Instagramでバズった食品ブランドの戦略とは?成功事例や面白いキャンペーンを紹介

2025/04/30

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■目次

  1. Instagramを活用する食品業界が増えている理由とは?
  2. Instagramを活用した食品業界の成功事例
  3. Instagramを使った食品マーケティングのポイントとは?
  4. まとめ|Instagram活用で食品業界が得られる最大の価値

1. Instagramを活用する食品業界が増えている理由とは?

食品業界におけるInstagram活用は、単なるブランディングを超えて、実際の売上拡大やファン育成にも大きな効果を発揮しています。
本章では、なぜ今Instagramが食品業界で注目されているのか、背景と成功企業の共通点を整理して解説します。

なぜ今、食品業界にとってInstagramが重要なのか

食品という商材は、見た目の鮮やかさや「おいしそう」という感覚を直感的に伝えやすい特性を持っています。
この「視覚的な魅力」をダイレクトに届けられる点で、Instagramは非常に相性が良いプラットフォームです。

さらに、近年の購買行動では、広告だけでなく「共感できるコンテンツ」や「リアルな体験共有」が重要視されています。
Instagramは、商品の世界観やストーリーをビジュアルで伝え、ユーザーとの感情的なつながりを生み出すのに適しています。

また、投稿だけでなく、Instagramストーリーズやリール機能を活用することで、日常的な接触頻度を高めることも可能です。
食品メーカーや飲食店にとって、Instagramは「ブランド認知→関心喚起→購買意欲醸成」の流れを自然に作れる貴重なチャネルとなっています。

SNS利用率とInstagramユーザー層の変化

SNS利用率の増加と、Instagramユーザー層の広がりも、食品業界にとって追い風となっています。

総務省の通信利用動向調査によると、SNSの利用率は全年代で上昇傾向にあり、特に30代〜50代の利用が安定して増加しています。
かつて若年層中心だったInstagramも、今では主婦層や働く世代を含め、購買力の高いユーザー層がアクティブに利用している状況です。

さらに、Instagramは「発見型購買」につながりやすい媒体です。
「見かけて気になったから購入する」「SNSで話題になっていたので試してみた」という流れが一般化しており、食品ジャンルにおいても、プロモーションから実購買までの距離が縮まっています。

このような市場環境の変化により、食品業界においてもInstagramをマーケティングの中心に据える動きが加速しています。

成果を出す企業は何をしているのか?

Instagramを活用して成果を上げている食品企業には、いくつかの共通点が見られます。

まず第一に、単なる商品写真投稿にとどまらず、「生活シーンを想起させる」ビジュアル設計に力を入れています。
商品単体ではなく、食卓シーンやレシピ提案、家族との団らんなど、「ユーザーが自分ごと化できる世界観」を表現している点が特徴です。

双方向コミュニケーションを重視しています。
キャンペーン企画や、ユーザー生成コンテンツ(UGC)を活用し、フォロワー参加型の仕掛けを積極的に取り入れています。
これにより、エンゲージメント率を高めると同時に、ブランドへの親近感を育てています。

データに基づいた運用改善にも注力しています。
投稿ごとのインサイトを分析し、どのコンテンツが反響を得たか、どう改善すべきかをPDCAサイクルで回している企業ほど、着実にフォロワー数・ブランド好感度・売上の向上につなげています。

ビジュアル戦略、ユーザー巻き込み、データドリブンな運用をバランス良く実践している企業が、Instagram活用の成功を収めています。

2. Instagramを活用した食品業界の成功事例【2025年版】

食品業界では、Instagramを単なる広告媒体としてではなく、「ブランド体験を共有する場」として活用する企業が増えています。国内外で注目を集めた代表的な成功事例を紹介します。

サントリーウイスキー

@suntorywhisky

洋酒、ビール、清涼飲料水などさまざまな飲料を製造・販売するサントリー。その中でもウイスキーを扱っているSuntory Whiskyのアカウントです。投稿頻度は2~3日に1回、フォロワー数は約9.4万人です。

四季折々の日本らしい風景に溶け込むウイスキーの写真を英語で投稿しており、全体的に落ち着いたトーンで洗練された雰囲気です。

ストーリーズハイライトにウイスキーを風呂敷で包む方法を紹介する動画を追加するなど、日本文化と製品を上手に掛け合わせています。

https://www.instagram.com/p/CHYtQyaLlZSb-_uYPjniCzBgvGn_y_kyrWT3-00/

Suntory Whiskyの投稿は、日本文化が感じられるものとウイスキーを組み合わせた写真です。投稿には、海外からポジティブなコメントがたくさんついており、フォトジェニックなコンテンツ(日本の原風景×ウイスキー)がウイスキー好きな海外の方というターゲット層に響いていることが分かります。また製品の産地でもある、日本の渋みを表現している点もポイントです。

ハーゲンダッツ

@haagendazs_jp

ハーゲンダッツは、新商品発売に合わせたInstagramキャンペーンで話題を集めています。


引用

この投稿は「どっち派?」と問いかけることによってファンとの双方向コミュニケーションを設計し、エンゲージメント率の向上を実現しています。

他にも、ハーゲンダッツジャパンは自社製品を使った簡単なアレンジレシピを紹介しています。

動画投稿も活用しており、ユーザーが思わず食べたくなるようなシズル感満載の動画になっています。

ヤマサ醤油

@yamasa_soy_sauce

1645年の創業以来、醤油をベースに幅広い商品を提供しているヤマサ醤油株式会社のアカウントです。基本的に毎日投稿しており、1万人以上にフォローされています。

投稿内容は、自社商品を使った料理写真でキャプションにはレシピのURLも記載。季節に合わせた料理をほぼ毎日投稿しているので、日々の献立決めにも役立つでしょう。


引用

商品の直接的なPRはキャプションで少し紹介する程度でほとんどなく、料理の写真のみが投稿されています。さまざまな料理の写真を投稿することで、ユーザーの購買意欲を間接的に高めていると考えられます。

投稿のキャプションにレシピのURLは記載しているものの、Instagramの仕様上そこから遷移することはできません。代わりにストーリーズハイライトからの導線を用意しているのも、ユーザーの利便性を高める小さな工夫といえます。

GODIVA

@godiva_japan

1926年に創業されたベルギーの高級チョコレートブランド「GODIVA」の日本公式Instagramアカウントです。ほぼ毎日投稿しており、フォロワーは20万人を超えています。

投稿内容は主に自社商品の紹介。カタログのように美しい写真が目を引きます。


引用

他にも、シーズンに合わせた投稿やレシピの投稿もしており、商品へのこだわりを感じられる投稿が多いです。

チキンラーメン

@chickenramen_hiyoko

次に紹介するアカウントは、「すぐおいしい!すごくおいしい!」のキャッチフレーズでおなじみ、日清食品のチキンラーメンです。

チキンラーメンは、人気アニメとのコラボレーションを活用し、Instagram上で若年層への認知拡大を図りました。


引用

他のキャラクターを起用したや、コラボグッズキャンペーンを展開。親しみやすいビジュアルと話題性により、従来のターゲット層に加えて新規フォロワーの獲得にも成功しました。

ブランドイメージ刷新や新規層開拓を狙う施策として注目すべき事例です。

ゼスプリキウイ

@zespri_jp

ニュージーランドに本社を構えるゼスプリのキウイフルーツ、ゼスプリキウイの公式アカウントです。30万人以上がフォローしています。

おなじみのキャラクターと、キウイを使ったデザートがクリエイティブのメインです。グリッド(分割)投稿を活用しており、プロフィール画面をみたときに、横に並んだ3つの投稿に統一感があることがわかります。投稿がある日は1日に3回連続投稿し、並びがずれないようにされているようです。

また、ユーザーのゼスプリキウイを使った投稿をリグラムするなど、積極的にUGCも活用しています。

グリッド投稿を活用しつつ、キウイを使ったレシピを紹介しています。カラフルで見栄えもよく、インパクトがあります。

チュッパチャプス

@chupachups_jp

100種類以上のフレーバーを持つ棒付き飴、チュッパチャプスの公式アカウントです。投稿頻度は2~3日に1回程度で、約6,000人のフォロワーがいます。

投稿は商品イメージと同じくカラフルな画像で、10~20代の若い女性をターゲットとした投稿が並びます。


引用

商品を小道具として活用したり、アーティストとのコラボレーションを行いおしゃれなイメージを崩さないような投稿が多いです。

スミノフ

@smirnoff_jp

世界90か国以上で飲まれているアルコール飲料スミノフ。基本的には金曜日に投稿を更新しており、そのほかは不定期更新。現在は5,000人近くフォロワーを抱えています。

スミノフは、単なる商品の紹介に留まらず、「どんなシーンで、どのように楽しむか」という“スタイル”を提案する発信を行っています。


引用

スミノフの飲み方の提案をしており、ライフスタイルに溶け込む形でブランドを訴求し、ユーザーの記憶に残るアプローチを展開しています。

「商品紹介+体験提案」の組み合わせにより、ブランド想起率向上に成功した好例といえます。

3. Instagramを使った食品マーケティングのポイントとは?

食品業界において、Instagramは単なる情報発信の場ではありません。消費者との距離を縮め、ブランド体験を共有する重要なマーケティングチャネルです。

ここでは、成果を出すために押さえるべきInstagram活用のポイントを整理します。

ビジュアル・世界観設計が鍵

Instagramは、視覚的な印象が極めて重要なプラットフォームです。

特に食品業界においては、「食べたい」「作ってみたい」「誰かにシェアしたい」と思わせるビジュアル設計が成果を左右します。

単に商品写真を並べるのではなく、ブランドの世界観を統一して表現することが求められます。

たとえば、写真の色調、撮影スタイル、投稿文のトーンを統一し、フィード全体で一貫した世界観を構築することで、ブランド認知と記憶に残る力が高まります。

「おいしそう」という直感的な感情だけでなく、「このブランドは私のライフスタイルに合っている」と思わせるストーリー性を持たせることも重要です。

リール・ストーリーズ・キャンペーン活用の違いと使い分け

Instagramには複数の投稿フォーマットがあり、それぞれに適した活用方法があります。食品業界のマーケティングにおいては、以下の使い分けが効果的です。

機能 おすすめ
リール 短尺動画で、レシピ紹介や食材の調理風景をテンポよく伝えるのにおすすめ
拡散性が高く、新規フォロワー獲得にも有効
ストーリーズ 日常的な情報共有、キャンペーン告知、投票機能などを活用したエンゲージメント向上
消えるコンテンツだからこそ、ラフな発信も可能
キャンペーン投稿 新商品告知やプレゼント企画など、明確なアクション喚起を目的とする際に有効
「いいね・保存・シェア」などの行動を促す設計がポイント

機能を目的に応じて使い分けることで、Instagram全体の運用効果を最大化できます。

UGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用が成果に直結

UGC(User Generated Content=ユーザー生成コンテンツ)は、Instagramマーケティングにおいて非常に大きな効果を発揮します。具体的には、ユーザーが自発的に投稿した写真や動画を企業側が活用することを指します。

食品業界では、「#手作りスイーツ」「#うちごはん」「#おうちカフェ」といったタグを活用し、自社商品を使用した投稿を促す施策が有効です。

UGCのメリットは次の通りです。

  • 生活者目線のリアリティが信頼感を生む
  • 広告感が薄く、自然な形でブランド浸透できる
  • ブランドコミュニティ醸成につながる

 

自社から一方的に発信するだけでなく、ファンと一緒に「ブランドを育てる」視点が、長期的な成果に直結します。

フォロワー増加より「関係性強化」がポイント

Instagram運用では、フォロワー数の増減に目が行きがちです。しかし、食品業界においては単なる数値ではなく、フォロワーとの「関係性の深さ」がより重要になります。

関係性を強化するためには、次の取り組みが効果的です。

  • コメントへの丁寧な返信
  • ストーリーズでのQ&A機能活用
  • 保存・シェアしたくなる実用的な情報提供
  • フォロワー参加型キャンペーンの実施

 

こうした積み重ねにより、「一度フォローしたら離れない」「ブランドに親近感を持つ」ファン層を育てることができます。

フォロワー数を追うだけではなく、「共感」「信頼」「愛着」を育むことが、Instagramマーケティング成功の鍵となります。

4. まとめ|Instagram活用で食品業界が得られる最大の価値

食品業界におけるInstagram活用は、単なる「認知拡大」や「フォロワー増加」だけを目的とするものではありません。
本質的な価値は、ブランドと生活者との「関係性」を深め、長期的なファンベースを築くことにあります。

  1. 直接商品をPRしない
    飲食業界では単に商品を入れた投稿をするだけでなく、商品を使ったアレンジレシピを紹介することでその商品の多様性や利便性も紹介することができ一石二鳥です。
  2. 商品の世界観を表現する
    ブランドの世界観が強い商品に関しては、その世界観を反映するような風景・画像だけの投稿でもユーザーはしっかりと理解してくれるでしょう。

 

Instagramは、写真・動画を通じて商品やブランドの世界観を直感的に伝えることができるプラットフォームです。
視覚的な魅力に加え、レシピ提案、ストーリー投稿、ユーザー参加型キャンペーンなどを通じて、日常の中にブランドを自然に溶け込ませることが可能です。

コメント欄やDMなどを活用すれば、生活者のリアルな声を直接拾うことができ、商品開発やマーケティング戦略にも生かすことができます。
一方的な発信にとどまらず、双方向コミュニケーションを通じた「信頼関係構築」ができる点は、他の媒体にはないInstagramならではの強みです。

オウンドメディアや他SNSと連動することで、単発施策にとどまらず、企業資産としての「ブランドコミュニティ形成」にもつなげることができます。

これからの食品マーケティングにおいては、単に「売るため」だけではなく、「選ばれ続けるブランド」になるための戦略的SNS活用が欠かせません。
その中心チャネルの一つとして、Instagramを最大限に活用していく視点が重要です。

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