やはりカギはハッシュタグ! 旅行・観光業界のInstagram活用事例8選
2024/01/09
最近では旅行や宿泊先を決める際に、パンフレットを手に取るよりも先に、SNSで調べることも多くなってきました。写真に特化したSNSであるInstagramでは、ユーザーの目を引くフォトジェニックな写真を用いて、質の高い投稿が重要になっています。
本記事では、自社の広告やプロモーションにInstagramを上手に活用している旅行・観光業界の9アカウントを分析します。
本記事は企業のSNSマーケティングを包括的に支援をしているガイアックスが解説しています。運用実績10年以上、大手企業を中心に累計1,000社以上の運用実績があります。
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※編集部注:
2021年9月:事例を更新・追加しました。
2017年5月:最新情報をもとに事例を追加しました。
本記事の内容をまとめた、お役立ち資料はこちら!
1. H.I.S.
大手旅行代理店であり、国内外の様々な旅行を取り扱うH.I.S.の公式Instagramアカウントです。1~3日に1回の間隔で投稿されており、投稿の本数は基本的に1日に1件です。2021年8月現在でのフォロワー数は、約6万7,000人です。
ユーザー参加型のアカウントであり、ユーザーの写真の中から選抜してコメントを添えて投稿するスタイルをとっています。特定のワードをハッシュタグに設定し、ユーザーにそれを付けて投稿してもらうという仕組みです。
6月には「#アジサイ旅のセカイ2021」、10月頃には「#秋旅のセカイ」など季節に沿ったハッシュタグや、「#日本の白色のセカイ」「#みんなで作るTRAVELBOOK」などのハッシュタグを指定して、投稿を募っています。
投稿のポイント
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新型コロナウイルスの流行により特に海外旅行はほぼ不可能な状況で、国内の観光地に注目が集まっていることもあり、「#みんなで作るTRAVELBOOK JAPAN.ver」という企画を実施しています。
県ごとのハッシュタグを設定し、フォロワーの投稿を元にした、県ごとのトラベルブック(おすすめスポットまとめ)を作成する企画です。
2. Relux
株式会社Loco Partnersが運営する会員制宿泊予約サイトReluxの公式Instagramアカウントです。ほぼ毎日投稿されており、投稿本数は1日1~3件です。2021年8月現在のフォロワー数は、約34万3,000人となっています。
同社の投稿は宿泊施設の外観や客室の写真を用い、「こんな旅館に一度は泊まってみたい」と思える魅力的な部分を伝えています。複数枚の画像を用いたカルーセル投稿で様々な視点からユーザーに分かりやすく紹介しています。地域別にハイライト活用されているのも特徴のひとつです。
投稿のポイント
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カルーセル投稿を用いて、ホテルの内観や外観、ホテルから見える景観や客室まで非常に多くの情報を盛り込んでいます。
ユーザーは一つの投稿を見るだけで、ホテルの様々な側面を予め見ておくことができ、イメージを膨らませやすいです。
カルーセル投稿に付け加えられたテキストでは、ユーザーを引きつけるようなロマンチックな状況を分かりやすく解説しています。また、ホテルに対する口コミもキャプションで紹介。実際に泊まった人の声も一つの投稿内でチェックできるようにしています。
3. icotto
株式会社カカクコムが運営する「心みちるたび」をコンセプトにした女性向け旅の情報メディアicottoの公式Instagramアカウントです。投稿本数は週に2~4件程度で、2021年8月現在でフォロワー数は、約6万7,000人です。
雑誌の紙面のような統一感ある投稿クリエイティブや、旅行の目的別にハイライトがまとめられているのが特徴です。
投稿のポイント
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画像と背景と見出し、解説を組み合わせたクリエイティブは、情報量もほどよく、見ているだけで楽しくなりそうです。
基本的に写真は自社で用意せず、写真投稿サイトや旅行サイトのものを活用。写真の二次利用についてこのようなサイトと提携しているかもしれません。レイアウトや見出し付けなどを工夫し、付加価値を出しています。またタイムラインでの画面占有率が高い、縦長の画像もポイントです。
4. ホテルLabo
「旅する20代」をコンセプトにしたInstagramベースのメディア「ホテルLabo」の公式Instagramアカウントです。投稿本数は2~3日に1件程度で、2021年8月現在でフォロワー数は約12万6,000人です。
直近半年でフォロワー数約6万人増加している注目のアカウントです。
きれいな写真で惹きつけるというよりは、価値の高い情報をまとめて提供しているタイプのアカウント。「このアカウントをフォローすることで得られる情報」が明確であり、そこにメリットを感じるユーザーがフォローしていると予想されます。
投稿のポイント
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1枚目のキャッチコピーで、明確に投稿を見るメリットが分かります。
紹介した箇所の住所・電話番号記載されているほか、宿泊料金の目安も紹介されており、1名利用、4利用などカップル、友だちとグループで、などのシチュエーションで目安の値段を把握しやすくなっています。
カルーセル投稿の最後の画像では、フォローや保存を促しています。
5.和歌山県オフィシャル
和歌山県の公式Instagramのアカウントです。1、2日の間隔で投稿が続けられており、投稿本数は基本的に1日1本、2021年8月現在でフォロワー数は1万6,000人です。
普段の投稿内容では、ユーザーから提供された投稿の写真について詳しいテキストで紹介し、近くで行われるイベントや近隣施設の告知をしています。
県内の小さな公園から山奥の景色、イルミネーションの情報など様々な情報を提供しており、県内の人はもちろん和歌山県に観光する際は観光案内のように利用できそうです。
投稿のポイント
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ユーザーがアカウントの指定したハッシュタグを用いて投稿した写真を利用して投稿しています。このように、県が運用するアカウントに写真を利用してもらえるというユーザーのモチベーションが運用の重要なポイントになります。
同投稿では、ユーザーが撮影した神社と、そこで開催されているイベントの詳しい紹介がされており、ハッシュタグを用いて集めた写真をさらに観光地誘致に活用している点が秀逸です。
また、一連の紹介をしたあとにしっかりと写真に関するハッシュタグを付けている点もポイントです。ユーザー参加型運用を行うためのハッシュタグと本来のハッシュタグで使い方を分けて使用していることがわかります。
6.ホテル椿山荘東京
「ホテル椿山荘東京」の公式Instagramアカウントです。投稿は平均して2、3日に1回ほどで、1日に連続で2投稿される日もあります。2021年8月現在でフォロワー数は4万1,000人です。
普段の投稿では、ホテル内の景色や設備、レストランの料理などをコメントとともに紹介しています。季節感を感じさせる画像に世間話風なテキストを添えて、見やすい投稿になっている点が印象的です。
自社で撮影した写真とユーザー投稿のリポストを織り交ぜて運用しており、動画の投稿も比較的多めです。
また宿泊者やイベント参加者が投稿したストーリーを再投稿し、ハイライトにまとめているのも特徴です。通常投稿の場合、アカウントの世界観に合わないユーザー投稿は活用しにくいですが、ストーリーやハイライトであれば、アカウント自体の世界観や空気感にほぼ影響を与えることがなく、違和感なく取り上げることができます。
投稿のポイント
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同投稿では、風景を多めに盛り込み、幻想的な風景のレストランを紹介しています。
キャプションがごちゃごちゃと見にくくならないようにという工夫からか、キャプション内は4~5つのハッシュタグにとどめ、コメントで追加のハッシュタグを付与するようにしています。
外国人のフォロワーにも配慮し、キャプションは英語も併記されています。
7. THIRD石垣島
2020年7月グランドオープンした離島リゾートホテル「THIRD石垣島」の公式Instagramアカウントです。2021年8月現在でフォロワー数は8,124人です。2日1回のペースで投稿されています。
人が写っている写真も多く、ホテルそのものだけでなく、観光についても投稿しているため、ホテル滞在後の過ごし方がイメージしやすくなっています。
またハイライトではUGCをレビューとして見せるなど、さらにホテルの魅力が伝わってくるまとめ方をしています。一方でプロフィール、投稿文はシンプルで見やすくまとめられています。
投稿のポイント
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ブックラウンジなど館内施設を紹介することで、ホテル内での過ごし方が伝わるような投稿を行いつつ、周辺の観光スポットにビーチなどを紹介し、旅行の全体像がイメージしやすくなっています。
また人物を映すことによって、実際に自分がホテルで過ごすときに置き換えてイメージしやすくなります。
8. 金剛峯寺
高野山真言宗総本山金剛峰寺の公式Instagramアカウントです。
現在は本格的に運用されているアカウントではありませんが、参考事例として紹介します。
主な投稿内容は、季節ごと金剛峯寺近辺の風景や、僧侶の目線から見える景色を切り取ったもので、独特の空気感が日本の伝統的な寺の美しさを伝えています。
投稿頻度はかなりばらつきがあり、つけているハッシュタグも工夫してInstagramを運用している風ではありません。いわば持っているアセットを活かし、できる範囲で運用、発信するスタイルです。
フォロワーを増やしたり、マーケティング・チャネルとして活用する場合のノウハウは様々ありますが、活用の仕方はそれぞれでもよいのです。本格的な運用はむずかしくても、Instagramで届けたい情報があるならこういったマイペースの運用も参考になるでしょう。
投稿のポイント
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重要なお知らせとして2年ぶりの投稿がされています。
新型コロナウイルスが流行している社会情勢などにも配慮した文章になっており、運営者の想いが伝わる投稿です。外国人のフォロワーにも配慮し、英語を併記しています。
9. まとめ
ご紹介した事例から大きく分けて2つの活用ポイントがわかりました。
- ハッシュタグを有効利用する
事例の中では、ハッシュタグによってユーザーから写真を提供してもらい、イベント的要素を盛り込むことに成功している企業も見られました。他にも、投稿画像に足りない情報をハッシュタグで補足するなど様々な活用方法が見受けられました - 統一感のある投稿をする
写真が中心のInstagramにおいて、ユーザーが見ただけでわかるような世界観や投稿内容の統一が重要になります。特にInstagramの投稿履歴は「ギャラリー」と称されることもあり、一種の写真集のような認識もあるほどです。やはり企業アカウントの場合はユーザーからのニーズに応える必要があるため、写真に統一感を出した方がユーザーもファンになりやすく、定着しやすいでしょう。
このように、Instagramでは他のSNSと異なる文化が形成されています。この文化を理解したうえでアカウント運用をする必要がありそうです。
観光・旅行業界の場合は、美しい写真を投稿しやすく、運用も比較的やりやすいと思うので、今回ご紹介した事例を参考により良いアカウントを作ってみてください。
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