X(Twitter)運用者は絶対に知っておきたい!「アクティブサポート」とは?|いま企業がX(Twitter)に再注目すべき理由。
2014/08/08
X(Twitter)の企業活用といえば、みなさんはどういったイメージをお持ちでしょうか?
やはり、情報の拡散を狙って、新情報やセール情報をバンバン発信していく、という使い方が一番に思い浮かびますね。
もちろんその使い方も理想的なX(Twitter)活用法の1つですが、近年X(Twitter)は、顧客の声を拾う場としても注目されています。
X(Twitter)上で自社製品に関してつぶやいている人を見つけて、その人にサポートから直接アプローチする「アクティブサポート」と呼ばれる新しいカスタマーサポートの形が、実は数年前からあるのですが、イマイチまだ認知度が高くないように感じています。
そこで今回の記事では、あらためて「アクティブサポートってなに?」といった概要や事例、また時間帯で人々がつぶやく内容が違うというデータなどをご紹介していきます。
- ■目次
- アクティブサポートとは?
- アクティブサポートの活用事例4選
- アクティブサポートがむずかしければ「ソーシャルリスニング」
- X(Twitter)の企業活用の未来は“声を聞く”こと。一歩先行く「リプライマーケティング」
- まとめ:X(Twitter)の運用に「ユーザーの生の声」をフル活用しよう
1.アクティブサポートとは?
簡単に言うと、アクティブサポートとはX(Twitter)上で自社サービス・製品に関するつぶやきを見つけて、企業側からアプローチしてサポートを申し出ることを指します。
顧客からの問い合わせを待つのではなく、こちらから能動的にサポートをしていくのが特徴です。
基本的なアクティブサポートの流れ
おおまかなアクティブサポートの流れは次の通りです。
1.X(Twitter)ユーザーが、自社製品やサービス、または社名を含んだつぶやきをアップ
2.予め検索するキーワードを決めているカスタマーサポートがつぶやきを発見
3.X(Twitter)で直接ユーザーに話しかける
基本的にアクティブサポートは、キーワード検索⇒アプローチという流れを取ります。キーワードをX(Twitter)上で検索をするだけで、それらを含んだつぶやきを見つけることができます。
より詳細なカスタマーサポート実践方法は、以下の記事をご覧ください。
X(Twitter)アクティブサポート実践編|各機能の使い方と注意したい3つのポイント
自社に関連するツイートを見つける際には、X(Twitter)の「高度な検索」機能が便利です。
探偵並みに情報を引っ張り出せる、X(Twitter)の高度な検索機能
反応するつぶやきは不満から感謝まで様々
X(Twitter)ユーザーのつぶやきは多岐に渡るので、一口に「商品・サービスに関するツイート」と言っても、ポジティブな内容からネガティブな内容まで、様々な反応があります。
どういった内容まで拾ってどのように対応するかは実施する企業によって異なりますが、ここではアクティブサポートの例をいくつかご紹介します。
ポジティブなツイートとそれに対する返答例
「〇〇を使ってみたけどめっちゃ良かった!!」
⇒□□様 〇〇をご購入いただきありがとうございます!弊社の商品をお気に入りいただいたようでなによりでございます。今後ともよろしくお願いします。
ネガティブなツイートとそれに対する返答例
「〇〇買ってみたけど意味わからん。どうやって使うんこれ。てか壊れてるんちゃう?」
⇒□□様 〇〇をご購入いただきありがとうございます。〇〇の使い方ですが、まずは△△の設定がオンになっているかをご確認いただけますでしょうか?オンになっていましたら…
「今日〇〇店行ってきたけど、店員の対応が最悪だった。もう行かない」
⇒□□様 この度はお客様にご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。今後そういったことのないよう社内教育を徹底し…
問い合わせる前に離反する顧客をつなぎとめる
アクティブサポート最大のメリットは、問い合わせせずに次の購入をやめてしまう顧客を引きとめることができる点です。
サービスや商品になんらかの不満を持って、次の購入をやめようとしているユーザーのつぶやきを見つけてサポートすることができれば、離反する顧客を減らすことに繋がります。
また、ただつぶやいただけの内容に企業からの適切なサポートがあると、親切な感じがして悪い気はしないという点もメリットとして挙げられます。不満を呟いたタイミングで丁寧なガイドと迅速な対応をされると、やはり消費者としても嬉しいものです。
X(Twitter)でアクティブサポートを実施する上での注意点
リプライするときは、企業アカウントであることを忘れずに、節度ある返信内容と対応を心がけましょう。顔文字は誤解を招くこともあるので、使用には注意が必要です。また、テンプレートのような回答は嫌がられてしまい意味がないので、どのような返答をするのか十分な運用プラン・マニュアルを準備しましょう。
またリプライする際は前後のツイートを確認し、自分が入っていっていい状況なのかを確認しなくてはいけません。別の人との会話の間に入ってしまったら、邪魔になってしまうかもしれません。
またX(Twitter)はメールやほかのSNSより迅速な返信が期待されているためついつい焦ってしまいがちですが、X(Twitter)はリプライであってもオープンなので、広くユーザーに読まれる可能性があるものです。参照情報など提示するときは著作権への配慮を怠らないようにしましょう。
具体的な内容への対応は、できることなのかできないことなのか、きちんと事実関係が判明してからツイートしましょう。迂闊な発言は一大事につながります。投稿は削除しても記録に残るものと考えるべきです。また個人情報など重要なものはDMでやりとりしましょう。
2.アクティブサポートの活用事例4選
ここでは、アクティブサポートを上手く活用されている事例をいくつかご紹介します。
1.Softbank
日本で一番最初にアクティブサポート運用を開始したことでも知られている、ソフトバンクさん。
@SBcareというアカウントでアクティブサポートを実施しています。
内容は、契約関係や使い方のお話から、「iPhoneの電波が繋がりにくい」といったつぶやきなどなど。日々の様々な場面で、何かしら「困っている」とつぶやいているユーザーのサポートをしています。
ユーザーは@SBcareアカウント宛てにリプライで問い合わせをすることも可能ですし、リプライではないただのつぶやきにも対応していることが伺えます。
2.Hulu Japan
Hulu Japanさんも、@Hulu_JPSupportというカスタマーサポート専用のX(Twitter)アカウントを運用しています。
こちらのアカウントでは、ユーザーの疑問の対応だけでなく、固定ツイートを使って、「ご意見を“#Huluお願い”ハッシュタグでつぶやいてください」という旨のツイートをページ上部に表示しています。
そしてなんとそのハッシュタグで要望をつぶやいてくれた人に対して、実際にその要望が通った際には報告もしています。
これはかなりユーザーにとっても嬉しいのではないでしょうか。顧客との距離が近づく素晴らしい使い方ですね。
3.PEACH JOHN
女性に人気の下着メーカーピーチ・ジョンさんは、公式アカウントとアクティブサポート用のPEACH JOHN コンシェルジュの2アカウントを使い分けて運用しています。
【公式】ピーチ・ジョン | PJは、新作発表やおすすめアイテムなど、ピーチ・ジョンが情報を発信するアカウントとして運用されています。
https://twitter.com/peach_john
PEACH JOHN コンシェルジュではネガティブツイートに対応するだけでなく、「秋の新作かわいすぎる♡」などのポジティブなツイートも取り上げて、共感を深める問いかけの会話でリツイートしています。ブランドからこういった対応があると、ファンはますますブランドへの愛着が湧くのではないでしょうか。
https://twitter.com/pjconcierge/with_replies
4.驚安の殿堂ドン・キホーテ
ドン・キホーテさんも、@donki_donkiアカウントで新情報を発信しつつも顧客の声を拾って質問に回答するなどのアクティブサポートを実施しています。
プロフィールにもある通り、時々イメージキャラクターのドンペンくんとして、(・Θ・)の顔文字とともに、馴れ馴れしくユーザーに話しかけるシーンも見受けられます。
なお、こういったユーザーとの関わり方は、ドン・キホーテさんの極めて優れたキャラクター運用から成せる技なので、基本的にアクティブサポートで馴れ馴れしく話しかけるのは、どちらかというと推奨できません。
とはいえ、ドン・キホーテさんのアカウントは非常に面白い成功事例の1つなので、ご紹介させていただきました。
こちらの記事では、より多くのカスタマーサポート事例をご紹介しています。
ご興味ある方は合わせてご覧ください。
アクティブサポートでファン化+課題解決! X(Twitter)企業アカウントで参考になる7事例
3.アクティブサポートがむずかしければ「ソーシャルリスニング」
X(Twitter)を使ったアクティブサポートを検討している場合、必ず知っておきたいキーワードにソーシャルリスニングという概念もあります。
ソーシャルリスニングとは?
ソーシャルリスニングとは、ソーシャルメディア上で人々の声を収集・調査・分析することです。
ソーシャルリスニングの目的は主に4つあります。
- 問題・炎上の火種などの早期発見によるリスクマネージメント
- 人々の不満・生の声を収集し、サービス・商品の改善
- 顧客のニーズや利用シーンをX(Twitter)上の声からセグメント化
- 自社が発信した情報の反応を確認し、次の情報発信の改善
参照:ソーシャルリスニングとは
X(Twitter)はソーシャルリスニングに最適
X(Twitter)では、企業名や製品名で検索するだけで、X(Twitter)上でそのキーワードを含んだツイートを見つけることができます。
そこをうまく活用して、
- どういった人が自社製品を購入しているか
- どのような点に満足しているか/不満を持っているか
- なぜ満足/不満なのか
といった情報を調査・分析することができます。
アクティブサポートを実施する場合は、これらの情報収集や市場調査、商品の改善などにつなげていくことが必須です。
また、アクティブサポートを実施するのはやや難しいという企業も、X(Twitter)で人々の声を集めることは可能なので、そういった意味でもX(Twitter)を活用しない手はありません。
4.X(Twitter)の企業活用の未来は“声を聞く”こと。一歩先行く「リプライマーケティング」
リプライマーケティングとは
リプライマーケティングとはX(Twitter)で「○○がなくて困っている」や、「○○を探している」といったツイートに対して、「自社のサービスでこういったものがありますので、ご利用いかがですか?」と、個別対応で認知や利用を促していくものです。
従来の広告と違い、ピンポイントでターゲットを絞り、実際に困っている人へコミュニケーションベースでアプローチしていくので、拒否されにくい特徴があります。
アクティブサポートとリプライマーケティングの違い
アクティブサポートはカスタマーサービスの要素が強く、既存顧客向けの施策ですが、リプライマーケティングはまだそのサービスや企業を知らない人に向けて、新サービスのお知らせ・提案をするものです。
ですので、X(Twitter)を使った見込み客の発掘のための施策がリプライマーケティングと言えます。
時間帯で人々がつぶやく内容は変わってくる
人々はX(Twitter)で、日々のなにげないできごとや愚痴、はたまた「お腹がすいた」「ねむい」「だるい」といった、ただその時「思ったこと」を徒然と呟いています。
こういったツイートはつい見落としてしまいがちですが、マーケティング視点で分析するという、ビッグデータ的な考え方も今後は重要になってきます。
例えば先日、Yahooがこんなデータを公開しました。
人はいつ「楽しい」や「つらい」と感じるのか?~つぶやき分析で見えた感情の推移~
こちらのデータは、人々のX(Twitter)上でのつぶやきを分析し、各時間帯によくつぶやかれる言葉を発表したものです。
人々はどのタイミングで何を求めているかがわかる
人々は夜中の2時になると「エロく」なるといったことでも話題を呼び、一見オモシロネタとして流してしまいそうになりますが、じっくり見てみると例えば、17時になると人々は「帰ろう」「疲れた」「終わり」といった、「仕事や学校が終わって疲れた」という旨のつぶやきをしていることがわかります。
リプライマーケティング的な観点で考えると、この時間帯にそういったツイートをしている人に向けて「近くの店舗情報とビール1杯100円OFFクーポン」などを配布するということもできます。ツイートに現れるニーズを汲み取り、先回りして商品・サービス情報を提供するリプライマーケティングの有効性がお分かりいただけるのではないでしょうか。
5.まとめ:X(Twitter)の運用に「ユーザーの生の声」をフル活用しよう
このようにX(Twitter)での人々のつぶやきは、マーケティング視点から見ても、「ただの無意味なつぶやき」と侮ることはできません。個人的な所感ではありますが、X(Twitter)は基本的に匿名性であるがためか、Facebookよりも個人的・感情的なツイートが多い気がします。
そういった日常のちょっとした出来事にかんするツイートや喜怒哀楽のツイートの中には、必ず商品やサービスに関するつぶやきもあります。商品に対して喜んでいるものや、むかついているもの。それらをしっかりと拾って分析・調査・サポートをすることができれば、受け身で問い合わせを待つよりも、顧客との距離を縮めることができ、より多くの利益を企業にもたらすのではないでしょうか。
アクティブサポートとソーシャルリスニング、そしてリプライマーケティング。今なお多くの人々に愛され続けるX(Twitter)を企業が活用するためには、この3つの手法が重要な鍵になっていくでしょう。
以上、「X(Twitter)運用者は絶対に知っておきたい!「アクティブサポート」とは?|いま企業がX(Twitter)に再注目すべき理由。」でした。
あわせて読みたい関連記事
・Facebookっぽくなった最新版X(Twitter)プロフィール【デザイン例と新機能説明】
X(Twitter)活用なら、ガイアックスにお任せください!
メルマガでSNSの最新情報をキャッチしたい方はこちら!
この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部