【2023年10月の主要SNSニュースまとめ】
2024/01/09
今月もラボ編集部より最新ニュースと解説をお届けします!
本記事は企業のSNSマーケティングを包括的に支援をしているガイアックスが解説しています。運用実績10年以上、大手企業を中心に累計1,000社以上の運用実績があります。
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■目次
1. X(Twitter)
有料化テスト開始 新規登録&投稿するなら年1ドル「Not A Bot」 一部地域で
米国時間10月17日、米X(旧Twitter)は、投稿可能な新規アカウントに対して少額課金するプログラム「Not A Bot」のテストを、ニュージーランドとフィリピンで開始しました。
両国で作成された新規アカウントはまず、電話番号認証が必要です。他ユーザーのアカウントをフォローしたり、投稿を読むだけなら無料でアカウントを利用できますが、投稿やリポスト、返信などを行う場合は、現地通貨で年額1ドル相当の支払いが必要です。
Botの乱立を防ぐためという名目で、アカウント新設の有料化テストが行われています。現在はユーザー数の少ない地域での限定的なテストです。
Botをなくすという目的も嘘ではないのでしょうが、ささやかれているのは、実際には決済手段とXのアカウントを紐づけるためのテストだという説です。1ドルでも払ってもらえれば、クレジットカードやPayPalの情報と連携できます。そうすると、マスク氏が意図する万能アプリXの実現に近づくわけです。
参考:
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2310/18/news099.html
2. TikTok
インタラクティブに商品情報を提供するTikTok広告の拡張機能「Display Card」の効果を高めるクリエイティブのポイントを初公開
日本時間10月6日、TikTok for Businessは、Display Cardの効果的な利用法や獲得効率を高めるクリエイティブのポイントをまとめた「TikTokインタラクティブアドオン“ディスプレイカード” Playbook」を公開しました。
2023年1月1日~7月29日の日本におけるDisplay Cardを利用したTikTok広告分析の結果をもとにまとめられたものです。
Display Cardは拡張機能の一つで、クリックやコンバージョンの促進などのローワーファネルを目標とする場合に有効な機能です。
縦型動画の市場をけん引するリーダーとして、一強と言っていいTikTokですが、今回のリリースは他プラットフォームで使える重要な示唆をいくつも含んでいます。
例えば、訴求ポイントを伝えるテキストは20文字以下と、21文字以上だと20文字以下の方がCTRが高いなどです。もともとSNS界隈では30文字以下がよいということが言われていましたが、定量的にそれ以下の方がよいということが示されました。
また、背景透過デザインの方が、そうでないものよりも反応がよいなど、通常の投稿にも参考になるデータが示されています。
参考:
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000154.000046801&g=prt
https://tiktok-for-business.co.jp/download/display-card-playbook/
Tiktok、広告・EC以外の収入源を模索 サブスクサービスをテスト中
日本時間10月17日、TikTokが広告なしのサブスクリプション・サービスをテストしていることが明らかになりました。月額4.99ドル(約750円)で広告なしのショート動画が楽しめるそうです。
米メディアの取材で、米国以外の英語圏の単一市場でテストしていると認め、「小規模なテストで、サービスを必ずリリースするという意味ではない」と説明しています。
サブスクサービスのテスト導入は、新たな収入源を確保するための試みだとみられています。
TikTokはYouTube Premiumの成功を受けて広告を表示しないプランを検討しています。広告収益に頼るビジネスモデルからの脱却は、すべてのプラットフォームの夢でもあります。
TikTokのヘビーユーザーは課金するようになるでしょうが、広告を見るユーザーがいなくなるえわけでもないでしょう。また、TikTokはYouTubeと使用している層が違うため、必ずしもこのモデルが定着するとは限りません。
特に日本は若年層の利用が多いこともあり、もし普及するとしても、まだ先のこととなるでしょう。
3. YouTube
“広告ブロック対策”日本でも本格化 海外に続き「3ストライク制」導入で”規約違反“示唆
日本時間10月20日、YouTubeにおける“広告ブロッカー”の利用をめぐり、直近での「広告を見るよう促すメッセージが表示される」との報告が、日本国内の利用者の間で急増していることが明らかになりました。
広告ブロッカーの利用に関して、3回無視すると視聴できなくなるという「3ストライク制」や一定時間操作を禁止される「タイマー制」での規制の取り組みが、8月後半から日本国内でも始まり、今回10月初頭でそれらの適用範囲が拡大されたのか、より多くの利用者の間で話題になりました。
YouTubeは有料で広告表示を無効にするプランが用意されていますが、そちらを使用せず、無料のアプリやChromeの拡張機能などで広告をブロックして、連続的に動画を視聴する行為が横行しています。
技術的にアドブロッカーに対応するのはコストがかかりますが、それが無視できない規模になってきた、あるいは今後そうなることが予測されるための措置でしょう。
企業にとっては、広告が視聴される機会が増える、入札の価格が低下するなどの面でメリットのあるニュースと言えます。
参考:
https://news.yahoo.co.jp/articles/578c1920d68e9a3f90eb453107d5cfbb6e6d8282
4. Instagram
「インスタが有料、月額2500円」の可能性 メタがEUで課金版を検討
米国時間10月3日、米Metaが、欧州ユーザーを対象に検討している有料版サービスで、FacebookとInstagramの広告なしバージョンを利用するための月額費用を最大17ドル(約2500円)にする可能性があると、複数メディアが報じました。
欧州連合(EU)の新たな規制を回避するために、ユーザーからターゲティング広告の配信についての同意を得る、もしくは、広告なしバージョンを有料で提供するプランを検討しているとのことです。
これは欧州対策ではあるものの、広告中心の収益モデルから脱したいのは、当然Instagramも同じです。
X Premiumよりも効果なのは、欧州を想定していること、広告を完全にオフにできることのふたつの要素によるものでしょう。ただし、この価格感を受け入れるのは、それなりに所得があって、Instagramをヘビーに使っているユーザーであるとも言えます。
日本で同じサービスが普及するとは考えられませんが、普及するとしたら、X Premiumのような新機能が使える特典や認証機能が重視されるでしょう。
参考:
https://forbesjapan.com/articles/detail/66448
プライバシー機能拡大、収集される個人データの管理が可能に
米国時間10月17日、Metaは、Instagramユーザーの権限を拡大し、アプリが他のアプリやウェブサイトを追跡する機能をオフにできるようにし、どの企業が自分のデータを収集しているかを確認・管理できるようにしたと発表しました。
ユーザーは、データを取得する企業を確認して特定の企業をアカウントから切断したり、収集されたデータを完全に消去したりすることが可能になりました。この機能はInstagram内のMetaの「アカウントセンター」に追加されています。
Xが生体情報や学歴、職歴などを大量にとれる準備を進める中、Metaは逆の動きを見せています。
欧州対策でもあるでしょうが、Metaは、生成AIの画像に対し、AIのラベルを貼ることを検討するなど、現状のテクノロジーの暴走にあらがおうという姿勢を見せているところが目立ってきており、おそらくその姿勢は、先進各国の多くのユーザーの支持を集めることとなるでしょう。
別の視方をすると、これらはInstagramのコアの価値である、ユーザーに最適のコンテンツをおすすめするアルゴリズムに自信を持っている証拠とも言えるでしょう。Instagramは自身のアプリ上のユーザーの行動分析だけで十分な情報を得られるということです。
参考:
https://forbesjapan.com/articles/detail/66753
5. Threads
Instagramアカウントを消さずに削除することが可能に
日本時間10月3日、Threads(スレッズ)の新しい機能として、Instagramアカウントを消さずにThreadsアカウントを削除する機能が提供されることが明らかになりました。
現在は、Instagramのアカウントとの紐付けが必要で、Threadsのプロフィールを完全に削除したい場合、連携したInstagramのアカウントも削除しなくてはなりませんでした。
Meta社の製品担当CPOミシェル・プロッティ氏が9月のカンファレンスで、早ければ12月提供できるよう作業中であると述べていたそうです。
Threadsの久しぶりの新機能の発表です。従来より問題になっていた、Threadsを消すにはInstagramアカウントも同時に消さなければいけないという問題の解消です。久しぶりの発表にしては拍子抜け感はありますが、これで試しにThreadsをやってみるという企業も助かることでしょう。
ウェブ版は始まりましたが、現在までに実装されるとされていた検索機能などはまだ使えませんし、Threadsにはやや勢いがないことも事実です。とは言え、欧米圏でのXの落ち込みという状況はまだ続いており、Threadsが攻め込むチャンスの次期はまだしばらく続くと言えます。
6. Pinterest
「全保護者を敵にまわす」防犯ブザー会社がSNSの“不適切投稿”を謝罪「著しく配慮と自覚を欠く極めて不適切な行為」
日本時間10月2日、株式会社アーテックは、SNSでの不適切な投稿について同社公式サイトで謝罪しました。
公式Xや公式YouTubeチャンネルで、あるVTuberのミュージックビデオ内に自社製品の防犯ブザーが登場しているとの投稿をしていましたが、この投稿で言及された楽曲は、ロリータ・コンプレックスをテーマにしたものでした。子どもを犯罪から守るための防犯ブザーを取り扱う会社が、この楽曲を肯定的とも取れる形で言及することに対し、“不適切”であるとの批判が殺到していました。
これはおそらく、SNS担当者の無知によるもので、悪気はなかったのだと思われます。
しかし、ネット上で集合知にさらされると、そのような無知さは一気にめくられます。しかも、ネット民は、特にXのユーザーは優しくないのです。
数年前に萌え絵をプロモーションに使用し大炎上したタイツメーカーがありましたが、アニメや政治、ジェンダーなど、文脈が複雑に入り組んだ問題に中途半端な知識で手を出すと痛い目をみることがあります。こちらは無意識バイアスというよりも、単に無知が招いた結果で、最近ではバーベンハイム問題にも同様の構図がみられます。
参考:
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/jisin/nation/jisin-https_jisin.jp_p_2246800
7. 動向データ
SNS世代の7割が、「好みのインフルエンサー」よりも「メディア型インフルエンサー」の信頼度が高いと回答 93.0%が購入した商品・サービスの満足しているという結果に
日本時間10月11日、株式会社オリゾは、インフルエンサーの投稿をみて商品・サービスを購入したことがあるSNS世代(18歳〜35歳)111名を対象に実施したインフルエンサーの投稿に関する意識調査の結果を発表しました。
インフルエンサーを通してこだわりを持つモノを購入する場合、「メディア型インフルエンサーを信頼」が72.0%、「好みのインフルエンサーを信頼」が24.3%で、メディア型インフルエンサーの信頼度が高いという結果になりました。
メディア型インフルエンサーとは、自分のキャラクターよりも、文字や適切な画像をまとめて、商品やサービス、スキルやTIPSなどの情報を伝えることに特化したインフルエンサーのことです。
インフルエンサーというと、タレントのようなイメージもあります(この調査では「好みのインフルエンサーと表現されています」)が、実際には情報をまとめて出すインフルエンサーも増えており、実際の購買に与える影響はメディア型の方が高いという結果で、理由も「専門性の高さ」「ためになる」「信頼性の高さ」などと解釈できるものが多く、ユーザーもかなり実利的に情報を集めていることがうかがえます。
参考:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000110996.html
https://orizo.co.jp/report/231011/