【2023年9月の主要SNSニュースまとめ】
2023/10/06
今月もラボ編集部より最新ニュースと解説をお届けします!
■目次
1. X(Twitter)
プライバシーポリシー改定 利用者の生体情報や職歴など収集へ
日本時間9月2日、米X(旧ツイッター)がプライバシーポリシーの一部を改定し、9月29日からユーザーの生体情報や学歴、職歴などを収集する方針であることを明らかにしました。
また、Xプレミアムに登録しているユーザーは、認証を受けるにあたり、自撮り写真か写真付き身分証明書のどちらを提出するか、選択できるとしています。
新しいプライバシーポリシーは9月29日に発効、生体情報の収集は、Xプレミアムのユーザーが対象となります。
認証制は生身のユーザーとSNSアカウントを紐づけることが目的で、META認証も始まりましたが、Xのユニークなところはその人の生物学的情報もアイデンティティとして認めるというものです。
例えば遺伝学的情報をもとに、最適の仕事などを紹介するサービスも発表されていますが、今後デバイスが進化していけば、瞳の虹彩などで個人を特定したり、視線、手の発汗、心拍数、瞳孔の開き具合などから、どのような情報に反応しているか、コンテンツのどの部分に視線が動いているかなどがとれるようになり、より詳細なエンゲージメントを計測できるようになることも考えられます。
参考:
https://nordot.app/1070576312344003006?c=768367547562557440
イーロン・マスク氏、X(旧Twitter)を有料化する「方向に移行中」と語る
米国時間9月18日、米X(旧Twitter)のオーナー、イーロン・マスク氏は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とのライブストリーミングの対談で、「Xシステムの月額使用料を少額課金する方向に移行している」と語りました。
Xでは現在、X Premiumユーザーにのみ課金していますが、全ユーザーに課金するという意味です。
具体的な価格には言及しませんでしたが、サブスク料金が必要になればbotのコストが高くなり、botによるヘイトスピーチや誤情報などを防げると同氏は説明しました。
一時期騒動となった全ユーザーに課金するという方向にはおそらくならないでしょう(やりたいのはやまやまでしょうが)。その代わりに低額プランを実施する方向だと予測されます。
現時点で無料ユーザーは厳しい閲覧制限がかかっていますが、緩和するようなプランが予測されます。その代わりX Premiumの多様な投稿機能は付与されない、あるいは限定的付与になる可能性が高いでしょう。多くのユーザーは「見る専」なので、投稿機能はあまり活用していません。
また、無料ユーザーには広告がより多く表示されたり、投稿に厳しい制限がかかるなども考えられます。
参考:
https://news.nicovideo.jp/watch/nw13420467
2. TikTok
正式にコマースサービスを開始し、直接販売が可能に
日本時間8月31日、TikTokの新たなeコマースプラットフォーム「TikTokショップ」を米国でローンチして約1カ月、クリエイターらは同プラットフォームに登録し、製品の直接販売を始めています。
TikTokショップは、クリエイターの収益獲得の新たな手段です。サードパーティのWebサイトにリンクしたり、AmazonやFacebook Marketplaceで販売の際の追加の料金支払いや契約上の義務を課せられたりしなくても、TikTokショップで販売が完結できるようになりました。
TikTok上でのコマースは中国では既に大きな市場となっており、アメリカや日本でもいわゆる「TikTok売れ」という現象は頻繁に発生しているので、期待されていた機能です。
TikTokのコマースは、企業などの公式ショップからの売り上げというよりクリエイター自身のショップからの売り上げがメインというところが、Instagramのショップ機能とは異なるところで、企業も、クリエイターを介しての販売ということになってくるかと考えられます。
こちらもいわゆるクリエイターエコノミーのひとつの展開で、日本のTikTokでもXでも展開していく可能性は高いでしょう。
新たな検索連動型広告を導入。
運任せの「おすすめ」狙いコンテンツ作りから脱却へ
日本時間8月第4週より利用可能となったTikTokの新検索サービス「検索連動型広告トグル」は、いまだ初期段階ではありますが、その手軽さと発見性へのフォーカスがいずれもブランド顧客を抱えるエージェンシー幹部らを惹きつけています。
新たな検索連動型広告トグルは、TikTokのブログ投稿によれば、広告主がすでに同プラットフォーム上で配信しているインフィードクリエイティブを使用するもので、当該広告に関連する事物を検索したユーザーにそれを提供するそうです。
検索連動型広告は、もしそれが指名検索や自分が欲しいもの(≒解決したい課題)のいずれかにフィットしていれば非常に成果の出るものになります。問題は検索ボリューム。
指名検索であれば検索ボリュームをいかに作るか、自分が欲しいものと紐づけるのであれば、既に多くある検索キーワードと売りたいもの、広めたい認知を絡めていくかということになります。
今後、検索ボリュームを創出するためにTikTokでミームをバズらせたり、既にはやっているミームなどに絡めて商品開発を行うということも検討材料になるかも知れません。
参考:
https://digiday.jp/platforms/with-tiktoks-new-search-ad-toggle-agency-execs-see-marketers-accelerating-organic-search-efforts/
https://www.tiktok.com/business/en/blog/introducing-tiktok-search-ads-toggle
3. Pinterest
プロダクトアップデートと新しい広告ソリューションを発表
日本時間9月14日、Pinterest は、ユーザー、広告主、代理店向けの新しい広告ソリューションとプロダクトのアップデートを発表しました。
今回導入される新機能は以下の通りです。
- オーディエンスにリーチ・エンゲージするための広告フォーマットの増加
- 代理店向けの自動ビジネスツールの改善
- Creative Studio
- Pinterest のショッピング機能の拡充
- ユーザーがアイデアを視覚化して集める新方法
Pinterestは、ThreadsやTikTokなどの派手さはないものの、本当にじわじわユーザーを伸ばしてきており、現状は870万人を超える国内ユーザーを誇ります。
しかもユーザーは、情報感度が高い人たちと言われており、ひいては購買力や行動力も高い人たちなのではないかと推測できます。となると、その870万人は顧客として非常に魅力的な870万人ではないかと言えるでしょう。
新しい広告フォーマットはどれもユニークなもので、ユーザーへの浸透度が高そうなものです。
Pinterestのユーザーを考えると非常に魅力的な選択肢が増えたかも知れません。
参考:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000109.000037183.html
4. 全般
SNS投稿例で理解するステマ規制(1)景品表示法の場合
ガイアックスのソーシャルメディアラボでは、10/1から施行されたステマ規制に関して解説記事を出しています。
特にSNSマーケティングにおいてステマ規制に引っかからないためにはどうするべきかということをQA形式で記述しており、SNSに携わるマーケ担当者には非常に役に立つ内容になっています。
ステマ規制は、特に個人メディアであるSNSやブログを意識してできたものだと言えます。消費者に優良誤認を与えないようにという配慮から始まりましたが、もともと日本ではステマは炎上しやすいものであり、独自の自主規制も多くありました。
今回、法的に整備されたことでルールが明確になり、逆に助かる企業も多いことと思われます。以前はステマではないがステマのように見えるものが炎上の対象になることもあったからです。
いずれにせよ、規制を深く理解して、引っかからないように気をつける必要はあります。
参考:
https://gaiax-socialmedialab.jp/stealth-marketing-20230920/
「バイトテロと同じ」「セリアの損失だ」 話題の100円ショップの「偽アカ」がアカウントを削除 有名企業アカを翻弄
日本時間9月16日、100円ショップ「Seria(セリア)」を名乗るツイッター(現X)アカウント(@Seria_PR)が、アカウント削除を予告する投稿を更新、アカウントの削除日時は「9/16(土) 18:00」と記されており、その後同日17時半にはアカウントの削除が確認されました。
9月14日、株式会社セリアが公式サイト内で、公式アカウントをよそおった偽のX(旧twitter)アカウントについて注意喚起したことで、削除されたアカウントは偽アカウントだと判明していました。
偽アカウントによる問題は昨今頻発しておりますが、この件に関しては、店舗の関係者が勝手に公式と名乗って運用をはじめ、一時的に2万ものフォロワーがついたということです。
ニュースにはなっていないものの、会社関係者が勝手にアカウントを開設、配信を行いリスクを発生させるというケースは起こっており、ガイアックスでもその対応及び、予防のためのガイドラインを作成することがたびたび発生しています。
また運用を最小限にとどめるにしても、公式アカウントを持っておくことは、なりすましには有効な対策となります。
参考:
https://news.yahoo.co.jp/articles/8389a85defe84db3aca04a7d8c78e500a5753260
https://maidonanews.jp/article/15007287?p=27842589
5. 動向データ
スマホ利用実態調査:SNS利用率トップはX、利用時間ではTikTok
日本時間9月7日、MM総研は「スマートフォンサービス利用実態(2023年7月調査)」の結果を発表しました。
SNSの利用率トップはTwitter(2023年7月下旬にXに名称変更)でしたが、利用時間トップはTikTokがわずかな差で上回りました。
Twitter(現X)とInstagramの利用率はそれぞれ約6割、Facebookは約3割、各種統計の値と一致します。 TikTokだけは2割とやや増えているという印象があります。
TwitterとInstagramの1週間の平均利用時間は100分前後とほぼ拮抗しており、利用率と合わせ、いずれもTwitterがやや上回ってはいるものの、競っている様子がみてとれます。
Facebookの平均利用時間は51分で少ないのですが、注目すべきはTikTokで平均利用時間は106分と、Twitter、Instagramを大きく引き離しているわけではないものの、すべてのSNSの中でトップの利用時間になっています。
参考:
https://iphone-mania.jp/news-551940/
https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=596