フォロワー数が影響力を持つ時代は終わる?これからのSNSコミュニケーション

2024/01/09


「SNSではまずフォロワーの数を増やすことが重要である」と言われることがあります。しかし、最近では興味や関心への反応で広がるネットワークの方がアカウントのフォロワー数より重視されるようになっています。

この記事では、今は「フォロー/フォロワー時代の終焉の途中経過だ」というツイートを取り上げ、今後のSNSの流れについて解説します。

※本記事は「ガイアックス ソーシャルメディアラボ」の公式YouTubeチャンネルで配信した内容を書き起こしてまとめたものです。


 

本記事は企業のSNSマーケティングを包括的に支援をしているガイアックスが解説しています。運用実績10年以上、大手企業を中心に累計1,000社以上の運用実績があります。

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    ■目次

  1. フォロー/フォロワー時代の終焉とは
  2. コンテンツを広める興味関心のネットワーク
  3. 個人と結びつくコミュニケーション
  4. コンテンツを使い分ける必要性

1. フォロー/フォロワー時代の終焉とは

先日、けんすうさんの、今は「フォロー/フォロワー時代の終焉の途中経過だ」というツイートが話題になりました。

「X(Twitter)にて最近フォローしている人の投稿が全然届かなくなった」という他の人のツイートに対するリツイートで、「TikTokやYouTubeのように、アルゴリズムでプラットフォームが見せたいものを見せるほうがプラットフォームにとって有利」「コンテンツがアルゴリズムによりタイムラインに表示され、フォローしているかどうかは参考情報の一つにしか過ぎなくなる」という内容でした。

つまり、これまでのアルゴリズムでは、投稿は優先的にフォロワーにリーチするため、フォロワー数を多く集めること = 多くのリーチを獲得すること に繋がっていましたが、今はフォロワー数より、一つ一つの投稿がエンゲージメントを集めているかどうかによって投稿の届きやすさが異なり、どのような投稿が届くかはプラットフォームが決めてしまうので、フォロワーの数はあまり意味を持たなくなってきているということです。

この方がプラットフォームに有利なので、今後はフォロワー数の多いユーザーの影響力が弱くなり、アルゴリズムがどの投稿をユーザーに届けるかを決める時代になってきています。

「フォロワーをただ集めるだけでは本質的に意味がない」ということは以前からYouTubeや記事でも解説してきていましたが、アルゴリズム的にも意味がなくなってきているというのが今回のお話しです。

参考記事:SNSにフォロワーは必要? 企業のソーシャルメディア活用支援のプロが特性や違いを徹底解説!

2. コンテンツを広める興味関心のネットワーク

少し詳しく解説すると、ネットワークには「コンテンツを広める興味関心のネットワーク」と「人間関係で広まるコミュニティのネットワーク」の2つがあり、最近では前者が強くなってきています。

興味関心に基づくアルゴリズムでは、影響力のあるアカウントがいなくても、プラットフォームが面白いコンテンツを届けるようになります。

すると、例えば有力なアカウントが突然投稿を止めたとしても、普段からアルゴリズムでユーザーが興味をもつようなコンテンツが届いているので、ユーザーは特定のアカウントがいなくなったとしても変わらずそのプラットフォームを楽しむようになるわけです。このように、「プラットフォームの方がアカウントよりも力をもつ流れが加速する」とけんすうさんはおっしゃってるわけですね。

例えば、弊社が運用するあるInstagramアカウントは、2021年の半ばのフォロワー数とリーチ数の相関係数は0.8で、投稿のエンゲージメントとリーチ数の相関係数は0.2でした。ところが、2022年半ばでは、フォロワー数とリーチの相関係数は0.2、エンゲージメントとリーチ数の相関係数は0.7というように、ほぼ逆転してしまったのです。

つまり、今まではフォロワーを集めれば集めるほどリーチが伸びていたのに、今はほぼ相関関係がなくなり、投稿自体のエンゲージメントが集まればリーチが伸びるという仕組みになっています。

X(Twitter)やInstagramでも同様の傾向が強まっていますし、最近は人間関係のネットワークで繋がっていたはずのFacebookも、「ホーム」タブと「フィード」タブを分け、興味関心によるコンテンツを見るためのタイムラインを実装しています。

プラットフォームが見せたいコンテンツを見せる機能を強化しているということです。

参考記事:SNSアカウント運用を成功に導く新メソッド“4C”を解説【X(Twitter)、Instagram、TikTok、YouTube等全媒体共通】

3. 個人と結びつくコミュニケーション


一方でInstagramやX(Twitter)では、個人間のコミュニケーションを活性化させる機能も活発化しています。例えば、Instagramだとライブ配信やストーリーズ投稿です。ストーリーズはフォロワーにしかほぼ届きませんし、ライブ配信は基本的にそのアカウントとかなり親密で、興味関心を持つ人が見るものです。そのようなコミュニケーションは小規模でも熱量の高いコミュニケーションとして活性化しています。

そのため、今後は少数でも結びつきの強いフォロワーとの関係性はより評価されつつ、その他の広くリーチをとるのはフォロワーをたくさん集めるためではなく、その投稿自体にエンゲージメントを集めることが重要となります。

4. コンテンツを使い分ける必要性

今後は2種類のコンテンツ、つまり「少数のフォロワーと熱量の高いコミュニケーションを取るためのコンテンツ」と「興味関心のネットワークで繋がる人たちに広くリーチするためのコンテンツ」を使い分ける必要が出てくるでしょう。この流れは今後加速していくと考えられます。

例えば、YouTubeのライブ配信は親密度の高いユーザーが見るもので、通常の動画やYouTubeショートは興味関心のネットワークで広がるというように、同じプラットフォームの中にも親密度や興味関心の度合いによるグラデーションがあります。

コンテンツのネットワークで広がっていくもの、コミュニティのネットワークで広がっていくものがグラデーションになって一つのプラットフォームに実装されているわけです。

ですから、今後は一つのアカウントあるいは一つのチャンネルでも、どちらのネットワークに載せてコンテンツを作るか意識してKPIを変える必要がある、と我々は推測しています。

より詳しくみたい人はYouTubeへ

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この記事を書いた人:重枝義樹

マーケター。ソーシャルメディアマーケティング事業部 部長。ガイアックスでは大手企業、官公庁中心にソーシャルメディアマーケティングの支援を行う。ガイアックスでの5年に及ぶ経験をもとに、本気でソーシャルをやりたい人のためにSNS禁止のガチ勉強会も行う。

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