ビジネスチャンスは今。進行するダークソーシャル化と対応の仕方
2018/12/07
皆さん、ご機嫌いかがですか? ダークソーシャル対応に追われるコンサルタントの重枝です(@SGDYSK)。まず本論に入る前に30秒だけおさらいさせてください。
以前「5分でわかるソーシャルメディアマーケティング」という記事を書かせていただきました。ざっくりと論旨はこうです。
- ソーシャルメディアとSNSはイコールではない
- ソーシャルメディアは、SNSとCNSを合わせた概念である
- SNSは人と人のつながり、CNSは人の興味関心とコンテンツのつながり
- SNSは人との交流(誰が言うかが重要)、CNSは情報発信と収集(何を言うかが重要)のメディア
それでは本文に入っていきましょう。
1. クローズドなSNS
さて、上記の意味でのSNSを使って人と交流する場合、皆さんは知り合いとすることが多いですか? それとも知らない人とすることが多いですか?
積極的にファンと交わる有名人などの一部の人を除き、通常は知り合いと交流する人が多いでしょう。では、SNSで知り合いと交流する場合、皆さんはオープンの場で交流することが多いですか? それともクローズドですか?
これも言うまでもなく、クローズドですよね。完全オープンなX(Twitter)やFacebookを使うというより、鍵をつけたり、公開範囲を制限したり、LINEを使ったり、DMやmessagerを使うわけです。
ここで重要なのは、CNSと違いSNSはかなりの割合が公開されないやりとり(ダークソーシャル)であるということです。
必然的にクチコミの発生場所もやはりダークソーシャルであることは多いのです。
そして、本当にリアルなクチコミも公開されないSNSの方に多くあると推測できます。万人に公開される状態で言えないことが言えるからです。これは口頭でのクチコミと非常に近い。
とは言え、今までと違うのはデジタルデバイスのUIを通して行われること。思わず保存してしまうような画像やコンテンツを作っておくと、クローズドでも話題に乗りやすくなることでしょう。
シェアされやすいコンテンツをCNS的コミュニケーションでユーザーの心に響かせ、SNSに載せて拡散させていく、そんな活動が効果を生みやすい時代になっていると言えます。
ただ、これは理屈ではそうなのですが、なかなか手を出す企業もいないのです。追跡しにくいため、効果があったかどうか、数値で追うのが困難だからです。
なので、もし行うとすれば、サイト解析でクローズドSNSからどれだけ流入があったか、シェア画像がどれだけ(保存目的の)いいねされたかなどで、間接的に効果をはかるという形になるでしょう。
現時点では上記の発想でマーケティングを行う企業は多くはありませんから、ブルーオーシャン状態であるとも言えますね。
2. メッセージ機能やチャットボットにビジネスチャンスがある
ソーシャルはますます上記のような非公開の場に移行しつつあるといえます。以下の記事でも、モバイルで共有されるコンテンツがクローズドなメディアに偏りつつあることがわかります。
全世界でモバイル端末を使って共有されるコンテンツのうち、インスタントメッセージ、電子メール、ショートテキストを通じた共有が実に81%を占めるという。2014年の50%未満から大幅な増加だ。
参考:http://digiday.jp/…/80-percent-mobile-sharing-done-via-dar…/
そうした状況が進むと、メッセージ機能を利用したビジネスへのお問い合わせも増加していきます。
チャットボット市場の急速な発展も上記を受けた流れだと言えます。チャットボット市場は2016年の7億ドルから、2021年には31.7億ドルまで成長すると予測されています。
参考:http://c-bri.co.jp/799
日本人にはメッセンジャーを利用して企業へお問い合わせするという習慣がまだ浸透しているとは言えません。
しかし、欧米、東アジア、東南アジアでは既に当たり前の行動習慣になっています。2020年に向けて、訪日外国人の増加が予測されますが、その時、各種メッセンジャーでのお問い合わせ窓口を用意していないことで、インバウンド需要を狙った企業は、かなりの機会損失が出る可能性もあります。
逆にそこに敏感な企業は、ロスった競合の機会を総ざらいできる可能性もあるかも知れません。
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この記事を書いた人:重枝義樹