脱PV至上主義!「おきなわLikes」から分散型メディアを考える!

2016/02/23

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分散型メディア」という言葉が、最近よく聞かれるようになりました。分散型メディアとは、宣伝の中心となるオウンドメディアをもたず、FacebookやX(Twitter)といった既存のプラットフォームにコンテンツを配信していくメディアのかたちです。

本記事で取り上げるのは、2012年9月にFacebookページとしてスタートした「おきなわLikes」。沖縄の風土や文化、食、観光地、特産品、季節ごとのイベントなど、「沖縄の魅力」を日本全国に日々発信しているメディアで、これまでの長い間、県内外の方々から多くの支持を受けていました。

そんな「おきなわLikes」は、今年1月、Facebookに加えてX(Twitter)、Instagram、Youtube、Tumblrを新たに開設。各メディアに明確な役割をもたせた、分散型メディアとしてスタートしました。先日、ラボ編集部はサイト運営者である琉球インタラクティブ株式会社様に取材させていただき、人気メディアの新しい挑戦について、語っていただきました。

本記事では、「おきなわLikes」メディアガイドや実際のSNS画像をお借りして、説明させていただきます。

・おきなわLikes:http://okinawalikes.com/

・琉球インタラクティブ株式会社:http://www.ryukyu-i.co.jp/

・2015年8月執筆の分散型メディアの記事:https://gaiax-socialmedialab.jp/distributed-media/419

    ■目次

  1. 分散型メディアへの移行のきっかけや狙い
  2. 各SNSに合わせたコンテンツの工夫
  3. 今後の取り組み
  4. まとめ

1.分散型メディアへの移行のきっかけや狙い

脱PV至上主義! 新しいメディアのあり方を信じる

ソーシャルメディアラボ編集部(以下、編):よろしくお願いします。さっそく質問ですが、Facebookページ「おきなわLikes」について、どうしてこのタイミングで、分散型メディアに移行しようと思ったのですか?

琉球インタラクティブ株式会社様(以下、琉):まず、自分自身の経験として、わざわざコンテンツ毎に外部メディアへ飛ばされることがイヤでした。Facebookなら、Facebookで見せて欲しい!て。そんななか、海外では「分散型メディア」が普及し始めていることを知り、自分で調べてみて、「これはメディアの新しいやり方かもしれない、これを社内で広めよう!」と思ったんです。

編:まずはご自身の原体験から、なんですね! ですが、スタッフのなかにも、最初は抵抗のある人や知らない人も居たんじゃないですか?

琉:もちろん、そうでした。ですから、分散型メディアの情報を、各部署の責任者ひとりひとりに説明をしたり、社内の共有チャットサービスに、海外の情報を根気強く流したりしました。昨年6月ごろから広め始めて、10月ごろには大枠が決まり、今年1月には運営チームに目標値だけを伝えて、実際に進めてもらいました。

編:すごい! およそ半年前から動き出されたんですね。それでは次の質問です。分散型メディアを運営するにあたって、何を「指標」にしていますか? オウンドメディアなら、PV数やUU数など、あると思いますが……

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琉:PV至上主義といった思想はなくして、「いかに多くの方に見られるか」、つまりリーチ数を指標にしています。なので、たとえば「キャンペーンで何人流れてきたか」というような数字は見ないようにしています。あくまで、メディア全体のリーチ数を大事にしていますね。

編:そうですか。すると、クライアント様のリアクションはいかがでしたか?

琉:私たちは、今までクライアント様に親身に運用させていただき、信頼していただいておりました。ですので、分散型メディアも「琉球インタラクティブさんが、その指標をオススメするなら」と、納得してもらえました。

編:これまでの関係構築が生きてきたんですね! ちなみに、実際に分散型メディアをやってみて、気づいたことなどはありましたか?

琉:改めて分かったことは、やっぱり、各SNSにいる「ファンありき」だということです。それぞれのファンの反応を一番に考えて運営しなくてはいけないな、と感じました。

ポイント

・PVではなく、全体のリーチ数を参考にしている!

・各SNSにおける、ファンの反応を考える!

 

オウンドメディアを持たない場合、従来の指標とは異なる考え方が必要です。「おきなわLikes」のように、どれほど多くの人に見られたか、全体のリーチ数を参考にするのは良い手段だと思います。また、分散型メディアとして、手広くなったことが裏目に出て、ファンやユーザーから飽きられたり嫌がられたりすることがないように、各プラットフォームの役割はしっかり決めておきましょう。

2.各SNSに合わせたコンテンツの工夫

コンテンツは、各SNSの専門スタッフがじっくり考える!

編:それでは次に、それぞれのコンテンツについて伺います! 最初に、各SNSの役割分担はどのように考えられていますか?

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琉:まず、各SNSの特徴を考えてコンテンツを用意しています。たとえば、X(Twitter)ならリアルタイムで反応がでそうなライトなものだったり、Tumblrならしっかり読ませたい内容の厚いものだったり。また、それぞれのSNSのユーザー年齢層を意識しています。Instagramだったら、ターゲットを20代から30代の女性にしたり、などです。

編:たしかに、複数のSNSを使う場合でも、コンテンツやターゲットを一概にひとくくりにはできないですよね。では、社内の運用体制はどのようになっていますか?

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琉:各SNSに専門のスタッフがいて、それぞれに最適化したコンテンツ作りを心がけています。そして、クライアント様のご要望について、全員で企画を用意して、意見を出し合います。だれか1人で全てのSNSの投稿を考えることは、しておりません。また、そのうえで、「沖縄らしさ」という軸はしっかり残すようにしています。

編:単純に横断的にコンテンツを作るのではなく、複数人で企画することで、それぞれSNSの強みを熟知した方々から、アイデアを集めているんですね。何か気を付けていることなど、ございますか?

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琉:そうですね。たとえばFacebookやInstagramにいえることですが、文章と画像のバランスに気を付けています。文章で説明が必要なときは、画像をよりキャッチーにして引き付ける。逆に、画像を思いきり見せたいときは、文章は控えめにするなどです。また、投稿時間についても、見ている人のライフスタイルを想像しながら、投稿するようにしています。夕日の画像なら、夕方にポストする感じです。

ポイント

・それぞれのSNSにとって最適化なコンテンツを配信する!

・分散型メディアであっても、「沖縄らしさ」を訴求するという軸は共通させる!

ユーザーの性質や操作の特徴は、各SNSで異なります。そのため、複数人での運用はコンテンツの質を保ちやすくオススメです。そして、「このSNSには、こんなコンテンツの良さ」というバラエティも大切ですが、なかでも「やっぱり○○って良いな」という軸はブレさせてはいけません。相乗効果をあげるためにも、訴求したい軸が共通していることが必須です。

3.今後の取り組み

沖縄からトレンドを生み出せるように

編:分散型メディアを始められた背景やコンテンツ作りについて、詳しくお聞きすることができました。それでは最後に、今後やっていきたいことをお聞かせ下さい!

琉:これまで、私たちは「おきなわLikes」を見る人に、「沖縄らしさ」を受け取って貰えるように意識していました。今後出していきたいコンテンツとしては、アイデアの段階ではありますが、「伝統舞踊のメイクアップ」動画とか、「筋肉男子がつくる!沖縄料理」動画といった、沖縄のハウツー動画をYoutubeに配信するということも考えています。

そして、将来的なビジョンについても説明します。メディアから得たデータやノウハウをもとに、県内外の人を交えて、リアルイベントを行ったりして、最終的には沖縄からトレンドを生み出せるようにしたいです。

編:いま以上に、もっと大きなインパクトを沖縄にあたえてくれそうですね! 今後も琉球インタラクティブ様の活動に期待したいと思います。ありがとうございました!

ポイント

・各SNSの反応をみて、リアルイベントに生かす!

 

一般的なオウンドメディアとは異なり、ソーシャルメディアはファンとつながって、発展していく空間です。オンラインで関心の高かったファンを現地に呼び込むような、O2O施策などは効果的でしょう。

4.まとめ

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いかがでしたか。分散型メディアをつうじて県内のさまざまな業界のPRに最前線で取り組む「おきなわLikes」を、より知って頂けたら幸いです。それでは、本記事のまとめです。

・PVではなく、全体のリーチ数を参考にしている

・各SNSにおける、ファンの反応を考える

・それぞれのSNSにとって最適化なコンテンツを配信する

・分散型メディアであっても、「沖縄らしさ」を訴求するという軸は共通させる

・各SNSの反応をみて、リアルイベントに生かす

以上、「脱PV至上主義!『おきなわLikes』から分散型メディアを考える!」でした。

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