X(Twitter)のDM bot(ダイレクトメッセージチャットボット)とは?使うメリットと活用事例6選
2024/01/09
X(Twitter)のダイレクトメッセージで「チャットボット」の機能を利用出来る事をご存知ですか?
ダイレクトメッセージによって、ユーザーと1対1のやりとりや、ある程度パーソナライズされたコミュニケーションが可能になります。
すでにLINEやFacebookでも同様のチャットボットの活用がされていますが、似たようなものがX(Twitter)のダイレクトメッセージでも使えるようになったイメージです(細かな機能やできることは異なります)。LINEの自動応答機能であれば、ユーザーとして使ったことがあるという方も多いのではないでしょうか?
本記事では、X(Twitter)のダイレクトメッセージチャットボットについて、実際の活用事例や活用した場合のメリットなどを詳しく解説します。
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※編集部注
2023年12月:最新情報をもとに加筆修正しました。
- ■目次
- X(Twitter)で使えるDM bot(ダイレクトメッセージチャットボット)とは?
- DM bot(ダイレクトメッセージチャットボット)を活用するメリット
- DM bot(ダイレクトメッセージチャットボット)はどんな使い方が有効?
- DM bot(ダイレクトメッセージチャットボット)の活用事例
- まとめ
1. X(Twitter)で使えるDM chatbot(ダイレクトメッセージチャットボット)とは?
X(Twitter)のダイレクトメッセージチャットボット(以下DM bot)とは、X(Twitter)のDMに届いたメッセージに対して自動的に返信できる機能です。
2016年にはすでに開発者向けにAPIが公開されており、一部の開発者はbotの開発が可能となっていました。
2017年4月の発表では、ウェルカムメッセージとクイック返信などのチャットボット機能がアップデートされています。これにより、画一的な返答だけではなく、ピザのオーダーや荷物の配達予定の問い合わせなど、実用的な使い方ができるようになりました。
テキストメッセージだけでなく位置情報も送信でき、すでにEvernoteやピザハット、Airbnbなどの企業がこのシステムを自社のサービスに活かしています。APIを用いて自由に開発ができるため、これからもさまざまな企業が活用していくことが考えられます。
Get faster and easier help from businesses. Try it now with @EvernoteHelps and @PizzaHut. #CarpeDM pic.twitter.com/T8vHnLESEM
— Twitter Marketing (@TwitterMktg) 2016年11月1日
こちらの動画は、配達の問い合わせにDM botを使用した場合のイメージです。荷物の追跡番号を入力するだけで、即座に配達予定を返信してくれます。
ただし、2023年12月時点ではフォローされていないユーザーにダイレクトメッセージを 送信できるのは認証済みユーザー(有料)だけなので、無料ユーザーから企業アカウントにダイレクトメールで問い合わせが入ることは減っていくでしょう。
「ウェルカムメッセージ」と「クイック返信」
引用元:https://business.twitter.com/ja/help/connecting-with-customers/direct-messages.html
X(Twitter)のDM botを企業で活用するケースとして、特定のキーワードに対しての返信や、ウェルカムメッセージやクイック返信といった機能の利用が挙げられます。
「ウェルカムメッセージ」とは
ウェルカムメッセージとは、企業にDMを送ろうと画面を開いたとき最初から表示されるメッセージです。
ユーザーがDMを送ろうとするときに必ず目に入るため、伝えたいメッセージを的確に届けられます。自己紹介や挨拶、使い方の説明などのほか、キャンペーン情報や企業のブランドイメージなど、さまざまな使い方が考えられます。
テキストだけでなく画像やリンクを設定することで、オリジナリティのあるコンテンツを表示することも可能です。
このようなウェルカムメッセージを設定しておくことで、ユーザーの心理障壁を下げ、スムーズに会話を始めやすくなることが期待できます。
「クイック返信」とは
クイック返信は、選択肢を提示することでユーザーがメッセージを送りやすくする仕組みです。問い合わせ内容や質問の項目など任意のボタンを設定しておくと、ユーザーはそれらのボタンを押すだけで簡単にメッセージを送ることができます。
このクイック返信の機能は、タイムラインに表示されるプロモーションツイートにも使うことができます。
引用元:https://business.twitter.com/ja/help/campaign-setup/Create_DM_Card.html
このようにポスト内にボタンがついているフォーマットはダイレクトメッセージカードと呼ばれ、最大4つまでボタンを設置できます。ユーザーは、広告内のボタンを押すだけでダイレクトメッセージを送信できるので、気軽に問い合わせなどが可能になります。
2. DM bot(ダイレクトメッセージチャットボット)を活用するメリット
海外ではすでにいくつか活用事例があるものの、日本ではまだあまり活用されていません。ですが、X(Twitter)DM botの活用は企業側とユーザー側の双方にメリットがあります。
企業にとってのメリット
企業側の立場からすると、問い合わせ対応の工数削減は大きなメリットでしょう。
ユーザーから来た問い合わせへの返信をできるだけ自動化できれば、人が対応する手間を大きく減らせます。簡単な内容なら回答を設定しておけば自動で応答でき、しかも人が入力するよりも素早く反応することが可能です。これによりユーザーが返事を待つ時間を短縮し、顧客満足度を高めることにもつながります。
ユーザーにとってのメリット
人間ではなくbot相手なため、ユーザーはメールや電話よりも気軽に問い合わせができます。時間や休日なども気にする必要がなく、すぐに返信が来るというのも大きなメリットといえるでしょう。
設定によっては企業アカウントをフォローしていなくてもDMを送れるので、LINEの友だち追加のような手順が必要ないのも便利な点です。また、クイック返信が設定されていれば選択肢のボタンを押すだけでよく、文章を打つ手間も必要ありません。
3. DM bot(ダイレクトメッセージチャットボット)はどんな使い方が有効?
では、X(Twitter)のDM botを取り入れるとしたら、どのような使い方が考えられるのでしょうか?事例を基に、いくつか考えてみましょう。
カスタマーサポートの自動化
必ずしも個別対応が必要ではない一般的な質問などは、DM botで十分に対応が可能です。また、AskDysonのようにカスタマーサポートへの最初の連絡はDMから受け付け、その後はオペレーターが対応するという使い方も効率的でしょう。
特に商品やサービスのターゲット層が若い世代であれば、DM botを使ったカスタマーサポートは抵抗なく受け入れてもらいやすいと考えられます。
エンタメコンテンツのレコメンド
NBAの例で好きなチームを伝えるとそのX(Twitter)アカウントを紹介してくれたように、自分の好みに合わせたコンテンツのレコメンドはユーザーに受け入れられやすいでしょう。Economistのようにニュース記事を紹介するという使い方も、ユーザーの利便性を高められるだけでなく、企業はターゲットユーザーに的確にコンテンツを届けることができます。
質問に答えたらおすすめの音楽を教えてくれたり、嗜好に合わせた料理レシピを教えてくれたりなど、さまざまな使い方が考えられそうです。
位置情報の活用
ユナイテッド航空のように、位置情報を活用するのも有効です。ユーザーは位置情報を送信するだけで住所などを入力することなく、現在地に関する情報を得ることができます。これにより、今いる場所の近くにあるお店をレコメンドしたり、観光情報を提供したりといった使い方が可能になります。
おもしろコンテンツ
キャラクターになりきったアカウントなら、返答を工夫することでユーザーがキャラクターと会話を楽しめるような活用も考えられます。また、設問に合わせて選択肢を選んでいくという構成は占いや心理テストなどの診断コンテンツとも相性がいいのではないでしょうか。
4. DM bot(ダイレクトメッセージチャットボット)の活用事例
それでは、実際にDM botを活用している事例をご紹介します。
事例1:NBA(@NBA)
北米のプロバスケットボールリーグのNBAのアカウントでは、好きなチームを答えるとそのチームのX(Twitter)アカウントを紹介したり、NBAに関する動画を見たりすることができます。
ウェルカムメッセージで簡単な説明をしてくれるので、何をすればいいか理解しやすくなっています。またチーム名はクイック返信機能で選ぶだけなので、わざわざ入力する必要がありません。
事例2:ToysRUs(@ToysRUs)
玩具販売大手のトイザらスでは、通販に関する問い合わせができるようになっています。注文番号を入力するとカスタマーサービスチームから連絡が来るようになっており、より迅速なカスタマーサポートを実現しています。そのほかにも、店舗に関する問い合わせやバースデー会員の説明などをクイック返信で選ぶことで、ユーザーはさまざまな情報を得ることができます。
事例3:The Economist(@TheEconomist)
https://twitter.com/theeconomist
経済や国際ニュースを配信しているEconomistでは、さまざまなカテゴリーがクイック返信の選択肢に設定されています。この中から興味のあるものを選択すると、そのカテゴリーにあった記事をレコメンドしてくれます。
リンク先で記事を読めるだけでなく、その記事をポストで紹介することもできます。サイトで検索することなく、自分の読みたい記事を効率よく探せます。
事例4:United Airlines(@united)
ユナイテッド航空のアカウントでは、現在地から出発する航空便の検索とフライト情報の確認ができます。2017年4月に搭載された位置情報送信機能を活用しており、ユーザーが位置情報を共有すると今いる場所からの航空便をいくつか提示します。
また、航空機のフライト番号を入力するとフライト状況の確認もできます。
事例5:The Weather Network(@weathernetwork)
https://twitter.com/weathernetwork
天気情報を配信しているThe Weather Networkのアカウントでは、地域名を入力すると天気を教えてくれます。
現在の天気や時間ごとの天気、週間天気予報などもクイック返信から選ぶだけで即座に天気予報を表示。一度入力した地域名は保存しておいてくれるので、次に天気を調べたいときはクイック返信のボタンを押すだけなので簡単です。
事例6:Ask Dyson(@AskDyson)
AskDysonは、ダイソンの顧客サービスチームのアカウントです。問い合わせたい製品のシリアル番号と住所、電話番号をDMで連絡すると、サポートを受けることができます。ユーザーからのリプライに対してもDMを送るよう促すことで、サポート対応をスムーズにできるようにしています。
5. まとめ
X(Twitter)のDM botを活用することで、企業側とユーザー側の双方にメリットがあることが分かりました。国内の事例は少なかったため、海外アカウントの例を中心にご紹介しましたが、今後は国内でも活用する企業が増えていくかもしれません。
企業と気軽につながることのできるX(Twitter)は、エンタメやネタ系のコンテンツも受け入れてもらいやすく、DM botもユニークな活用ができそうです。
LINEやFacebook でもすでにチャットボットの導入が始まっています。X(Twitter)以外のボットについては以下の記事をご覧ください。
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