エンゲージメント率の定義とは?Facebook、X(Twitter)、Instagram、計算方法と違いをSNS別に徹底解説
2024/03/15
■Facebook、X(Twitter)、Instagram、それぞれエンゲージメント率の計算方法は違います。
SNS運用を行うにあたり、その効果を見るために重要な「エンゲージメント率」。
今回は、Facebook、X(Twitter)、Instagramそれぞれのエンゲージメント率の考え方とそれに基づく計算方法をご紹介します。より効果的なSNSの活用方法を理解して、今後のコンテンツ作成に活かしていきたいですね。
※更新履歴
2023年3月27日:最新情報をもとに内容を修正しました。
2017年4月27日:最新情報をもとに内容を修正しました。
2017年1月4日:最新情報をもとに、Instagramのエンゲージメント率についての解説を追加しました。
2016年7月18日:記事を一部加筆修正しました。
- ■目次
- エンゲージメント率の前に……エンゲージメントとは何か?
- Facebookの「エンゲージメント率」の定義
- X(Twitter)の「エンゲージメント率」の定義
- Instagramの「エンゲージメント率」の定義
- Facebook、X(Twitter)、Instagram「エンゲージメント率」の違い
- エンゲージメント率から見るFacebook、X(Twitter)、Instagramの運用スタイルの違い
- おまけ:「クリック」の定義解説
- 最後に
本記事の内容をまとめた、お役立ち資料はこちら!
1. エンゲージメント率の前に……エンゲージメントとは何か?
エンゲージメントという言葉のもとの意味は「約束、婚約」などです。しかしながらマーケティングにおいては、企業と顧客の結びつきや般消費者のブランドへの思い入れなど、消費者と企業の絆や深い関係性を示す用語として使われます。
そしてSNSの登場以降、エンゲージメントという言葉がSNSの効果測定の数値を表す指標としても使われ始めました。SNS上では企業とユーザーが対等な関係でやり取りできる部分があり、ユーザーからブランドへの積極的な関与が、マーケティング用語としての「エンゲージメント」を表すと考えられます。
エンゲージメント率とは
エンゲージメント率とは、ひとつの投稿に対して各SNSが定める「エンゲージメント」が発生した割合です。エンゲージメント率を見ることにより、投稿に対する閲覧者の反応の度合いを知ることができます。また、企業と顧客の結びつき(エンゲージメント)を把握する目安にもなります。
2. Facebookの「エンゲージメント率」の定義
現在のFacebookにおけるエンゲージメント率の定義は、
「投稿がリーチし、投稿に関していいね!、コメント、シェア、またはクリックした人数」
となっています。エンゲージメントの内訳として数えられているのは「いいね!、コメント、シェア、投稿のクリック」です。
上記の定義を元に、エンゲージメント率の計算式を考えると、以下のようになります。
3. X(Twitter)の「エンゲージメント率」の定義
X(Twitter)におけるエンゲージメント率は、アナリティクスの『ツイート』タブで以下のように定義されています。
エンゲージメント(クリック、リツイート、返信、フォロー、いいね)の数をインプレッションの合計数で割って算出します。
1ツイートのエンゲージメントとしてカウントされるアクションは5種類あり、またそれらのアクションを割る分母はインプレッションの合計数となっていることがわかりますね。つまりあらためて計算式で表すと、以下のようになります。
4. Instagramの「エンゲージメント率」の定義
現在、Instagramのアナリティクスには、「エンゲージメント」という項目はあるものの、「エンゲージメント率」という項目はありません。そのため、「エンゲージメント」という数値を元に、自分でエンゲージメント率を計算する必要があります。
ここで言う「エンゲージメント」とは、「投稿にいいね!やコメントをしたユニークInstagramアカウントの総数」のことを指します。
Instagramのエンゲージメント率を計算する際、分母になり得る項目は、「フォロワー」、「インプレッション数」、「リーチ」の3つが考えられます。
Facebookの場合の分母で考えると「リーチ」、X(Twitter)の場合の分母で考えると「インプレッション数」となります。この「分母」はアカウントの目的によって自由に選んで問題ありません。ただ、Instagramでは「フォロワー」を基準に考えることが一般的なため、ここでは分母を「フォロワー」と定義します。
その場合、Instagramのエンゲージメント率の計算式は以下になります。
5. Facebook、X(Twitter)、Instagram 「エンゲージメント率」の違い
ここまで3大SNSのエンゲージメント率の具体的な計算方法をご紹介しましたが、その違いをまとめて解説していきます。どのような違いがあるかを理解しておけば、計算式を覚える必要はありません。
X(Twitter)のエンゲージメント率の分母は総数
X(Twitter)のエンゲージメント率の計算式に使われる分母は、1ツイートのインプレッションの合計数です。
ここで「合計数」と書かれているので、ユニーク数ではなく総数であることがわかりますね。
※ユニーク数と総数の違い:ユニーク数というのは、特定のアクションを行ったユーザーの人数を示し、総数は回数を意味します。
例えばX(Twitter)の例で言うと、同じ人が何度同じツイートを見ても「1」としてしかカウントされないのが「ユニーク」で、同じ人が5回同じツイートを見たら「5」と換算されるのが「総数」です。X(Twitter)では後者が計算に使われています。
つまり、X(Twitter)では同じ人が同じツイートを何回も見るとエンゲージメント率の分母は増えていくという仕組みになっています。分母が増えればエンゲージメント率も当然下がりやすくなってしまいます。
インプレッションということは、ツイートが『表示された回数』なので、例えばスマホでX(Twitter)をスクロールしている間に、画面にツイートが一瞬でも表示されれば「1インプレッション」としてカウントされます。
極端な話、ちゃんとツイートを見ていない場合もインプレッションとしてカウントされますが、とはいえある程度精度は高く、ここでインプレッションとして表示される数値はおおよそツイートが届いて見てくれた人数に近くはなります。
Facebookの新エンゲージメント率はユニークで計算
X(Twitter)のエンゲージメント率は分子として計算されるアクション(クリック・リツイート・返信・フォロー・いいね)も人数ではなくアクションの総数なので、「総数」÷「総数」という計算から導き出される数値になっています。
反面、Facebookの新エンゲージメント率は、分子がいいね!などのアクションを行った「人数」で、分母も投稿がリーチした「人数」なので、「ユニーク」÷「ユニーク」で求められる細かな数値になっています。
6. エンゲージメント率から見るFacebook、X(Twitter)、Instagramの運用スタイルの違い
このエンゲージメント率の算出方法の違いからも、FacebookとX(Twitter)の運用に対する捉え方の違いが見えてくるのではないでしょうか。
各ファン・リーチを細かく意識するFacebook
Facebookのニュースフィードにはユーザーごとに最適な投稿を表示する複雑なアルゴリズムが採用されており、最初の段階で投稿が表示される人がある程度絞られます。リーチ数も制限されるため、そこを超えて多くの人に投稿を届けるのがなかなか難しい場となっています。
投稿へのエンゲージメント量やタイミングが重要視されるため、より多くの人に情報を届けるためには細かく設計された運用が必要になってきます。
関連記事:ニュースフィード(タイムライン)の表示順はどう決まる?Facebook・X(Twitter)・Instagramのアルゴリズムを理解してリーチを伸ばすには
とにかく多くの人にどんどん届けるX(Twitter)
X(Twitter)には「エッジランク」のような複雑なアルゴリズムがなく、タイムラインにツイートがリアルタイムに流れてきます。
エンゲージメント率の計算式でも人数より回数を使っている辺り、X(Twitter)はとにかく多くの人に多くの回数ツイートを届け、想起率や認知度を上げるために使っていくことが向いているように感じます。
細かく計算して一人ひとりのフォロワーを意識するというよりは、全体に多く情報を届けるようなイメージで運用する方が良いのではないでしょうか。実際、X(Twitter)では思いもかけないところからツイートが盛り上がり、その後爆発的に拡散することも多々起こります。
またユーザー目線で見ても、タイムラインにどんどんツイートがリアルタイムに流れてくるので、一つひとつのツイートを見逃してしまうこともあります。「1回目は見逃していたけれどもスクロールして戻ってきた時に目に入った」なんてこともあるので、そういった意味でもインプレッションで数値を取るのは適っていますね。
2015年4月、公式ブログにも発表がありましたが、X(Twitter)にRecap機能(「前回アクセスから今までのツイート」)が加わり、見逃してしまったツイートを振り返れるようになりました!
タイムライン表示にアルゴリズムが適用されたInstagram。Facebookの運用に近い?
かつてInstagramのタイムラインは、時系列で表示されていました。しかし、2016年3月にInstagramは、「厳密に投稿時刻の逆順(一番新しい投稿がトップ)」というアルゴリズムを捨てることを発表し、現在ではアルゴリズム式を導入しています。それにより、ユーザーの興味のある写真をInstagram側で計算し、タイムラインに表示されるようになっています。これは、Facebookのタイムラインと同じ考え方です。
現在のInstagramのエンゲージメント率は「フォロワー」を分母とすることが一般的とされていますが、今後はFacebook同様、すべての記事に対してリーチを増やすことが難しくなってくることが予想されます。
Instagram自体が過渡期にあり、またバージョンアップのペースも早いため、今後もさまざまな仕様変更の可能性が考えられますが、いずれにせよフォロワーの興味を惹く魅力的な投稿がエンゲージメント率を高めると考えられます。
7. おまけ:「クリック」の定義解説
X(Twitter)におけるエンゲージメントは、X(Twitter)アナリティクス上で以下のように記載されています。
クリックの内訳としてリツイート、返信、お気に入り、フォロー、が挙げられていますが、X(Twitter)社へのメール取材によると、ツイート上のクリックに関する挙動はすべてエンゲージメントとしてカウントされるそうです。
下記画像の赤枠部分、さらにツイートの詳細が表示される「赤枠以外の部分のタップ」もエンゲージメントとしてカウントされると考えていいでしょう。
ポイント:クリックが増えても拡散するわけではない
ちなみに、Facebookでは投稿のクリック数もリーチの増減に影響を与える要素の1つですが、X(Twitter)のクリック数は拡散には影響を与える訳ではありません。
繰り返しになりますが、X(Twitter)にはエッジランクのようなツイートの優先度を決めるアルゴリズムはなく、基本的に広告以外のツイートはリアルタイムにタイムラインに流れてきます。
X(Twitter)におけるクリック数は、あくまでも自社サイトへの誘導数や画像/動画の閲覧/再生数を把握するための数値として見ていきましょう。
8. 最後に
SNSごとの最適なアプローチを見極める際に重要になってくるのが「エンゲージメント率」ですが、それぞれのエンゲージメント率の計算方法は根本的に違うので、今回はここを重点的に解説してきました。これらの数値の見方も把握したうえで、Facebook、X(Twitter)、Instagramを上手く使い分けていきたいですね。
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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部