4年でMAUが7倍に! 急成長するInstagramのこれまでの歴史と今後の動向を徹底解説
2017/06/23
最近のInstagramには様々な機能が追加され、一般ユーザーはもちろん企業にとっても使いやすいSNSになっています。Instagramはリリース当初からどのように成長してきたのでしょうか。今回は、年代別に重要な出来事を取り上げ、考察を交えて詳しくご紹介します。
- ■目次
- 年表に入る前に
- 2010~2012年
- 2013~2014年
- 2015~2016年
- 2017年から今まで
- まとめ
- 注目アップデートの履歴
1. 年表に入る前に
ラボ編集部では2年前に、開発当時のInstagram側の想いや正方形にこだわっていた理由を解説する記事を掲載しています。
そのときからユーザー数が7億人を突破するほど順調に成長し続けた同SNSが、どのようにアップデートを繰り返してきたのか、編集部では改めて調査を行いました。今回の調査では、便宜上年代を5つに分けて考察していきます。
2. 2010~2012年
①ハッシュタグ機能導入
Instagramは、2010年10月6日にAppStoreにてリリースされました。開始わずか3か月でユーザー数が100万人に達し、翌年1月にはInstagramを象徴する文化であるハッシュタグ機能が導入されました。
https://medium.com/@seinas/instagramの創業から成長の奇跡-20bf7cdd5fd8
②Facebook社による買収
その後も、2011年4月にはユーザー数が300万人、その2か月後には500万人と順調に規模を拡大していき、2012年4月にユーザー数が3000万人に到達したタイミングでFacebookが10億ドル(日本円で810億円)で買収するというビッグイベントが起きました。
その後は、ログイン時にFacebookアカウントと連携できるようになったこともありユーザー数が飛躍的に増加し、買収後3か月で8000万人となっています。Facebookユーザーが流れ込んだ影響もありますが、初期段階で有名SNSへと名を連ねました。
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO40332590R10C12A4000000/
3. 2013~2014年
①月間アクティブユーザー数が1億人突破
http://blog.instagram.com/post/44078783561/100-million
2012年末にInstagramが25言語で配信されるようになり、また、アプリケーションなしでもWeb上でInstagramにアクセス可能になったことで、全世界で展開されるSNSとなり、2013年2月には月間アクティブユーザー数が1億人に達しました。
また、アメリカの10~20代から多くの支持を集め、2013年1月の月間アクティブユーザー数9000万人の段階では、1日の写真アップロード数が4000万枚、投稿に対する「いいね!」の数が1秒8500回というデータも出ています。
http://blog.instagram.com/post/44078783561/100-million
②X(Twitter)のMAUを追い越す
2013年6月には写真投稿に加えて動画投稿機能も追加され、同機能公開24時間で500万本の動画が公開され、月間アクティブユーザー数も1億3000万人に増加しました。この機能は、投稿時のその場で撮影した動画の投稿のみが対象でしたが、同機能提供の2か月後には撮影済みの動画も投稿可能になりました。
このように既存SNSとの機能差を着実に埋めていたInstagramは、2014年12月に月間アクティブユーザー数3億人を達成し、ついにX(Twitter)の規模を追い越しました。
また、デフォルトのものに加えて新たにフィルターが追加され、ユーザーは投稿の際に様々な表現ができるようになりました。また、ほぼ同時期にiPhone6が販売され、本商品のカメラ機能の1つのスローモーション撮影機能に対応し、スローモーション動画のアップロードも可能になりました。
http://jp.techcrunch.com/2014/12/11/20141210not-a-fad/
4. 2015年~2016年
①各種ビジネス対応機能の追加
https://business.instagram.com/blog/instagram-open-to-businesses-of-all-sizes-everywhere/
2015年5月から海外で先行提供されていた広告が日本でも導入され、Instagramのビジネス場面での活用が可能になりました。これにより、広告主は簡単にメッセージのターゲット設定をしたり、自社商材に合わせたユーザーにリーチしたりできるようになりました。
また、同年6月からはInstagram内で大小を問わずキャンペーンを打ち出せるようになり、9月には「商品購入ボタン」の設置や短期間に集中的に広告を露出できる仕組みの導入、さらに10月にはダイレクトレスポンス広告にも対応しました。Instagramをビジネス活用するための準備が整ってきたといえます。
https://business.instagram.com/blog/instagram-open-to-businesses-of-all-sizes-everywhere/
https://markezine.jp/article/detail/23513
②カメラ性能の上がったiPhone6sの発売
https://www.apple.com/shop/buy-iphone/iphone6s
2015年9月にはiPhone6sが発売され、背面カメラの画質が上がりました。これに呼応するように同時期のアクティブユーザー数は全世界で4億人以上にまでなり、その3か月後には1日に投稿される写真が8000万枚になりました。
iPhone6sで撮影できる写真の質が上がったため、写真中心のSNSであるInstagramも盛り上がりを見せたと考えられます。
③国内におけるInstagramの認知率が向上
Instagramの認知率は、2014年12月と2016年1月の国内調査を比較すると、48.6%から72.8%と大幅に増加し、利用率も8.3%から13.4%に増加しました。このデータから認知率は7割越えであり、世界中で認知されていることがわかります。
利用者の増加に加え、1月の時点でInstagramアカウントを開設している日本企業が1万社を超え、2月の時点で20万の広告主が存在していることがわかりました。日本でもInstagramのビジネス活用が一般化してきていることがわかります。
また、2月にはログインしたまま複数アカウントの切り替えが可能になったことで、企業アカウントを運用する中の人視点でも、もちろん一般ユーザーの視点でも趣味嗜好に合ったアカウント作りに対応できるようになりました。
https://marketing-rc.com/report/report-monthly-20160108.html
④新アイコンに変更
2016年4月にリリース以降使用されていたアイコンが新たなものに変更されました。
従来は「写真投稿アプリ」というイメージを持ってもらえるようにカメラを強く印象付けるようなデザインのロゴを採用していました。しかし、SNSとしての機能が拡張され多くの写真や動画が共有されているなかで、カメラのイメージに固執することなく、よりサービスの成長を見込めるようなシンプルなロゴに変更されました。
これにより、ロゴイメージに捕らわれることなく様々な機能を追加できるようになりました。ロゴ変更後、下記にご紹介する「ストーリー機能」や「ライブ配信機能」などを導入することで、同年12月には月間アクティブユーザー数が6億人になるなど大幅にユーザー数を伸ばしています。
参考:
反発を受けたロゴ変更は英断! インスタグラム急成長のきっかけはロゴのデザイン変更にあり?
⑤インサイトの閲覧が可能に
5月には、アナリティクスによって閲覧者属性、投稿インプレッション、リーチなどの様々なデータを分析可能になりました。これにより、企業がInstagramをビジネス利用するうえで一般ユーザーの動向を確認できるようになり、マーケティングにおいて重要な要素となりました。
また、7月には企業アカウントのビジネスプロフィールを作成できるようになったことで、店舗の所在や連絡先、顧客に役立つ情報などを掲載可能になりました。企業アカウントとユーザーの接触機会を増やす機能です。
http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1608/16/news080.html
⑥Instagramストーリー機能・ライブ動画配信機能の提供開始
8月には、Instagramストーリー機能が提供開始されました。これは、撮影した動画をタイムライン上部の欄に24時間の間表示させておくことができる機能で、同種の機能を持つSnapchatのフォーマットを利用しています。消える動画であるため投稿のハードルが下がっており、多くの企業が活用しています。
また、11月にはライブ配信機能が提供開始されました。本機能は、最大1時間の間リアルタイムの映像を配信できる機能です。企業は、消費者が普段見られないイベントの舞台裏やリアルタイムを利用した限定情報の配信など、様々なやり方で活用しています。
http://jp.techcrunch.com/2016/08/11/20160809the-good-enough-strategy/
⑦保存機能の追加
http://blog.instagram.com/post/154465796577/161214-savedposts
12月には、他ユーザーの写真・動画などの投稿を保存できる機能が追加されました。他ユーザーには表示されないため、自分の趣味嗜好に合った好みの投稿をストックできるようになります。保存機能の登場により、従来はタイムラインで流れてしまっていた投稿がユーザーの判断でストックされるようになり、コンテンツの賞味期限が伸びることに繋がります。企業アカウントは、ユーザーに保存してもらえるような投稿をすることが必要になったのです。
また、翌年4月には本機能に付随した機能としてコレクション機能が追加されます。ユーザーが収集した保存投稿を任意のカテゴリーに分けて整理することができるようになります。
http://blog.instagram.com/post/154465796577/161214-savedposts
5. 2017年から今まで
①ストーリー機能に広告配信が可能に
3月には、全世界でストーリー内に広告動画を出稿できるようになりました。友だちのストーリー投稿の間に15秒程度の広告が表示される機能であり、簡単に飛ばすこともできるためユーザーのストレスになることもありません。
タイムラインの広告に加えて、ストーリーというコンテンツでも企業向けの機能が追加され、ユーザーへのアプローチがしやすくなりました。
http://blog.business.instagram.com/post/155717870326/business-insights-and-ads-in-stories
②飲食店などの予約機能やショッピング機能追加の可能性
https://business.instagram.com/blog/shopping-on-instagram/
近い将来、飲食店や美容院の予約などをInstagramから直接できるようになるかもしれません。実際に店舗に足を運んだユーザーの情報などの信頼性の高いレビューを参考に店を選ぶことができるため、企業にとってもユーザーにとっても嬉しい機能になるはずです。
また、既にアメリカで試験的に実施されているのがショッピング機能です。Instagram内の商品写真の投稿からその商品の詳細や価格などの情報を閲覧でき、実際に購入までできるというもので、数多くの企業の参入が期待できます。
これらの機能が追加されれば、Instagramが今まで無かったユーザーへの直接的な購買機能を持つことになり、企業にとって最重要といっても過言ではないSNSになると考えられます。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/032400925/
6. まとめ
https://business.instagram.com/blog/700-map
今回はInstagramのリリースから現在に至るまでの重要な出来事を取り上げ、ご紹介しました。筆者がラボにジョインした2015年当時は、まだInstagramよりX(Twitter)の方がMAUが多く、フィルターも今ほど充実してませんでした。また感覚として、一部の流行りに敏感な女性が中心に使っているぐらいでしたが、今では本当に状況が変わりましたね。
リリース当初は主に写真の加工や投稿をするためのものでしたが、多くの機能が加わり非常に汎用的なSNSへと成長しました。この要因となる最も大きな出来事は「ストーリー機能」の提供開始ではないでしょうか。
ユーザーが投稿しやすい空間になり、今後ビジネス機能の拡充も
ストーリー機能導入以前のInstagramは、厳選した質の高い投稿をすることで、多くの「いいね!」を獲得しようと投稿のハードルが高めになってしまっていました。しかしストーリー機能導入以後は、24時間で消える投稿の気軽さや「いいね!」を集めるという息苦しいSNSからの解放がポジティブに作用し、自発的な投稿を増やすきっかけとなりました。
また、Facebook社による買収以降、機能が拡張してユーザーが増加したことにより、企業も無視できないSNSになりました。さらに従来は企業ブランドの向上が主だったものの、ビジネス向き機能の増加により、ユーザーへの直接的なアプローチができるようにもなってきました。上述したように、店舗の予約や商品の購入などが実用化されれば、企業にとってさらに重要なSNSになります。今後のInstagramの発展にも期待しましょう!
7. 注目アップデートの履歴
この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部