【YouTube広告完全攻略】広告の種類、仕組み、課金方式、出稿方法まで徹底解説

2023/12/15

インターネットで情報を受発信する際にもはや欠かせない存在となったYouTube。YouTubeで情報を発信し、広く知らしめるためには、広告について把握しておく必要があります。今回は、YouTube広告の中でも特にTrueView広告の種類や仕組み、課金システムについてお伝えします。

※編集部注
2023年12月9日:最新情報をもとに加筆修正しました。
2023年4月6日:最新情報をもとに加筆修正しました。
2019年2月27日:最新情報をもとに加筆修正しました。
2017年5月24日:最新情報をもとに加筆修正しました。

    ■目次

  1. 高まる動画の有用性。 YouTube動画広告の活用もマストに
  2. YouTube動画広告は5種類
  3. YouTube動画広告の料金・課金体系
  4. YouTube動画広告の出稿までの流れ・設定方法
  5. YouTube動画広告で利用できるターゲティング
  6. YouTube動画広告の企業事例
  7. まとめ

1. 高まる動画の有用性。YouTube動画広告の活用もマストに

Google Japanの発表によると、2017年の日本のネット人口のうち、18~64歳の82%がYouTubeを視聴しているほど、インターネット利用においてYouTubeの存在は大きくなっています。

企業もその存在に注目しており、サイバーエージェントの調査によると2018年の動画広告市場規模は、1,843億円と昨年対比134%となる見通しです。

また、モバイル動画広告需要は1,563億円と昨年対比143%となり、動画広告需要全体の85%を占める見込みです。この勢いは2019年以降も続くとみられ、2020年の動画広告市場規模は2,900億円と予測されています。

YouTube動画広告の事例と効果

日本の食品ホールディングスである日清食品株式会社はYouTubeに自社製品であるどん兵衛と人気漫画のコラボCMを広告として流し、動画公開の先週と比べて売上が174%増加しました。

その結果、YouTubeで高い広告効果を獲得した動画広告を表彰する、Google主催の広告賞であるYOUTUBE WORKS AWARDS JAPAN 2023にて、いかにYouTube広告を活用して売上を伸ばしたかを競うBest Sales Lift部門を受賞しました。

2. YouTube動画広告は5種類

YouTube動画広告には主に5つの種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

①インストリーム広告

インストリーム広告は、動画コンテンツと同じ枠に流れる広告です。再生のタイミングによって次の3つに分かれます。

・動画再生前:プレロール

・動画再生中:ミッドロール

・動画再生後:ポストロール

また、広告試聴5秒後にスキップできる「スキッパブル広告」とスキップできない「ノンスキッパブル広告」があり、最初の5秒でいかに視聴者の目を止められるかが成功のカギとなります。

▼インストリーム広告の掲載場所

②インフィード広告

インフィード広告は「TrueViewディスカバリー広告」と呼ばれていましたが、2021年に名称変更されました。

YouTubeの検索画面や関連動画に表示される広告のことで、ユーザーが検索した内容と関連のある広告を表示できるのが特徴です。

サムネイルをクリックして初めて再生されるので、コンテンツ試聴を邪魔することなくユーザーにネガティブな印象を与えなくて済むという利点もあります。

▼インフィード広告

③バンパー広告

バンパー広告とは、最長で6秒間と短い時間で、スキップが不可能な動画広告を指します。わずか6秒間に企業や製品のアピールポイントを盛り込み、オリジナリティやインパクトのある表現でユーザーに伝える必要があります。

④アウトストリーム広告

アウトストリーム広告とは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル専用の動画広告フォーマットです。6秒~30秒の動画広告で、YouTube内ではなく、ほかのWebサイトやモバイルアプリなどに配信されます。

⑤マストヘッド広告

マストヘッド広告は、YouTubeのホーム画面上部に表示される広告です。

ターゲティングはできずセグメントの選択も国単位のみですが、もっとも目立つ場所に出稿することができるので、多くのユーザーにリーチすることができます。

3. YouTube動画広告の料金・課金体系

ここからは、上記でご紹介したそれぞれの YouTube動画広告の料金・課金体系をご紹介します。

YouTube動画広告は1日1,000円から出稿可能!無駄のない課金体系

YouTubeの動画広告は形態にかかわらず出稿する側が予算を決められます。そのため、低料金から出稿可能です。 YouTubeによると、ほとんどのユーザーが1日の予算をまず1,000円に設定してキャンペーンを展開しているそうです。

課金が発生するのはユーザーが広告を視聴した時に限られるので、無駄な料金が発生することもありません。

課金のタイミング

CPVとは Cost per Viewの略で、料金が発生するのは、ユーザーが動画を 30 秒間(30 秒未満の広告の場合は最後まで)視聴したか、30 秒経つ前に動画を操作した場合です。

無作為な表示や動画広告の視聴の有無がはっきりしない場合に関しては料金が発生しません。

動画の操作とは、アバターや共有ボタン、表示されたURLをクリックするなど、広告に対して主体的に行う具体的なアクションを指します。

CPMはCost per Mileの略で、広告が1,000回表示されるごとに発生する費用のことです。

アウトストリーム広告の「vCPM」は、「視認可能なインプレッション単価」という課金方式で、具体的には広告の面積の 50% が 1 秒以上表示された場合のインプレッション数に応じて料金が発生します。

4. YouTube動画広告の出稿までの流れ・設定方法

それでは、実際に YouTube動画広告を出稿する流れを見ていきましょう。

手順1:チャンネルを作成する

①チャンネルを作りたいGoogleアカウントでYouTubeを開くと右上にアイコンが表示されている状態になります。そのアイコンを開くと、Googleアカウント名、メールアドレスの下に「チャンネルを作成」という項目があるのでそちらをクリックします。

②チャンネルの名前とハンドルを決めたら「チャンネルを作成」を押すと完了です。アイコンの画像をアップロードしないと名前の頭文字がアイコンになって表示されます。

手順2:動画をアップロードする

自社アカウントや製品のアカウントに広告用の動画をアップロードします。

チャンネルページを開くと初回は中央にある「作成」ボタンから動画を作成できます。またそれ以降は右上の動画作成マークをタップすれば作成可能です。

スキッパブルインストリーム広告とインフィード広告には長さの制限はありませんが、長いとユーザーの興味は薄れてしまいますので、認知拡大やユーザーアクションを促したい場合30秒〜1分程度に収めるとよいでしょう。しかし、比較検討を目標とする場合3分までの長い動画も効果的です。

ひとつでも動画を作成している場合はこのようにチャンネル内の動画が一覧として表示されるようになります。

手順3:Google広告にログインする。

①広告を発信したいGoogleアカウントでGoogleホーム画面を開きます。右上のメニュー画面を開き、「Google広告」をタップします。

②右上にあるログインをタップします。

ログインすると、キャンペーンを作成していない場合は自動的に最初のキャンペーンを作成する画面に移行します。

手順4:新しいキャンペーンを作成する

①手順3にてログイン後、キャンペーンをそのまま作成することが可能です。

ビジネスの名前や広告から遷移したいページのURLを必要に応じて入力し「次へ」をタップします。

②手順1・2にて作成した広告用動画を作成したYouTubeチャンネルとリンクさせてから「次へ」をタップします。

リンクが正常に完了すると下記のような表示が画面右側に表示されるので参考にしてください。

③キャンペーンの目標を決めます。その後、検索ワードや地域・言語などで広告の対象を決め「次へ」で次の項目に移ります。

④広告を作成します。ロゴや画像、見出しなど広告に表示したいものを左側に入力していくと、右画面に反映されるため、プレビューを見ながら感覚的に広告作成ができます。

すべての入力が完了し終えたら中央左下の「次へ」をタップします。

YouTubeに投稿した動画を広告に利用する場合は動画項目内の青く囲まれた+のアイコンをクリックします。

その後右側にリンク済みのYouTubeチャンネルに投稿してある動画の中から使用したいものを選択し、保存をクリックで完了です。

⑤入札の戦略を設定できます。詳細をクリックすれば現在選択している戦略がどんな内容かを確認できます。

⑥1日に広告に使う予算を決めます。その後お支払方法の設定をしてキャンペーン作成完了です。

5. YouTube動画広告で利用できるターゲティング

YouTube動画広告で利用できるターゲティングは以下の通りです。

ユーザー属性

性別、年齢、子供の有無、世帯年収の基本項目でセグメントできます。

オーディエンスセグメント

「ユーザー属性」の4項目に加え、以下のような詳細なユーザー属性を設定できます。よりユーザーの状況にあった広告を配信可能です。

配偶者の有無

  • 独身
  • 交際中
  • 既婚

 

教育

  • 高校卒
  • 学士号
  • 大学院卒
  • 現役の大学生

 

住宅所有状況

  • 住宅所有
  • 賃貸

 

就業状況

  • 業種
  • 社員数

キーワード

関連性が高いコンテンツに動画広告を表示できるよう、広告の対象となる商品やサービスに関連するキーワードを設定するターゲティング項目です。

トピック

ここで指定したトピックに関するコンテンツが含まれる複数のウェブサイト、アプリ、YouTube動画に広告を表示できます。

プレースメント

Googleの広告または YouTube 上の特定の場所を広告掲載先として指定できます。Googleの広告では、ウェブサイト全体、サイトの特定のページ、特定のモバイルアプリを指定して広告を表示できます。YouTube では、特定のチャンネルや動画を指定できます。

6. YouTube動画広告の企業事例

実際にYouTube広告を効果的に活用している企業事例をご紹介します。

  • LINEマンガ

LINEマンガのYouTube広告のひとつは、人気マンガの一部を紹介し、その中に「1,000作品以上の連載マンガが毎日更新」や「話題作もたくさん読める」といったサービス訴求ポイントを織り交ぜています。

マンガの続きが気になるような広告で、再生回数は13万回以上。2013年4月のサービス開始から7年でマンガアプリダウンロード数ランキング1位を獲得しました。

  • snaq.me(スナックミー)

お菓子の定期便事業を展開する snaq.me(スナックミー)は、社内でアニメーションを制作するなど試行錯誤を重ね、新規顧客の獲得やサイトへの導入に成功を目指しました。

その結果、開始から1か月で Google 広告全体からの申込数を3倍に増やすことに成功し、指名検索やSNSからの獲得も増加するという副次的な効果も得ることができました。

  • サントリーホールディングス株式会社

 

サントリーは商品毎のCM再生リストを作成し、その商品に合った様々なCMを作っています。

その中で「カルチャーと仲良くなる」を軸としてアニメと実写を混ぜた映像や、アレンジした音楽などを駆使したクリエイティブを制作し、話題を呼んだ「ほろよい」。

結果として、配信した複数パターンのYouTube動画の総再生回数は約754万回を記録。X(旧Twitter)でも動画が486万回再生、いいね15.2万件、リツイート45.3万件、フォロワー17%(4万人)増という成果を上げました。

現在は新バージョンである「ほろよいで話そ」が公開中です。

  • 明電舎

 

発電システムなどの電気設備を取り扱う株式会社明電舎は、若年層を中心とした生活者への認知が低いことを課題として、企業MVというコンセプトで認知度アップを狙った「つい最後まで見てしまう」広告を目指しCMを作成。

その結果、Webサイトの月間訪問数は平時の20倍以上を記録。​​楽天インサイト調べでは、動画を見た人は見ていない人に比べて明電舎への好意度が2倍以上、興味関心が2.5倍以上に高まったとのことでした。

7. まとめ

動画の視聴がより一般的になっている今日において、YouTubeで自社や製品、サービスをプロモーションすることの重要性は高まっています。

テキストや画像よりも情報量が多い動画は、内容や見せ方によっては国境を越えて伝わるコンテンツになります。広告を上手に使えば、限られた予算でも多くの人に露出することも可能です。大きな可能性を秘めたYouTube動画広告、ぜひチャレンジしてみてください。

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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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