X(Twitter)・Instagramで注目されるハッシュタグ、Facebookでの使い方を考える。
2016/11/09
2013年6月に始まった、Facebookでのハッシュタグ機能ですが、みなさんは上手く使えているでしょうか?X(Twitter)やInstagramでは盛んに使われているようですが、ことFacebookにおいてはあまり実例が見当たらないのが正直なところ。
今回は、Facebookにおけるハッシュタグの基本的な使い方から、メリット・デメリット、ユーザーが想起しやすいハッシュタグなどについて調査を行ないました。
使うSNSによってハッシュタグの使い方は大きく変わります。X(Twitter)やInstagramでうまくいったことがFacebookでうまくいくとは限らないので、FacebookというSNSに適したハッシュタグの使い方を模索してみました。
※更新履歴
2017年5月11日:最新情報をもとに加筆修正しました。
- ■目次
- そもそも、ハッシュタグって何?
- 良いハッシュタグ・悪いハッシュタグ
- Facebookにおけるハッシュタグの使い分けと併用
- Instagramにおけるハッシュタグの活用
- X(Twitter)におけるハッシュタグの活用
- Facebookでハッシュタグを付けて投稿する手順
- SNS間をつなぐハッシュタグの未来
- おまけ:ハッシュタグの歴史
1. そもそも、ハッシュタグって何?
まずはカンタンにハッシュタグについて解説しておきます。
ハッシュタグをクリックすると、同じハッシュタグをつけて投稿された記事をまとめて閲覧することができます。Facebookのタイムラインは基本的に時系列で流れていく上に、コンテンツを検索する機能が無いため、一度見失ってしまったらその記事を探しだすのに難儀しますよね(ちなみに検索窓からハッシュタグ自体の検索は可能です)。
ハッシュタグは過去の投稿であっても横断的に引っ張ってくるので、特定の話題やイベント・ブランド等を追いかけるのに使ったり、自分で発信した記事をグルーピングするのにも使えます。
だからといって大量にハッシュタグをつけるとゴチャゴチャしてうるさくなりますし、「見て見て!」アピールをしているようで宣伝色が強くなり、敬遠される恐れもあります。
それでは、Facebookにおいてハッシュタグをどう使うのがいいのでしょうか?
2. 良いハッシュタグ・悪いハッシュタグ
ハッシュタグをつけるネーミングには3パターン考えられます。ひとつは広く一般的に使われる固有名詞で、ふたつめは特有のブランド・サービス・商品などの名前、最後はトレンドです。例えば今の季節でしたら#桜開花情報などが適しているでしょう。
ただしあまりワードが長くなると、少しのワード選択の違いで別のハッシュタグ扱いになってしまい、検索に引っかからなくなってしまうことも考えられます。桜開花情報であれば、#桜 #開花 #花見などと分けるのも手ですね。
何を選ぶにしろメリット・デメリットがあり、使い分けや併用することで効果を発揮すると考えられますので、ひとつずつ解説していきたいと思います。
一般的な名詞・固有名詞
誰でも知っているありふれた言葉をハッシュタグに使うメリットは、誰でも知っているがゆえに検索されやすいことでしょう。例えば#料理、#旅行、#ドライブ、#ドラマなどが該当します。
検索されやすいとはいえ、そもそもの母数が大きすぎるために多くの投稿が引っかかり、結果埋もれてしまって見つけられない…という恐れは十分にありますね。しかも前述のとおり検索結果は時系列で並ぶわけではなく、Facebook特有のアルゴリズムで抽出されるため、いいね!をしてくれているユーザーの投稿が上位にあがってきやすいのではと想定されます。
ざっくりとした範囲で、大きく緩くファン予備軍を囲うのに向いているのではないでしょうか。
特定のブランド・サービス・商品名
例えば「#コーヒー」ではなく「#starbucks」、「#ニュース」ではなく「#nhk24」、「#ゲーム」ではなく「#パズドラ」と設定することで、よりコアなターゲットを抽出することが可能です。集まる情報もピンポイントですし、ズレもほとんど無いでしょう。
デメリットは、明確にそのブランドやサービスを知らない人は検索のしようがないためリーチすることができず、ファン層を拡大するのには向いていないということでしょうか。逆にいえば、クーポンやキャンペーンを打つのには適していますね。
トレンド
検索においてトレンドを抑えるのは常套手段です。季節のイベントや恒例行事、時事ネタなどは当然ながら検索されやすいものですし、ハッシュタグとして設定しているFacebookページもあるでしょう。ただ、濫用すればいいというわけでなくそのハッシュタグが投稿と合っていて、しかもブランドイメージを壊すようなものではないか気をつけましょう。
全国的なイベント(クリスマスやハロウィンなど)は投稿自体のネタが被ることも多いでしょうし、下手にハッシュタグで一覧されてしまうとネタが悪かったりした際、イメージダウンに結びつく可能性もあります。
最近はFacebookを友だちの近況把握ではなく、ニュースキュレーションアプリのように使っている方も多いのではないでしょうか。最新ニュースはFacebookでと考えているユーザーは、ハッシュタグを使って情報収集しているかもしれませんし、そういったユーザーの検索に引っかかるようなハッシュタグを設定できるといいかもしれませんね。
3. Facebookにおけるハッシュタグの使い分けと併用
この3つはどれも使い道があり、扱っているサービスや商品によって使い分ける必要があります。また、ハッシュタグをわざわざ設定するからには、ユーザーに何かしらのメリットを提示しなければなりません。ただでさえFacebookでは広告っぽい宣伝色の強い投稿は嫌われる傾向がありますし、いかにも「押して押して!」感があると引いてしまいます。
その点Facebookでは、「シンプルでわかりやすいものを、少しだけ」つけるのが好まれるようです。
Facebookでは宣伝っぽく見える投稿は極端に嫌われてしまうため、あまりにも「押して押して!」PRが酷いと、逆効果になってしまうため、利用のし過ぎには気をつけてください。
明確な正解があるわけではありませんが、例えば以下のようなハッシュタグであれば、ユーザーにメリットを提示したままクリックさせることが可能ではないでしょうか?
リンク先を想像しやすく、クリックする抵抗の少ないハッシュタグ
#桜開花情報
#花火大会
#バレンタインチョコ
#ハロウィンコスプレ
季節ごとのイベントをイメージしたハッシュタグは、比較的クリックするのに抵抗が少ないワードであると考えられます。それはリンク先を想像しやすいということもありますし、Facebookユーザーは実生活で行なうイベントの写真をシェアすることに抵抗が少ないと考えられるためです。
X(Twitter)、Instagram、Facebookはそれぞれ利用しているユーザーのクラスタ(集団の層)が違うため、適したハッシュタグも違うと思った方がいいですね。
明確にメリットがあるとわかるハッシュタグ
#二日酔い対策
#ニキビケア
#ヘアアレンジ解説
#地震速報
いわゆるコンプレックス系のハッシュタグは、クリックして得られるメリットがわかりやすいため導入する意義はあるかと思います。Facebookの投稿にはいいね!をしにくいコンプレックス系コンテンツですが、ハッシュタグをクリックしてもらうのは比較的敷居が低いと考えられます。
ただ、どうしてもPR感が出てしまうので、似たハッシュタグをずらずらと並べると鬱陶しく見えがちです。そこは気をつけたほうがいいですね。ユーザーに明確なメリットを提示できるハッシュタグであれば、利用を検討してみてはいかがでしょうか?
具体的な地名・場所を混じえた、想起しやすいハッシュタグ
#ハワイ便予約状況
#◯◯試写会情報
#USJフォトレポート
ニッチにユーザーを取り込みたいのであれば、具体的な地名や場所の名前をハッシュタグに入れるのも面白いかもしれません。
多くのクリック数は見込めないかもしれませんが、明らかに興味があったり需要を感じてクリックするでしょうから、エンゲージメントを狙うのであれば検討の余地はあるでしょう。リアルな店舗や現場のある仕事であれば、より効果的に使えそうですね。
4. Instagramにおけるハッシュタグの活用
Facebookで言うシェア、X(Twitter)で言うリツイートのような拡散機能が無いInstagram。その分、アカウントや投稿を多くの人に見つけてもらうためのハッシュタグ活用が盛んで、独自のハッシュタグ文化も見られます。
ハッシュタグの使い方、付け方のポイント
具体的な用途としてもっとも重要なのが「投稿やアカウントを発見してもらう」機能です。ほかにも「社名や製品名が入った独自のハッシュタグでコミュニティを形成する」ため、「特定のテーマでアカウント内のコンテンツをソートする」ためなど、様々な用途でハッシュタグが活用されています。
Instagramの場合、付けすぎ(上限30個)には気を付けつつ、基本的にハッシュタグはたくさんつけたほうがいいです。こうすることでユーザーとのタッチポイントは増加します。アカウントおよび個別のコンテンツとの相性がいい、整合性が高いハッシュタグであれば、多くてマイナスになることはあまりありません。
また、投稿数が多いハッシュタグとそうでないハッシュタグをバランスよく組み合わせることで、投稿が埋もれる可能性を低くできます。
多くの人が検索している人気タグや購買の意思決定に影響を与えるハッシュタグを織り交ぜるという視点もあるとより良いでしょう。
Instagramで人気のあるハッシュタグとは?
Instagramで人気のハッシュタグのよくあるパターンとして、あらゆる単語の頭に「insta」をつける「#Insta◯◯」のパターン、「#◯◯な人と繋がりたい」というような似た人を見つけてフォローし合う、フォロワー募集的な効果のあるパターン、そして「#◯◯部」のような共通の興味関心を持った人たちのコミュニティのような活用パターンがあります。
また購買の意思決定に使われる傾向が強いハッシュタグとされているのは、ファッション、コーディネートやコスメなど見た目に関する文言が使われているハッシュタグ(#オフショル、#ママコーデなど)や、趣味や生活の中での出来事に関するハッシュタグ(#女子旅、#宅飲みなど)などがあります。
アカウントのテーマを親和性の高いものがあればぜひ使ってみてください。
関連記事:Instagram「ハッシュタグ」のすべて-ハッシュタグを制する者がInstagramを制す!
5. X(Twitter)におけるハッシュタグの活用
X(Twitter)におけるハッシュタグは、情報へのラベル付けよりも「ネタ的」な使われ方が多いです。X(Twitter)ユーザーの特性にあう、大喜利のネタに使ってもらえるようなハッシュタグを使うことで多くのユーザーを巻き込むことができることもあります。企業アカウントがそういったハッシュタグに便乗するパターンも見られます。
ハッシュタグの使い方、付け方のポイント
効果的なハッシュタグのポイントとして、「ありふれた単語ではなく、長い文章での構成」、「ハッシュタグ自体をユーザーが盛り上がるような大喜利のお題として使用」、「アンダーグラウンドなネタやアニメ・マンガ・ゲームなどのサブカルチャー系のツイートでの使用」などが挙げられます。
X(Twitter)の文化や文脈を理解できていないと有効に使うのが難しいかもしれないので、初心者は人気ユーザーのツイートを見ながら慣れていったほうがいいかもしれません。
より詳しくトレンドを追いたいのであれば、「ついっぷるトレンド」・「ハッシュタグランド」・「hashtags jp」といったサードパーティによるトレンド検索サービスが多数あります。人気のハッシュタグやそのとき流行っているハッシュタグを調べることもできます。
関連記事:【事例付き】企業のX(Twitter)(ツイッター)ハッシュタグはこう使う!活用方法6種類を徹底解説
6. Facebookでハッシュタグをつけて投稿する手順
ハッシュタグをつけてFacebookに投稿する場合、全角か半角のシャープ「#または#」をつけます。
ブルーのハイライトで表示されると、ハッシュタグとして認識されています。今回試したところでは、音楽記号のシャープはハッシュタグとして認識しませんでした。
ハッシュタグを投稿するとき、シャープの前とハッシュタグの文字の終わりに全角か半角のスペースを加えないと、ハッシュタグとして認識されません。
視覚的な快適性や入力のしやすさを考慮すると、ハッシュタグは投稿の最後に見やすい形でつけるのがよいかもしれません。
Facebookでハッシュタグ検索をする手順
ハッシュタグは、検索ウィンドウにキーワードを入力して検索します。
全角シャープや半角シャープをつけてキーワードを入力すれば検索できます。
■全角シャープ
■半角シャープ
7. SNS間をつなぐハッシュタグの未来
Facebook、X(Twitter)、Instagram、Tumblr、Vimeo、Flickr、Pinterestと、もはやSNSでハッシュタグの使えないものはないと言えるほど、当たり前の存在となったハッシュタグ。その中でもハッシュタグを使うことが前提につくられているInstagramの躍進は、今後ハッシュタグという文化が根付く予兆のようにも感じられますね。
みなさんご存知の通りInstagramはFacebookの傘下にあるサービスですから、今後何かしら連携していくことも大いに考えられます。そんな中、1つのハッシュタグを各SNSで追うのは面倒であることから、SNSを横断してハッシュタグ検索ができるWebサービスも生まれています。
例えばこの「Hshtags」というサービスでは、Facebook、X(Twitter)、Instagram、Tumblr、Vimeo、Flickrの6種類のSNSを横断してハッシュタグ検索が可能です。
ログインせずとも利用は可能ですが、無料登録してログインすれば、よく使うハッシュタグをリスト登録しておくことができたり、リアルタイムで情報更新されるようになり非常に便利です。
ただ、日本語のハッシュタグには対応していないので、今後日本語に対応したハッシュタグ横断サービスが生まれてくれば、なおのことSNSにおけるハッシュタグ文化が根付いていくのではないでしょうか。
Facebookでハッシュタグが使えるようになってもうすぐ2年。そろそろFacebookでもハッシュタグの利用は当たり前になる!・・・InstagramやSNS横断ハッシュタグ検索サービスの躍進を見ていると、あながち夢では終わらないかもしれませんね。
8. おまけ:ハッシュタグの歴史
ハッシュタグに関して、ちょっとした小咄をひとつ。
ハッシュタグが初めて使われたのはX(Twitter)であることは有名です。それでは、使い出したのは誰だったのでしょうか?
「#」記号の歴史。ハッシュタグ以前、それは電話のシャープだった
こちらの記事を参照させていただいたところ、ツイッターユーザーのChris Messinaさんが「BarCamp」というイベントについてツイートする際に、「#」を使いませんかと持ちかけたのが最初ではないかと言われているそうです。
how do you feel about using # (pound) for groups. As in #barcamp [msg]?
— Chris Messina ☠ (@chrismessina) 2007, 8月 23
「BarCamp」というイベント自体はめずらしい名前ですし間違えようもなさそうですが、これを「Bar」と「Camp」の間にスペースを入れてツイートしてしまうと、それぞれ別のありふれた単語として認識されてしまうため、一気に検索しづらくなってしまうんですね。
そこで生まれたのが、ハッシュタグだったのではないか、と言われているそうなんです。
次第に市民権を得ていったハッシュタグですが、前述のChris Messinaさんはスマートフォン以外の携帯電話からもハッシュタグを使えるようにしたいと考えました。どの携帯電話の物理キーにも、ふたつの記号が備わっています。
「*(アスタリスク)」と「#(シャープ)」です。
選ばれたのは「#」でしたが、このときの判断がもし違っていたら、ハッシュタグは「アスタリスクタグ」と呼ばれていたかもしれません!歴史を辿っていくと、意外なことが浮かび上がってくるものですね。
以上、『X(Twitter)・Instagramで注目されるハッシュタグ、Facebookでの使い方を考える。』でした。
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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部