【Facebook】大幅にファン数が減ったページをラボが分析。ソーシャルメディアも使い分けの時代に!?

2015/03/19

■非アクティブアカウントの削除が行われているようです

非アクティブアカウントの削除

こんにちは、ソーシャルメディアラボです。

以前ソーシャルメディアラボで、以下の記事を公開しました。

【Facebook】「3月12日以降のいいね!数が減少する」ってどういうこと!?影響と今後の運用ついて考察してみた。

これはFacebookページのファンの中で非アクティブとなっているアカウントを、3月12日をもって一斉削除するという、Facebookからの公式通達について報じたものです。それから5日程経過しましたが、皆さまの運営するFacebookページに影響は出ましたでしょうか。

今回ラボでは、ガイアックスが開発した分析ツール『Fantastics(ファンタスティクス)』を使用して、主要なFacebookページのいいね!数変動について調べてみました。その速報についてはラボの姉妹サイト『ソーシャルDB』にも掲載しておりますが、当記事では一歩踏み込んだ分析を試みたいと思います。

ファン数に大きな変化あり!Facebookページのトラッキング方法変更による影響を分析してみた。

■目次

Facebookページのトラッキング方法変更の影響は?

 1.非アクティブアカウント削除の通達について

 2.Facebookページ分析

 3.アカウント削除は段階的に行われている可能性が高い

 4.【仮説】より適したターゲットにセグメントされた、他のソーシャルメディアやサービスに移行した(している)のでは?

 5.まとめ

非アクティブアカウント削除の通達について

※初めに、今回取り上げさせていただいた「いいね!数が減少しているFacebookページ」について、ラボでは批判目的を一切持っておりません。そもそも今回の非アクティブアカウント削除によるファン減少は決してネガティブなものではなく、むしろ肯定的に捉えるべきものと心得ていただければと思います。

さて、まずは今回の非アクティブアカウント削除について簡単に振り返っておきましょう。

Facebookページのトラッキング方法を変更することにより、以下のアカウントがファンから削除されます。

■利用解除された非アクティブなアカウント

■亡くなった方のアカウント

公式リリース(英語)によると理由として以下の説明がなされています。

1.非アクティブのFacebookアカウントをページのファンから削除することで、どのぐらいの人が「今各ページをしっかりとチェックしてくれているか」を確認できるようにするため。そうすることで、類似オーディエンスの効果も高まる。

2.既に個人のページは上記の対応が済まされているので、企業ページとの統一も取れる。

これによりFacebookページによっては大幅にファン数が減る可能性が出てきますが、そもそも最早ユーザーが存在しないアカウントであるため、削除されることによって正確なファン数を把握することができるようになります。運営側にとっては、むしろありがたい施策なのかもしれませんね。

それでは前述のFantasticsにより分析したFacebookページについて、ジャンルごとに見ていきましょう。今回は特に減少率の高いページが多かった「ファッション」「エンタメ」「ゲーム」「グルメ」をメインに分析してみました。

なお、今回はいいね!が5万以上ついているFacebookページを対象としています。

Facebookページ分析

・ファッション系

ロンシャン・ジャパン American Apparel BEAMS.co.jp
日付 いいね!数 前日比 いいね!数 前日比 いいね!数 前日比
3/10 1360377 1690339 144816
3/11 1360408 31 1690226 -113 144859 43
3/12 1360451 43 1690021 -205 144881 22
3/13 1360519 68 1689897 -124 144918 37
3/14 1360553 34 1661986 -27911 144623 -295
3/15 1360614 61 1608475 -53511 138816 -5807
3/16 1268567 -92047 1583920 -24555 138855 39
減少率 -6.75% -6.30% -4.12%

エンタメ系

Yahoo!映画 MTV Japan niconico(ニコニコ動画)
日付 いいね!数 前日比 いいね!数 前日比 いいね!数 前日比
3/10 136214 503123 152550
3/11 136201 -13 503069 -54 152572 22
3/12 136188 -13 502973 -96 152559 -13
3/13 136188 0 502887 -86 152552 -7
3/14 136180 -8 501682 -1205 152556 4
3/15 127756 -8424 489096 -12586 148274 -4282
3/16 127746 -10 480668 -8428 148275 1
減少率 -6.22% -4.46% -2.80%

ゲーム系

Sega CAPCOM 日本ファルコム
日付 いいね!数 前日比 いいね!数 前日比 いいね!数 前日比
3/10 1576899 1175843 81286
3/11 1577149 250 1175887 44 81333 47
3/12 1577325 176 1175964 77 81355 22
3/13 1577623 298 1176073 109 81418 63
3/14 1539033 -38590 1117770 -58303 81416 -2
3/15 1493848 -45185 1118037 267 81383 -33
3/16 1494276 428 1118212 175 78295 -3088
減少率 -5.24% -4.90% -3.68%

グルメ系

burn エナジードリンク カンパリ (Campari) オランジーナ(Orangina)
日付 いいね!数 前日比 いいね!数 前日比 いいね!数 前日比
3/10 2959800 1250160 1604239
3/11 2959722 -78 1170548 86 1250103 -57
3/12 2959642 -80 1250031 -72 1603539 -435
3/13 2959653 11 1249945 -86 1603120 -419
3/14 2936842 -22811 1217541 -32404 1602760 -360
3/15 2908665 -28177 1204030 -13511 1602442 -318
3/16 2823494 -85171 1203974 -56 1563088 -39354
減少率 -4.61% -3.69% -2.57%

アカウント削除は段階的に行われている可能性が高い

立て続けに4つの表を見ていただきました。いかがでしょう、予想以上に減っていると感じた企業担当者もいるのではないでしょうか。

この分析を進めていく上でまず分かったのは、必ずしも3月12日にアカウント一斉削除が行われたわけではないということ。1日でバッサリ削除されてしまったページもあれば、2~3日かけて段階的に削除されたページもあります。削除日もまちまちで、計測最終日の16日に削除されたページも意外と多いんですね。

なので、12日にファン数が減っていなかったから「こんなものか」と思っていたら、来週あたり急にガクンと数が減って驚いた!なんてことになるかもしれません。

企業担当者が気にしておかなければならないのは、ファン数でFacebookページの価値を評価される場合の対応です。「今回ファン数が急に減ったのは非アクティブのアカウントをFacebookが一斉削除したからで、この変更によって、より正確なファン数を把握することができました。」と説明できるように、日々のファン数変動はまだしばらく追いかけることをオススメします。

さて、上記表の分析結果から他に何がわかるでしょうか?ラボでは検討の末、ある仮説を導き出しました。

【仮説】より適したターゲットにセグメントされた、他のソーシャルメディアやサービスに移行した(している)のでは?

例えば最初に紹介したファッション。そのファッションの対象年齢を考えると、ユーザーは10代~30代といったところでしょうか。いくつもあるソーシャルメディアの内、ファッションに対する感性の高いファンが使っているのは何でしょう?

以下のデータによると、Instagramの使用率はダントツで20代がトップ。次いで30代に利用者の多いソーシャルメディアのようです。

若い世代で50%以上を占めているInstgram

LINE、Facebook、Twitter…5つのメジャーSNSの男女別年代比率の徹底比較!より引用

このことから、ファッションに興味を持つ感度の高い20代~30代に、ダイレクトにプロモーションをかけられるInstagramの活用に企業側が移行していると考えられます。これはユーザー側も同じで、より良いファッションの情報を集めるためには、キレイな写真で欲しい情報が流れてくるInstagramの方が効率がいいと考えているのではとラボでは捉えています。

今回取り上げたページの内、American ApparelBEAMS.co.jpはInstagramをすでに運営しています。ロンシャン・ジャパンはまだInstagramは使用していないようですが、代わりにPinterestを使用しています。多くの写真で積極的にプロモーションをかけていることが見てとれますので、Facebookページ → Instagramへの移行と似た理由でPinterestを使用しているのかもしれませんね。

今回ファッション系のFacebookページでファン数の減少が多かったところは、最初はFacebookにアカウント登録しページのファンになっていたが、別のソーシャルメディアへ移行することによってFacebookのアカウントを閉じたユーザーが多かったからであると考えられます。

エンタメとゲームは、そもそも実名制のFacebookよりも匿名性のX(Twitter)と相性がいいですよね。元々X(Twitter)で情報収集していたゲームやアーティストをフォローしようとFacebookを開設したものの、「やっぱりX(Twitter)の方がいいや」となってFacebookから離れた可能性も十分にあります。同様に、グルメはLINEを使ったプロモーションに移行していることが考えられますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

最初に書いたとおり、今回大きくファンを減らしてしまったFacebookページは、より正確なファン数を知ることができたことを喜んでいいと思います。もう二度とFacebookにログインしない人のいいね!をありがたくカウントしていても、そんな数字は正確なマーケティングの役に立ちません。

今回のトラッキング方法変更では、長期間Facebookにログインしていないことによる非アクティブなアカウントは削除対象ではありませんでした。もしFacebookが、こういったアカウントまで削除対象にするとしたら……。影響は多大なものとなるでしょうね。

ちなみに当ソーシャルメディアラボのフェイスブックページはどうだったかというと……

日付 いいね!数 前日比
3/10 38341
3/11 38338 -3
3/12 38338 0
3/13 38340 2
3/14 38343 3
3/15 38344 1
3/16 38344 0
10日~16日の減少率 0.078%

どうやら何の影響もなかったようです。ホッ。


以上、『【Facebook】大幅にファン数が減ったページをラボが分析。ソーシャルメディアも使い分けの時代に!?』でした。

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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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