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2018.08.07

王を称えよ! 大ヒット映画『バーフバリ 王の凱旋』、SNS上の口コミが空前の凄さだった件

本国インドはもちろん、アメリカやヨーロッパなど世界各国で人気を博した「バーフバリ」。日本でもTwitterを中心に口コミが広がり、ロングヒットを記録しました。そこで今回は「バーフバリ」がネットを通じて多くの観客を惹きつけた理由について考察をしていきます。

本国インドやアメリカで大ヒットを記録し、日本でもロングヒットを続けている映画「バーフバリ」。この映画が日本でヒットした要因のひとつにTwitterによる口コミが挙げられます。

今回は、「バーフバリ」の口コミの特殊性やどのように広がっていったのか、なぜここまでTwitterが盛り上がったのか、映画が大好きなSNSマーケティングコンサルタントが分析&解説します。

    ■目次

  1. 熱狂を生んだインド映画『バーフバリ 王の凱旋』とは
  2. なぜ『バーフバリ』の口コミは特殊なのか
  3. バーフバリがTwitterで盛り上がった理由1. 二次創作しやすい&ネタにしやすいコンテンツ
  4. バーフバリがTwitterで盛り上がった理由2.体験型上映
  5. 口コミを増やすカギは作品にいかにユーザーを巻き込むか

熱狂を生んだインド映画『バーフバリ 王の凱旋』とは

主にTwitterで大きな話題となった映画『バーフバリ 王の凱旋』。2015年に公開された『バーフバリ 伝説誕生』の続編であり、完結編です。主人公であるバーフバリの3代にわたる王家の物語で、ファンタジー、アクション、そしてインド映画でおなじみのミュージカル要素もふんだんに含まれた娯楽大作に仕上がっています。

インド映画史上歴代最高興収を達成、全米週末興行収入ランキングでも初登場第3位を記録。インド映画好きのみならず、多くの映画ファンを魅了しています。

映画好きの私自身も、Twitterで「観るアーユルヴェーダ」という今まで見たこともない口コミを目にして、「なんだそれは!?一度観に行くしかない!」と思い、インド映画にもともと興味があったわけではありませんが、これだけTwitterで騒がれているのであれば…と部署の仲間を引き連れ映画館に足を運びました。

観客には意外と女性が多く、半分くらいが女性でした。インドの歴史ものの映画ということまで予告編やダイジェスト動画を見て把握していましたが、率直に観客層を見て意外だなと思いました。

しかし、今となっては、Twitterの「観るアーユルヴェーダ」や「美肌効果がある」「健康にいい」と言ったような面白いTwitter上の口コミに興味を持った私と同じような女性が多かったのではないでしょうか。ストーリーもさることながら、一番の見どころはバーフバリの活躍シーン。多くの人が興奮しツイートしたくなるのがよく分かる、あっと驚く戦闘シーンや民衆が称える圧倒的なバーフバリの存在感…。私と一緒に見に行った仲間の間でも、作品を見た後、その衝撃をものすごい勢いで語り合ったのを覚えています。

とにかく、観た人のゴリ押しとその熱量がハンパない。それが『バーフバリ 王の凱旋』です。

参考:https://eiga.com/movie/87037/special/

なぜ『バーフバリ』の口コミは特殊なのか

TwitterやInstagram、Facebookなど、SNSの口コミを通じてヒット商品が生まれることは、もはや珍しくはありません。しかしバーフバリの口コミは一般的な映画作品の口コミとは違った形での広がりを見せていて、それが今日のロングヒットにつながっています。

一般的な映画の場合、公開前の予告編公開や作品情報公開のタイミングと合わせて、露出を増やします。SNSでの言及(口コミ)も、予告編や作品情報公開を受けて期待感が醸成され、公開直前にかけてジワジワと口コミ数が増加していきます。そして公開直後をピークに口コミ数は急激に増え、その後、基本的に口コミ数は急激に落ちていきます。打ち上げ花火的な露出によって認知を高めるイメージに近いかもしれません。

しかしバーフバリの口コミ数は公開後にジワジワと右肩上がりになり、公開3ヶ月を超えてから頂点に達します。さらにその後も何度かの山があり、一定の口コミ量を数ヶ月に渡って保持しています。

これはその他の映画にはなかなか見られない傾向です。

なぜバーフバリは、公開後も右肩上がりの口コミを獲得し、かつそれらが長く続いたのでしょうか。

その理由は打ち上げ花火的な露出をせず、話題を積み上げていったことにあります。

ダイジェスト動画が公開されると二次創作、大喜利が盛り上がり、さらに体験上映(絶叫上映)、完全版上映告知、完全版上映開始、完全版の絶叫上映など、盛り上がる要素を段階的に積み上げていきました。

これらが功を奏し、ネット上でもジワジワと認知が広がっていったのです。それぞれの要因を、もう少し掘り下げてみてみましょう。

バーフバリがTwitterで盛り上がった理由1:二次創作しやすい&ネタにしやすいコンテンツ

バーフバリの人気が一過性のものではなく継続した理由の一つに、二次創作しやすい、かつネタにしやすいコンテンツを提供したことにあります。おそらくこれは制作側ではあまり意識していなかったことではないでしょうか。

2017年12月にダイジェストが公開されてから、そのシュールさに注目が集まりました。そこからTwitter上の映画好きユーザーアカウントの間で話題となり、さらにその垣根を越えて多くの人に広まっていったのです。

さらに出演者を模したイラストや、「バーフバリを見ると健康になる、体調が良くなる、肌の調子がいい」などほかの映画ではまず聞かれないような独特な感想がTwitter上で続々と投稿されていきました。

こういった口コミも、多くのユーザーの興味を引くことに繋がったといえます。

バーフバリがTwitterで盛り上がった理由2:体験型上映

バーフバリが長期間、Twitterで盛り上がった理由はほかにもあります。それは絶叫上映と完全版の公開です。

絶叫上映とは映画の登場人物と一緒に歌ったり、叫んだりできるもので、どんな映画にも必ずといっていいほどミュージカル的な場面が盛り込まれているインド映画にはうってつけの上映方法です。映画の登場人物のコスプレをして映画館に訪れている観客の画像が、TwitterだけではなくInstagramにも投稿されています。


昨日は横浜ニューテアトルで バーフバリ絶叫上映がありました。 私は先日池袋のインドサラサさんで (@sarasabukuro ) 購入したサリーで参戦! とても楽しかった〜!😆 * ブラックサンダーと小枝、 チュッパチャプスでおやつセットを 作って劇場で近くの方にお配りしたら お返しを沢山頂いてしまいました。 パッケージがどれもとても凝っていて 愛を感じます!✨ 参加された皆様、 昨日はありがとうございました! お菓子も大切に食べます💕 * #baahuballi #baahuballi2 #movie #バーフバリ #バーフバリ伝説誕生 #バーフバリ王の凱旋 #バーフバリ絶叫 #横浜ニューテアトル #映画 #ヨコハマヒシュマティ #サリー

九ノ尾紗綾さん(@saya_omz)がシェアした投稿 –


さらに一緒に掛け声をしたり歌ったりできる絶叫上映に留まらず、紙吹雪やクラッカーもOKな「マサラ上映」、音楽ライブ用の機材などを使用した「爆音上映」などさまざまなタイプの上映方法で観客を飽きさせない工夫も。

そして観客もみんなで歌えるようにと歌詞をカタカナにしてTwitterに投稿するユーザーまで現れ、みんなで盛り上がる空気感が醸成されています。

体験できること、みんなで盛り上がれること、これがネット上で長期間に渡って途切れることのない話題となり、多くの観客をつかむことに成功した要因といえます。

またバーフバリには、インターナショナル版と完全版があり、元々日本ではインターナショナル版が上映されていました。しかしインターナショナル版よりも約30分も長い完全版が公開されるようになったことも、完全版を熱望していたファンの熱狂をさらに高める効果を生み出しました。

完全版公開の際にも、絶叫上映を行い、ファンの心がっちりと掴んだ動きをしていることが分かります。

口コミを増やすカギは、作品にいかにユーザーを巻き込むか

盛り上がりを作り、公式は後押しする

バーフバリがネットやSNS上の口コミをここまで増やしたポイントは、単に多くの情報を発信するだけではなく、自分たちの作品にどういった特徴があり、どうしたら盛り上がるかを深く考え、作品にSNSユーザーの関われる余地(自由)を残した点です。

「バーフバリ 王の凱旋」の最大の魅力ともいえる「バーフバリを称える」という行為を前面に出した絶叫上映や爆音上映は参考になる施策でした。自分も参加してみんなで大声を出しながらバーフバリを称えたい、一緒に歌を歌いたい、そして映画の楽しさを多くの人に伝えたい。多くの人にそう思わせられたことが口コミ数の増加に大きく拍車をかけました。

一方、そうした盛り上がりの中で、バーフバリの公式Twitterアカウントは公式情報の発信だけでなく、Webメディアで取り上げられた情報や追加の公開情報などリツイートしたり、ユーザーのツイートは厳選してリツイートしたりしました。自社以外の情報を厳選してリツイートし、ユーザーたちの盛り上がりを遮らなかった点もひとつのポイントです。

口コミの重要性

ネット上で口コミを増やしていくためには、その商品・サービスが良いものであることは大前提です。そのうえで、ユーザー目線でどう楽しんでもらえるかを設計することが重要です。

映画作品の場合、予告編公開や情報公開から公開直前までの期待感の醸成、公開後のメディア露出情報や公開情報の発信。加えて、作品の特性を活かし、ユーザーに喜んでもらえる追加上映の実施(たとえば応援上映や絶叫上映、爆音上映)。ユーザー目線で、段階的にコンテンツを仕込んでいくことが重要です。

今では多くの映画作品アカウントで、アカウントのフォローと独自のハッシュタグをつけて感想を投稿することで応募できるキャンペーンやテレビ放送や動画配信サービスで提供される作品をユーザー各自が同じ時間帯に再生して楽しむ同時再生企画など、様々な仕掛けが実施されています。こうした取り組みを参考にしながら、それぞれの作品の特性に合わせた口コミを獲得する仕掛けを考えてみてはいかがでしょうか。

※編集部注:下記より画像作成
https://www.youtube.com/watch?v=syNfxSg_F-Y

この記事を書いた人:田口めぐみ

田口めぐみ 日系航空貨物・外資物流企業のカスタマーサービス職を経て、SNS好きが高じてガイアックス ソーシャルメディアマーケティング事業部にジョイン。現在は、飲料や製薬、交通系の企業のSNSコンサルタント業務を行う。幼いころから映画と洋楽が好き。学生時代から日常的にSNSを使用し、Twitterは4アカウント、Instagramは2アカウントを使いこなす。

Twitterアカウントはこちら。



この記事を書いた人:田口めぐみ
田口めぐみ 日系航空貨物・外資物流企業のカスタマーサービス職を経て、SNS好きが高じてガイアックス ソーシャルメディアマーケティング事業部にジョイン。現在は、飲料や製薬、交通系の企業のSNSコンサルタント業務を行う。幼いころから映画と洋楽が好き。学生時代から日常的にSNSを使用し、Twitterは4アカウント、Instagramは2アカウントを使いこなす。

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