trenders.co.jp/wordpress/corporate/wp-content/uploads/2017/07/trenders20170726-2.pdf

3. SNS×動画の効果

企業によるSNS活用と効果的なコンテンツタイプ

  • 調査機関: Ascend2、Research Partners
  • リリース日: 不明
  • 調査対象期間: 不明
  • 調査対象者:マーケティング、販売、ビジネスの専門家294名

ソーシャルメディアへの投稿は非常に影響力の高い戦術とされており、動画やインフォグラフィックが効果的なコンテンツとして上位に挙げられています。

また、企業の77%が目標を上回っていると答えた一方で、それ以外はトラフィックに変化がなかった、または減少してしまったと回答しており、SNS活用の難しさも表れています。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。
調査結果URL:http://ascend2.com/wp-content/uploads/2017/01/Social-Media-Marketing-Trends-Survey-Summary-Report-151012.pdf

動画を見たユーザーの方は収益につながりやすい!動画マーケティングの重要性

  • 調査機関: Aberdeen Group
  • リリース日: 2015年7月
  • 調査対象期間: 2015年3月〜4月
  • 調査対象者:168の組織

マーケティングには動画が重要といわれますが、動画を用いることでどれだけの効果があるのでしょうか。上記調査の結果によると、動画を視聴するユーザーの方が収益につながっていることがわかります。

動画によって「商品やサービスの具体的内容が分かりやすくなる」、「ブランドの差別化が図られる」など、多くのメリットも挙げられており、SNSマーケティングにおいて動画は欠かすことのできないものであるといえます。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。
調査結果URL:http://awesome.vidyard.com/rs/273-EQL-130/images/Vidyard_Aberdeen_Impact_of_Video_Marketing.pdf

Facebook動画広告の効果と重要ポイント

  • 調査機関: Nielsen
  • リリース日: 2015年3月18日
  • 調査対象者:Facebook上での173のデータを分析

具体的にどのような動画広告がよく視聴され効果が出ているのでしょうか。

Facebookの動画広告などのデータを分析した調査によれば、動画広告のビュー数だけでなく視聴時間もキャンペーンの成果に影響を与えていることが分かりました。ただ動画広告を流せばいいというものではなく、できるだけ最後まで視聴してもらえる魅力的な動画広告が必要であることがわかります。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。
調査結果URL:https://www.facebook.com/business/news/value-of-video

ソーシャルメディア活用 ベストプラクティス

  • 調査機関: 経済産業省
  • リリース日: 2016年3月
  • 調査対象者:ソーシャルメディアを活用する企業

経済産業省がSNS活用促進のために作成した事例集では、さまざまな企業やブランドの活用事例が詳しく紹介されています。

なかでも日本トイザらスでは、Facebookにおもちゃの遊び方を伝える動画を投稿するなど、ターゲットの顧客に合わせた内容の画像や動画に力を入れています。これがSNS上で話題になって売り上げにつながっており、適切な動画の活用が高い効果を出すということが分かります。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。
調査結果  URL:http://www.meti.go.jp/policy/economy/consumer/consumer/pdf/sns_best_practice.pdf

4. SNSで動画を有効活用するためのTips

マーケティングに効果的な曜日とは

  • 調査機関: Adobe
  • リリース日: 2014年4月19日
  • 調査対象期間: 2013年および2014年
  • 調査対象者:2260億以上のFacebookポストを調査

動画広告をより効果的に活用するためには、投稿する時間や曜日も気を付けた方がいいかもしれません、Facebookのポストを調査したデータによると、動画の再生数は金曜日が全体の24.7%を占め、一番高くなっています。

投稿へのコメントやいいね、シェアが発生するのも金曜日が最も多く、エンゲージメント率が高くなっていることが分かります。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。
調査結果URL:https://files.acrobat.com/a/preview/82076e0e-c4c3-41c9-9f13-42813d579c7a

5. まとめ

国内や海外のさまざまな調査をご紹介しましたが、動画はSNS上での視認性が高く、テキストよりも内容を理解しやすい場合もあり、好意的に受け止められることも多くあることが分かりました。

スマートフォンの大画面化が進み、動画をストレスなく視聴できる環境が整ってきため、今後もSNSの動画市場はますます拡大していくとみられます。よりユーザー目線に近い動画コンテンツも求められており、企業としてはインフルエンサーの活用など新たな切り口が必要となってきそうです。

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