8月の主要SNSニュースまとめ!X(Twitter)の「フォロー」の概念が変わる可能性がある?

2019/09/12

X(Twitter)の「トピック」をフォローする機能や特定ツイートへのリプライ購読機能をテストしているなど、8月もマーケターが見逃せないSNSニュースが盛りだくさんです!

    ■目次

  1. Facebook
  2. X(Twitter)
  3. Instagram
  4. 全体

1. Facebook

広告のターゲティング、ユーザーが情報提供を断れるように

2019年8月、Facebook社はユーザーが自分の個人情報をターゲティング広告に利用できないように(選択)できる新たな仕組みを導入すると発表しました。

今回の措置が「事業に影響を及ぼす」とする一方、「ユーザーがデータをコントロールできることの方がより重要だ」としています。

2018年春に起きた情報流出問題は、同社のビジネスモデルの根幹を変えつつあります。

Facebook社は例えば、衣料品を検索した後にフェイスブックにログインすると同じ衣料品の広告が出るように、webサイトやアプリからユーザーの行動データを集めて広告のターゲティングに活用しています。本機能の導入によって、ユーザーは自分のデータの収集元を確認でき、ターゲティングに使用されないよう情報提供を断ることができます。

情報提供を断るユーザーが増えると、広告ターゲティングに活用できるユーザーデータが減少し、結果的に精度が低下するので広告効果が悪化し出稿量が減ると考えらます。

Facebook社のこの舵取りは短期的な広告収益以上に、ユーザーのプライバシーを重視した、プラットフォーマーとしての中長期の成長を見据えた決断であると言えます。

参考:
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48797050R20C19A8TJC000/

検索広告の導入をまずは米国からテスト

2019年8月、Facebook社は検索広告の購入を許可する広告主の数を増やし、Google、Amazon、Microsoftに支配された検索市場に深く入り込もうとしています。

複数の広告主に、メイン・Facebook Marketplace内の検索バーに表示される検索結果に、広告を掲載する権限を与えました。

この広告はニュースフィード広告と同じターゲットグループに向けても配信できます。

Facebook社はこれまでユーザーに受け入れられやすい広告メニューを展開してきました具体的には複数枚の画像で訴求できる「カルーセル広告」や、ユーザーの関心ごとに合わせた「ダイナミック広告」です。しかし同社の成長にともない、広告主が増えたため、従来のニュースフィード広告における競争が激しく単価が上昇しています。

今回の検索広告が導入されれば、出稿できる在庫が増えると言えます。日本の市場では検索機能がInstagramやX(Twitter)ほど活発に使われているわけではありませんが、同社の担当者曰く、eコマース、小売、自動車など、商業関係の検索語句に表示される可能性があるとしているため、上記企業は経過をみていくと良いでしょう。

参考:
https://digiday.jp/platforms/no-keywords-media-buyers-testing-facebooks-search-ads-product/

「グループ」のプライバシー設定をより分かりやすいものに

2019年8月、Facebook社はプライバシー設定の詳細をユーザーにとってわかりやすいものにしようとしています。

今後、「公開(Public)」と「非公開(Private)」の2種類のグループになるそうです。

これまであった「秘密(Secret)」とされていたグループは、「非公開」で「見えない(Hidden)」グループとなり、メンバー以外は見つけることができなくなります。

同社は今年行われた「F8」で経営方針の変更を発表しており、よりプライベートなシーンで使われることを目指しています。今回のアップデートはグループ機能の拡充及びプライバシーの強化を図ったものでありプライベートでの活用をスムーズにすることでFacebookの滞在時間を伸ばすことを目的としていると考えらえれます。

ユーザーとしては、今回のアップデートでより安全にFacebookのグループ機能を活用できるようになると言えます。

同社はInstagram、WhatsApp、Messengerのすべてで共通して使える機能を追加することも検討しており、今後もグループ機能の拡充は行われていくと考えられます。

参考:
https://japan.cnet.com/article/35141298/

2. X(Twitter)

特定ツイートへのリプライ購読機能をテスト中

2019年8月、X(Twitter)社は「特定のツイートへのリプライを購読」機能をテスト中で、iOS版およびAndroid版の公式アプリで試験運用していると発表しました。

この機能は、特定ツイートを中心とした会話の「広がり」に着目したと言えるでしょう。

ツイート表示中に返信機能をオフにすることができ、会話に加わったりツイートに返信しなくても、最新のリプライを追えます。

これまでリプライはコミュニケーションの機能として使われていましたが、購読機能が導入されると情報収集のひとつとしてさらに活用されるようになります

ユーザーは情報がキャッチアップしやすく便利になります。そのため、企業としては、たとえば議論を促すコンテンツや投稿内容に対する答え合わせ系のコンテンツを配信してユーザーに通常ツイートよりも長い期間エンゲージしてもらうことが可能になります。このようなコンテンツの企画をしてみてはいかがでしょうか。

参考:
https://japanese.engadget.com/2019/08/12/twitter/
https://twitter.com/Twitter/status/1159593626294525954

「フォロー」の概念がちょっと変わる可能性。「トピック」をフォローするテストを実施。

2019年8月、テック系ニュースメディアのThe Vergeは、X(Twitter)社がアメリカのメディア向けのイベントで語っていた新機能・テスト機能について伝えています。

注目したいのが「トピック」のフォロー機能で、X(Twitter)の情報入手ツールとしての側面を強化したものです。スポーツチーム、有名人、テレビ番組などのトピックをフォローできるようになります。

これまでX(Twitter)で情報収集方法する場合、欲しい情報を発信しているアカウントを探してフォローする必要がありました。同機能が導入されると、気になる「トピック」をフォローするだけで特定の情報に効率的に辿り着けるようになるので情報収集の手段がぐっと広がります

各トピックがどのように抽出されるのかといったアルゴリズムは詳しく発表されていませんが、企業の運用においては「トピック」欄にいかに表示させてインプレッションが増えるか、ユーザーに言及されるかが重要になり、フォロワー数を増やすこと以外の新しい運用方針になると考えられます。

参考:
https://www.gizmodo.jp/2019/08/twitter-topic-follow-test.html

3. Instagram

18-29歳女性の「Instagram」アプリ利用状況を発表

2019年8月、ニールセンデジタルはスマートフォン視聴率情報「ニールセンモバイルネットビュー」のデータをもとに、若年層女性のInstagramアプリ利用状況を発表しました。

2019年6月には2,257万人と昨年同月比で+15%の成長。2014年6月から5年間成長率は年々鈍化しつつも、スマートフォンからのインターネット利用者の増加率を大きく上回る2桁以上の増加率で成長を続けています。

今やMAU3,300万人を超え、成長著しいInstagramですが、特に若年層女性のスマホユーザーの7割が利用しているのは特徴的です。

写真加工アプリも同様に急成長しているのも、若年層の女性を中心にナイトプールやタピオカなど「写真を撮るために行く」「シェアしたい商品や体験があるから行く」という消費傾向が背景にあることを考えれば頷けます。

同世代向けのマーケティング担当者はこれらアプリで何がどのように撮られ、加工され、投稿されるのか日々確かめることで「流行り」の解像度を上げられると言えます。

参考:
https://www.nielsen.com/jp/ja/insights/article/2019/20190823-instagram-app/

4. 全体

SNS動画の自動再生、無限スクロールは禁止。米議会で新法案提出

2019年8月、MIT Tech Reviewはジョシュ・ホーリー上院議員(共和党)がソーシャルメディア企業による無限スクロールや映像の自動再生、達成バッジのデザイン機能の使用を制限する新法案を提出したと報じました。

ユーザーがスクリーンに貼り付いている時間を制限する機能の構築をソーシャルメディア企業に義務付ける内容であり、これまでと真逆の取り組みを強いることになります。

この法案が可決された場合、自動再生されたときよりも「何となく見る」という行為が少なくなり、受動的に消費されるコンテンツが減ってしまうため、たとえば企業にとっては折角用意した動画コンテンツもユーザーに観られず、プラットフォームにとっては動画広告が再生されにくいなど、SNSの広告ビジネスに影響が出る可能性があります。

同氏の法案は2019年の7月に提出されました。Facebook社やX(Twitter)社など米国に拠点を構えるSNSプラットフォーマーは多く、今後の進展次第で、日本にも影響を及ぼす可能性もあるので引き続き注目です。

参考:
https://www.technologyreview.jp/nl/a-new-bill-would-ban-making-social-media-too-addictive/

20代の約3割が「ネットの口コミを商品購入時、ほぼ毎回、参考にする」

2019年8月、ジャストシステムは「モバイル&ソーシャルメディア 月次定点調査(2019年7月度)」の結果を発表しました。

20代の約3割が「ネットの口コミを商品購入時、ほぼ毎回、参考にする」と回答、「購入商品が、口コミほどではなく、がっかりした経験がある」のは、約7割に上っています。

口コミがユーザーの購買行動に影響を与えている一方で、口コミをきっかけに購入した人のうち7割の人が商品にがっかりした経験があることも今回の調査で分かりました。

企業にとってネット上に口コミを創出することは商品・サービスの認知から検討に繋げる重要な施策のひとつですが、それらがどのように語られるのか、意図しない口コミにどう対応するのかなど、商品・サービス開発やPRにまたがる課題も存在します。

企業の公式アカウントが口コミのネタの出題や見本を示したり、口コミをしてくれたユーザーと積極的にコミュニケーションを取ったり、一緒に盛り上がる工夫が必要です。

参考:
https://marketing-rc.com/report/report-monthly-20190821.html

テレビとネット両方の動画を長時間視聴する層は、消費意欲が高い傾向

2019年8月、博報堂DYグループ4社横断の動画統合タスクフォース「hakuhodo.movie」はテレビ視聴、ネット視聴の時間別に「動画生活行動」と「広告動画接触実態」を把握する目的で「動画生活者統合調査2019」を5,000人を対象に実施しました。

テレビ視聴、ネット視聴に費やす時間の異なるグループにおける視聴実態の違い、情報や消費に対する意識差などを分析しています。

この調査では、一日平均でテレビ動画は2時間半から3時間、ネット動画は1時間から1時間半も視聴されており、テレビ視聴 3 時間/日未満、ネット視聴は 1 時間/日以上は「ネット視聴メイン層」。テレビ視聴 3 時間/日以上、ネット視聴 1 時間/日以上は「テレビもネットも層」と定義されています。

両者のうち6割以上が、ネット視聴後に口コミ投稿や口コミ検索といった消費行動にアクティブだと分かりました。このことから、ネット動画の視聴が1時間を超えて、生活に浸透している層をターゲットに広告キャンペーンや企画を打ちだすのは、口コミ増加や認知拡大に貢献しそうです。

参考:
https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2019/08/20190827.pdf