【事例付き】会員登録率が上がる?!ソーシャルログインのメリット・デメリット、事例、導入方法を解説

2018/06/15

最近はインターネット上の多くのサービスで、「Facebookアカウントでログイン」といったSNSアカウントを使用したログインを見かけるようになりました。この機能は「ソーシャルログイン」と呼ばれており、面倒になりがちな新規会員登録やログインを簡単にできる方法として注目を集めています。

本記事では、このソーシャルログインを導入するメリット・デメリット、導入方法などを解説します。

    ■目次

  1. ソーシャルログインとは
  2. ソーシャルログインを活用するメリット・デメリット
  3. よく利用されるソーシャルログインボタンは何?大注目のLINEログイン
  4. ソーシャルログインを導入するには?
  5. まとめ

1.ソーシャルログインとは

ソーシャルログインとは、ユーザーが使い慣れたSNSや外部サービスのアカウントを利用して、簡単にWebサイトやWebサービスなどに新規登録・ログインできる機能のことです。ソーシャルログインではすでに「いつも使っているサービス」で登録済のアカウント情報を使用できるため、ユーザーは面倒な入力の手間を省いて会員登録でき、ワンクリックでログインも済ますことができます。

まずは例を見てみましょう。

事例1:iLumine

▼PC画面

▼スマートフォン画面

 https://i.lumine.jp/login

Facebook・X(Twitter)のような代表的なSNSに加え、Yahoo! JAPAN、Google+、LINEの5種類のソーシャルログインボタンを用意しています。かなり幅広いラインナップです。

事例2:JINS

▼PC画面

▼スマートフォン画面

https://accounts.jins.com/jp/ja/login

Facebookに加え、Amazon、楽天IDでのログインも可能となっています。スマートフォン画面ではソーシャルログインボタンのほうが上部に表示されており、利用率の高さが伺えます。

ソーシャルログイン機能を提供しているサービス

例を見ていただけるとわかる通り、FacebookやX(Twitter)、LINEなどのSNS系だけでなく、Amazonや楽天など決済情報を登録しているEC系のサービスもソーシャルログイン機能を提供しています。そのほかにもGoogleやYahoo!などの利用者が多い検索エンジンや、日本ではまだまだ利用者数は多くないLinkedIn、かつて一斉を風靡したmixiなどもソーシャルログイン機能を利用可能です。

ソーシャルログインボタンを実装する場合、自社サービスやサイトのターゲットに合ったものを厳選して設置するといいでしょう。

2.ソーシャルログインを活用するメリット・デメリット

ソーシャルログインの設置は、 ユーザーと企業の双方に大きなメリットをもたらします。しかし多くのメリットがある一方で、考慮しておかなければならないデメリットもいくつか存在します。

ソーシャルログインを導入するメリット・デメリットを、企業・ユーザー双方の視点で整理してみましょう。

企業にとってのメリット・デメリット

導入コストや取得できるユーザーデータが限られることがあるなどのデメリットはありますが、基本的には利便性向上によるコンバージョン率アップなど、デメリットを上回るメリットがあると考えていいでしょう。

▼メリット

  • エントリーフォームでの離脱率の改善、会員登録率のアップ、コンバージョンアップを見込める
  • サービスの継続利用やログイン頻度を高めるのに役立つ
  • パスワードの再発行やログインできないという問い合わせが減る
  • 使用するアカウントに紐づく個人情報を取得すれば、さまざまな分析に活用できる
  • セキュリティ対策へのコストを減らせる

▼デメリット

  • 利用しているSNSでユーザーが登録した内容以外の個人情報は取得できない
  • SNS側での仕様変更で、影響を受ける可能性がある
  • 独自でサイトに実装する際、社内にエンジニアがいなければ導入コストが発生する
  • ソーシャルログインだけですべてのユーザーをカバーすることはできない

ユーザーにとってのメリット・デメリット

ログインや新規会員登録が圧倒的に楽になるなど、ユーザーにとってもソーシャルログインのメリットは大きいです。ただし、FacebookやX(Twitter)のアカウントでログインしていたら知らないうちによくわからないアプリとも連携されてしまってトラブルに繋がる例もあり、ソーシャルログインに不信感を抱く人もいます。

場合によってはユーザーの不安を取り除く工夫も必要です。

▼メリット

  • とにかく手軽に会員登録ができる
  • 利用しているSNSのIDやパスワード以外は覚える必要がなく、ワンクリックでログインできる
  • 二段階認証を利用できる
  • 異なるデバイスからも利用しやすい
  • SNSに登録されている個人情報を活用できるので、入力ミスを軽減できる

▼デメリット

  • あやしいサービスでソーシャルログインを使用すると、情報流出などの被害に遭うことがある
  • 理解して利用していないと、思わぬ権限や情報をサービスに渡してしまう(Facebookの友達リスト共有、タイムラインへの投稿を許可してしまうなど)

3.よく利用されるソーシャルログインボタンは何?大注目のLINEログイン

ソーシャルログインボタンで見覚えがあるものでは、FacebookやX(Twitter)のイメージが強いと思います。しかしソーシャルログインを提供しているサービスはほかにも様々な種類があります。

では、実装するならどのソーシャルログインボタンを優先すべきでしょうか。調査結果を踏まえながら、考察していきましょう。

よく使われるソーシャルログインは、PCはYahoo!ログイン、モバイルはLINEログイン

ソーシャルログイン支援サービス「ソーシャルPLUS」を提供する株式会社フィードフォースが行ったソーシャルログイン利用状況調査2018では、PCからはYahoo! JAPANのアカウントを利用する割合が52.1%と半数以上を占め、続いてFacebook(24.4%)、X(Twitter)(10.5%)となっています。

一方モバイルでは、LINEログインが32.2%と最も多く、続いてYahoo! JAPAN(28.3%)、Facebook(19.4%)と、PCとモバイルでは利用されるアカウントの傾向が異なることがわかりました。

ちなみにソーシャルログインを利用するデバイスはモバイルが8割、PCが2割となっており、モバイルからの利用が圧倒的に多いです。そもそも一般ユーザーはスマートフォンなどを使ってネットサービスを使う場面が多いことや、小さいモバイル画面ではより個人情報の入力が面倒に感じられることなどが要因として考えられます。

LINEログインが大躍進!スマートフォンメインのサービスなら導入必須

上述の調査結果から、モバイルで最も使われるのはLINEログインとなっています。さらに、ソーシャルログインの8割はモバイルからとの結果も出ており、「スマートフォン+LINEログイン」の利用率がかなり高いことがわかります。国内における月間アクティブユーザー数の面でも、LINEは7,300万人以上と非常に多く、スマートフォンメインのサービスでソーシャルログインを実装する場合、LINEログインは導入必須といえるでしょう。

LINEのOfficial Web Appとは

LINEログインを可能にしているのが、Official Web Appです。API型公式アカウント、ビジネスコネクトアカウント、LINE@プロアカウントで利用可能なこの機能は、自社のWebサービスとLINEアカウントを連携させ、LINEアカウントを起点に集客・アクション誘導・リピート促進まで、ユーザーの行動をLINEアプリ上でシームレスに完結させることができる仕組みになっています。

0822owaimage

LINEログインを実装すれば、ログイン時に企業のLINEアカウントを友だち登録するような設定もできます。パーソナライズされたプッシュメッセージ経由の予約や購入がよりスムーズになり、コンバージョン率の向上も期待できます。

4.ソーシャルログインを導入するには?

では、実際にソーシャルログインを使いたい場合どうすればいいのでしょうか?

自社開発か導入支援サービスを使うか

ソーシャルログインを導入する方法は、大きく分けて2種類あります。自社で開発して実装するか、「ソーシャルPLUS」「GIGYA」などの導入支援サービスを利用するかになります。

自社開発の場合は、各提供会社がソーシャルログイン実装に必要なコードやボタン素材などを提供しているので、それをひとつひとつ実装していけば導入は可能です。ただし、急に仕様が変わったりすることもあるので、社内にエンジニアのリソースがないと、自社での実装には不安が残るでしょう。

社内に実装できるスキルがある人がいない場合、ソーシャルログインを簡単に導入できる外部サービスを利用する方法があります。月額費用がかかるものの、初期設計などから頼めるので、自社開発がむずかしければ検討してみましょう。

5.まとめ 

今や企業とユーザーの双方に必要な機能として存在感を増しているソーシャルログイン。モバイルへのシフトが進む現在、自社サービスや商品などの優位性を高めるためにも、ソーシャルログインの機能は必須といえます。専門知識やエンジニアのリソースがない企業でも、支援ツールを使って導入が可能ですので、サイト運営に課題を感じている場合はぜひ取り入れてみてください。