中の人運用が面白い企業SNSアカウント事例10選

2024/03/11

 

SNSにおける「中の人」とは、企業のSNS運用担当者のことを指します。

企業のSNS運用が活発化する中で、運用担当者の人柄が垣間見えたり、人間味あふれる投稿が行われたりすることもあり、ユーザーが共感や親近感を抱き、人気になる中の人が出てきました。

さらに中の人が人気の企業アカウント同志のコラボが頻繁に行われ、お互いのアカウントに登場する投稿も主流となっています。

本記事では、SNSの中の人運用とはどのようなものなのか、運用に成功しているアカウントの事例を見ながら解説していきます。

 


 

本記事は企業のSNSマーケティングを包括的に支援をしているガイアックスが解説しています。運用実績10年以上、大手企業を中心に累計1,000社以上の運用実績があります。

SNS運用、SNSキャンペーンに興味のあるご担当者様は、ガイアックスにご相談ください。

 


 

    ■目次

  1. SNSの中の人運用のメリット
  2. 中の人運用が面白い企業SNSアカウント事例
  3. 中の人運用をしたい企業担当者の方へ

1. SNSの中の人運用のメリット

①ユーザーとの関係構築ができる

X(Twitter)の企業運用では、Instagramと比べてSNSからの購買行動につながりにくいため、X(Twitter)で中の人がユーザーとコミュニケーションを取り、関係を構築するのが効果的です。

中の人運用でユーザーと企業の親密性が高まると、企業や商品・サービスの認知度が上がり、店頭やネットショッピング中に「あの企業の商品だ」と気づいてもらえ、手に取られる可能性が高まります。

昨今ユーザーは広告に嫌悪感を抱く傾向が強くなってきているため、商品・サービス情報の発信だけではノイズとみなされ、エンゲージが上がらない傾向があります。

②リアルタイムで投稿ができる

X(Twitter)の特徴として、リアルタイムで今起こっていることについて気軽に投稿できる点があげられます。その特性を活かし、今話題となっている情報について投稿したり、フォロワーのコメントに素早く返信できたりします。

そこには作りこんだコンテンツの投稿とは違うライブ感があり、カウントを身近に感じてもらえることにつながります。

2. 中の人運用が面白い企業SNSアカウント事例

ここからは、中の人運用がおもしろく効果的な事例を、実際のアカウントを紹介しながら解説します。

事例1:わかさ生活 広報部

https://twitter.com/WAKASASEIKATSU

 

ブルーベリーサプリメントが有名な総合健康企業の公式アカウントです。

フォロワー数は約131,000人で、ほぼ毎日複数回投稿しています。商品情報や日常の出来事の投稿が多く見られます。

自社キャラクターの「ブルブルくん」が投稿に多数登場したり、中の人が馬のかぶりもので登場したりすることが大きな特徴で、それぞれのキャラクターはフォロワーにも認知され、人気を集めています。

 

 

投稿のポイント

中の人とブルブルくんが一緒に登場している投稿ですが、「募集」と書いてフォロワーを巻き込んでいく形式を取っているので、コメントを集めやすい仕組みになっています。

普段の投稿からキャラクターが認知されているからこそ、おもしろみが増し、フォロワーが反応しやすい投稿と言えるでしょう。

また、中の人運用の特徴として、「〇〇の日」などのイベントの日に、それぞれのアカウント独自の投稿をすることがあげられます。

箱詰めされたブルブルくんを使ったバレンタインの投稿も「かわいい」や「チョコじゃないよ」などのコメントが寄せられ反響を呼んでいます。

事例2:SHARP

https://twitter.com/SHARP_JP

 

調理家電などをはじめとする、日本を代表する家電メーカーのひとつです。コロナ禍ではマスクを製造販売するなど、家電以外でも注目を集めました。

フォロワー数は約837,000人でほとんど毎日複数回投稿しています。

商品情報やイベント情報を発信する一方で、それらに対してユーザーに近い目線のツッコミや秀逸なコメントを入れ、親近感や共感が得られる投稿をしています。

投稿に絵文字や装飾はほとんどなく、淡々とつぶやいているスタイルも特徴の一つです。

 

 

投稿のポイント

自社商品の便利さやセールスポイントを正面からアピールするのではなく、ユーザーの立場に寄り添ったコメントの投稿をすることで、共感や信頼が得られる事例です。

このような投稿は、中の人の性格や人となりがユーザーに伝わり、宣伝感が薄れ好感が得られます。

投稿そのものにパッと目を惹く派手さはありませんが、中の人のパーソナリティそのものが魅力になっている事例です。

事例3:キングジム

https://twitter.com/kingjim

 

「テプラ」や「ファイル」の文房具メーカーの公式アカウントです。

フォロワーは約459,000人で、ほぼ毎日複数回投稿しています。商品の情報やアスキーアートを使ったイラストの投稿が見られます。

X(Twitter)の担当者が複数いることを明かしていて、まれに投稿文中に「(姉)」など特定の人物が登場し、フォロワーにもその存在が認知されています。

 

 

投稿のポイント

かわいいうさぎのアスキーアートで木曜日を盛り上げる投稿を毎週していて、フォロワーから親しみを持たれています。このように定番となる印象的な投稿をすることは、その投稿を楽しみにするファンを増やす効果が見込めます。

また、中の人と会話ができるような雑談投稿も見られ、フォロワーとのコミュニケーションの場になっています。コメントの返信に自社商品を登場させることで、宣伝効果も期待できます。

このような投稿を成功させるためには、普段の投稿からフォロワーとの距離を縮める、親近感のある投稿を心がけることがカギとなります。

事例4:パインアメの【パイン株式会社】(公式)

https://twitter.com/pain_ame

 

パインアメでおなじみのパイン株式会社の公式アカウントです。

フォロワー数は約193,000人でほぼ毎日複数回投稿しています。プロフィール上にはX(Twitter)担当はマッキーさんという方で、「お気軽に話しかけてくださいね」と親しみを感じるメッセージが添えられています。

朝の挨拶と、正午の挨拶が定番投稿で、UGCのリポストによる商品情報発信が多く見られることも特徴です。

また、自社キャラクター「パインアメくん」も投稿にたびたび登場し、フォロワーの人気を集めています。

 

投稿のポイント

X(Twitter)上で企業公式アカウントが年末の挨拶をすることはもはや定番ですが、「ご報告」と題し改まった挨拶を中の人が発信することは珍しく、目を惹く投稿になり、毎日新聞の公式アカウントにも取り上げられました。

フォロワーからは「お疲れ様でした」や「引退するかと思い焦りました」など、さまざまなコメントが寄せられ、中の人のマッキーさんがフォロワーから認知され好感を持たれていることがわかります。

ロングセラー商品の公式アカウントらしく、長い間フォロワーとの信頼関係を築いてきたことがうかがえる投稿が他にも多く見られます。

事例5:サッポロビール

https://twitter.com/SapporoBeer

 

日本を代表するビールメーカーのひとつ、サッポロビールの公式アカウントです。

フォロワー数は約733,000人でほぼ毎日複数回投稿しています。キャンペーンやイベント告知など、作りこまれた画像の投稿がある一方で、手作り感があふれる中の人投稿も高いエンゲージメントを獲得しています。

朝の挨拶に季節に応じた一言添えたり、通勤途中にスマホで撮ったかのような写真を入れたりすることで、親しみのある投稿になっています。

 

投稿のポイント

毎朝の定番になっている挨拶投稿の中に、自然に新商品の情報を入れ、さらにフォロワーに感想を聞いています。

フォロワーがチェックする可能性の高い投稿の中で効果的に情報を発信して、コミュニケーションまで取れる、中の人投稿にしかできない投稿スタイルと言えるでしょう。

狙い通りにフォロワーからは多くの感想コメントが寄せられています。

事例6:アイラップ

https://twitter.com/i_wrap_official

 

家庭日用品、農業資材などを幅広く扱う岩谷マテリアル株式会社の商品、アイラップの公式アカウントです。

フォロワー数は約331,000人でほぼ毎日複数回投稿しています。商品の便利な使い方を多く投稿していますが、ユーザーが「こんな使い方してみました」という投稿をすることも多く、そのようなUGCをリポストして商品の価値を高めています。

また商品には関係のない世の中のトレンドにも素早く反応して、コンテンツ重視の投稿には出せないX(Twitter)特有のライブ感が感じられるところも、ユーザーが好意を寄せるポイントです。

 

 

投稿のポイント

「包むの日」と商品を絡めた投稿です。「〇〇の日」の投稿も多く見られるアカウントですが、無理やり絡めた感じがなく自然な流れで商品の紹介をしているところに好感が持てます。

秘訣は自社商品やサービスと親和性の高い「〇〇の日」を選ぶことにあるでしょう。

また中の人が実況しているようなライブ感のある投稿は、中の人が実在するという感じが一気に増し身近に感じるため、ファンを増やす効果が期待できます。

事例7:タニタ

https://twitter.com/TANITAofficial

 

健康に関する商品やサービスを展開するタニタの公式アカウントです。

フォロワー数は約332,000人でほぼ毎日複数回投稿しています。投稿内容は、とにかく自由でTwitterスペースを利用した音声投稿をしているところも、他の中の人活用アカウントとは一線を画していると言えます。

中の人のランチの写真や、遊んでいるゲームの話が出てくるなど、中の人のリアル感を重視した投稿が目立ちます。

商品企画のための情報をアンケート形式でフォロワーから集めたり、コメントを求めたりするなど、マーケティングやコミュニケーションにも活用しています。

 

投稿のポイント

爆発的なバズりに中の人も驚いた投稿です。

人気アニメやボーカロイドとのコラボ商品をこれまで発売してきたタニタですが、声優ファンにダイレクトに刺さったアンケートだったため、「買います!」という声とともにユーザーが推している声優さんの名前がコメント欄にあふれ、大きな反響を呼び話題になりました。

このように、一般的に広く受け入れられる内容でなくても、特定のファン層に刺さる内容を投稿できるところも中の人投稿の強みと言えます。

事例8:井村屋

https://twitter.com/IMURAYA_DM

 

あずきバーでおなじみの菓子メーカーの井村屋の公式アカウントです。

フォロワー数は約233,000人でほぼ毎日複数回投稿しています。

商品情報やキャンペーン情報が多く、中の人特有のつぶやき投稿はそれほど多くありません。商品やキャンペーン内容をしっかりと紹介しながらも、言葉選びのセンスがよく、おもしろみを感じる投稿が特徴です。

 

 

投稿のポイント

投稿で紹介している記事はビジネスパーソンがターゲットの、開発における苦労などの内容ですが、思わず笑ってしまう中の人の感想コメントが秀逸です。

どんな内容なのか気になる!と記事を読んでしまったフォロワーも多いのではないでしょうか。

ひとつの投稿の中で緊張と緩和が行われている、中の人のセンスが光る投稿です。

アンケート投稿では、あらかじめ中の人の意見を投稿内に混ぜておくことで、投稿しやすい雰囲気を演出しています。「投票お願いします」「教えてください」と呼びかけるよりも、コメントする意欲が掻き立てられるでしょう。

事例9:セガ

https://twitter.com/SEGA_OFFICIAL

 

総合エンターテイメント企業、セガの公式アカウントです。

フォロワー数は約555,000人で、ほぼ毎日複数回投稿しています。商品情報や、他社とのコラボ商品の紹介が多く見られます。

中の人特有の投稿は、投稿全体数に対しての割合は少なめですが4名で担当していて、投稿の末尾には担当した人の名前が記載されていることもあります。

作りこんだ投稿の中に雰囲気の違う投稿が挟まれて、ほっとするような雰囲気を演出しています。その他に、自社キャラクターのソニックや、ゲームキャラクターのアクリルスタンドなどを登場させる投稿も人気です。

 

 

投稿のポイント

エンタメ企業らしい作りこんだコンテンツ投稿も多い中で、中の人のうっかりした一面が垣間見えるところによい意味でのギャップを感じる投稿です。

企業のよいところばかりではなく、くすっと笑えるような少しダメな部分も表に出していくことで人間味が感じられ、共感が得られます。

毎朝の挨拶の投稿でこのような投稿をすることで、フォロワーは毎日アカウントをチェックすることが楽しみになります。

人気ゲーム「ぷよぷよ」のキャラクターを登場させた投稿も人気です。長年親しまれているゲームへの愛情が感じられ、思わず「いいね」を押したくなってしまう投稿です。

事例10:ミツカン

https://twitter.com/mizkan_official

 

味ぽんを代表とする食品メーカーのミツカンの公式アカウントです。

フォロワー数は約385,000人で、ほぼ毎日複数回投稿しています。

プロフィールには中の人のマイブームや好きな食べ物が紹介されていて、中の人感があふれるアカウントであることがわかります。その他に、自社製品を使ったレシピの投稿が多く見られるのも特徴です。

 

 

投稿のポイント

こちらのアカウントの大きな特徴は、自社商品を模したぬいぐるみ「ぽん酢たち」が投稿に多数登場することです。

プロフィール画像にも設定されていて、もはやミツカンのX(Twitter)アカウントと言えばぽん酢たちと言ってよいほどに、フォロワーからの認知度は高く、人気のキャラクターになっています。

中の人は毎日、ぽん酢たちを持ち歩いているようで、社内の写真だけではなく屋外にも頻繁に連れ出しています。

家にぽん酢たちを忘れた日は「ひとりで寂しい」とつぶやくなど、その仲良しぶりもフォロワーからの好感を呼んでいます。

キャラクターを効果的に使うことで、何気ない日常の投稿にもほのぼのとしたストーリーが生まれ、アカウント全体のファンを獲得する効果が見込めます。

3. 中の人運用をしたい企業担当者の方へ

SNSの中の人運用は効果が高い一方で、残念ながら一般的なコンテンツ重視の運用よりも難しいものです。

綺事例にあるようなSNS運用を担当する「中の人」には、センスとリアルタイムでユーザーと交流する柔軟性が求められるためです。

センスに自信がない、SNS運用にそんなにリソースを割けない、という方は多いと思います。

そんな方は、しっかりと自社がSNSを運用する目的を定め、どのようなコンテンツをユーザーに届けるべきか戦略を練って、コンテンツを中心としたSNS運用がおすすめです。

 

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