国内初!分散型メディア向け分析ツール「CV insight」の開発背景
2016/07/19
メディア業界でにわかに盛り上がりを見せている「分散型メディア」。必ずしも自社サイトに誘導せず、ユーザーが集まっている場所(SNSなど)に合わせてコンテンツを発信する、比較的新しいメディア形態です。
分散型メディアの考え方を取り入れ、プラットフォームごとのリーチを最大化するように務めるメディアは増えています。しかしながらそうすると、今までのメディアの一般的な評価指標であった「PV」という概念では、メディアの価値を適切に評価できなくなります。
まだ明確な答えのないこの問題に対して、ひとつのソリューションを提供しているのが株式会社LAUGH TECHの分散型メディア向け分析ツール「CV insight」です。
「CuRAZY」というメディアを運営している同社は、2016年5月に「CV insight」をリリースしました。もともとは社内向けツールとして開発した「CV insight」を企業向けに提供するに至った経緯や分散型メディアの効果測定について、株式会社LAUGH TECH代表取締役の伊藤様にお話を伺いました。
Interview / ソーシャルメディアラボ編集長 大久保亮佑
- 目次
- プロフィール
- 分散型メディアの効果測定は難しい。メディア運営経験から生まれたツール「CV insight」
- 各ソーシャルメディアのデータを一括で表示
- 自社メディア運営で感じた各SNSの特性の違い
- Facebookでリアクションを得るためのノウハウ
- 今後の展望
プロフィール
伊藤 新之介氏:株式会社LAUGH TECH代表取締役
分散型メディアの効果測定は難しい。メディア運営経験から生まれたツール
大久保:「CV insight」はもともと社内ツールだったということですが、開発に至った経緯を教えてください。
伊藤氏(以下敬称略):分散型メディアは、必ずしもウェブサイトに誘導せずに色々なプラットフォームでコンテンツを見せるため、PVだけではメディア全体の規模を正しく測定できません。そこで弊社が取り入れたのがCV(Content Views:コンテンツビュー)という概念です。海外でこの評価指標が使われているのを見つけて、それらをまとめて見られるようなツールを開発しました。
PVに加えてFacebook、X(Twitter)、Instagramの動画再生数、画像のクリック数を合算したものをコンテンツビューと定義して計測しています。
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大久保:ツールを外部に提供しようと思ったのはなぜですか?
伊藤:記事広告の効果測定に、弊社のツールを使いたいという声をいただくようになったのがきっかけです。
もともと1記事ごとの数値データを出すようなツールを作っていて、記事広告のレポートにも利用していました。それをさらに発展させてコンテンツビューを測定できるツールへと改良し、「CV insight」の形になりました。
日本国内ではコンテンツビューの概念を取り入れているメディアもまだ少なかったので、いち早くツールを出すことで興味を持ってもらえるだろうという予測もありました。リリースしてまだ2ヶ月ほどですが、約50社が導入してくれています。
大久保:海外にはコンテンツビューを測定するツールはあるんですか?
伊藤:ソーシャルメディア別の分析ツールは充実していますが、コンテンツビュー全般を扱った複合型のツールはまだありません。分散型メディアとしてよく例に挙げられるBuzzFeedやNowThisは、社内ツールを使っているそうです。
ですので、「CV insight」は海外の需要も取り込めるかなと思っています。
各ソーシャルメディアのデータを一括で表示
大久保:いま50社ほどに導入されているとのことですが、どういったニーズで使われているのですか?
伊藤:やはり、各ソーシャルメディアの反応を一括で分析したいというニーズが多いです。ソーシャルメディアごとの管理ツールはあるのですが、同じコンテンツを動画でも画像でも、同一基準の数値で計れるツールは他にないんです。
それから、単純に「使いやすい」という声も多いです。Facebookの動画のインサイトは情報が分散していて、何度もクリックして移動しなければほしい情報にたどり着けなかったりするのですが、CV insightでは必要なデータを一括で見られるようにしています。自分たちも不便な思いをしていたので、その経験が生きていますね。
自社メディア運営で感じた各SNSの特性の違い
大久保:自社でさまざまなツールを開発して効果測定をしているわけですが、どのようにコンテンツ作成に活かしているのでしょうか?
伊藤:例えばですが、国内外の拡散されている記事を時間別で全部見られるようなツールもあります。Facebookのプレミアム値というものをつけて、そのメディアの中で特にバズっているかどうかを判定するんですよね。そういったデータを記事ネタの参考にしたりします。
大久保:特に参考にしている、ソーシャルメディアをうまく使ってトラフィックを獲得している海外メディアはありますか。
伊藤:BuzzFeedはもちろんですが、最近でいうとDoseや、LittleThingsも注目しています。これが多分ソーシャルメディアでバズっているトップ10くらいに入っているのではないでしょうか。
大久保:それも、御社のツールでわかったことですか。
伊藤:そうです。LittleThingsはツールで見つけて、よくよく海外記事を見たら5,000万ユーザーぐらいのすごい規模のメディアだとわかりました。
大久保:ソーシャルメディアでトラフィックを集めているメディアの共通点はありますか?
伊藤:Facebookに関していうと、女性がメインターゲットであり、かつ男性にもささるコンテンツが強いですね。
例えば、LittleThingsが扱っている「グッドニュース」と呼ばれるほっこり系のネタが代表です。Facebookでのアクションは女性のほうが盛んなので、まずは女性の反応を得なければいけません。かと言って、女性だけ反応するコンテンツだとなかなか伸びないので、ちゃんと男性ものっかれる要素が必要になります。そうするとグッドニュースはちょうどいいのです。
対照的にX(Twitter)は、男性起点の部分が強い。だからX(Twitter)ネタはFacebookでそこまでバズらなかったりします。どのメディアでバズらせたいかによって、女性視点か男性視点かは考えますね。
Facebookでリアクションを得るためのノウハウ
大久保:特にFacebookでトラフィックを稼いでいると思うのですが、何かノウハウはありますか?
伊藤:Facebookはタイトルとサムネイルがとにかく重要なので、同じコンテンツでもそこを変えたりしますね。圧倒的に数字が変わるので、A/Bテストをしながら最適化します。訴求したいメインキーワードはふたつまで、とか、キーワードを引き立たせるために平仮名単語をふたつ以上並べないとか、細かいノウハウはかなり蓄積しています。
大久保:サムネイル画像を変えるのでも、数値は変わりますか?
伊藤:変わりますね。まず、当たり障りのないイメージ画像は全然ダメで、生々しさのある画像のほうがクリックされる傾向が強いです。あと手書きの文字が入っているものもクリックされやすいです。友達がシェアしているような画像に近いものがいい反応を得られていると思います。
手書き風で思わずクリックしたくなるサムネイル
今後の展望
大久保:今後メディアとしては、どのくらいの規模を目指しているのでしょうか?
伊藤:現状が900万UUくらいなのですが、しっかり広告でマネタイズしていくために1000万の壁は越えたいなと思います。ツールのおかげで記事ネタを作るまでの仕組みは確立されてきたので、さらに伸ばしていきたいです。あとは動画事業にも力を入れ始めています。
大久保:ツール事業の今後の展開はどう考えられていますか?
伊藤:現状の「CV insight」は内部の測定ツールにとどまっていますが、
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大久保:ありがとうございました!
「CV insight」サービスページはこちら
https://cv-insight.com/
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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部