SNS運用の効果測定を完全解説!X(Twitter)・Instagramなどの運用担当者必見

2024/01/09

最近では、SNSの企業公式アカウントを持っている企業が増加しており、今は開設していないくても今後アカウントを開設してSNS運用を始めたいという方も少なくないのではないでしょうか?

既にアカウント運用をしている方もこれから始めたいと思っている方も直面するのが、「SNS運用って意味あるの?」ということだと思います。

上司からそうツッコまれてSNS運用を開始できない、現状の運用効果が分からず予算取りに苦しんでいる、というのはよくあることだと思います。

そこで、この記事では、SNS運用の効果測定をどのように行えばよいのかを解説していきます。


 

本記事は企業のSNSマーケティングを包括的に支援をしているガイアックスが解説しています。運用実績10年以上、大手企業を中心に累計1,000社以上の運用実績があります。

SNS運用、SNSキャンペーンに興味のあるご担当者様は、ガイアックスにご相談ください。

 


【大前提】SNS運用の効果測定の前に!

そもそも、運用効果を測定しようとする前に、SNS運用の戦略を立てていて、適切なKGI・KPIを設定していることが何よりも重要です。

KGIは〇〇で、そのためのKPIが△△、だからこのように運用している。その上で、この運用でKPIを達成できているか、それがKGIにどの程度寄与しているのかを調べるために効果測定を行う。

このような順序で効果測定を行わないと何の意味もありません。各種エンゲージメント指標を眺めたり、アンケート調査を回してみたりしても、示唆を得られない数字が並ぶだけで、「それで結局どうなの?」となるのは当然です。

これを読んでギクっとした方はまずはSNS運用のKPIの設定から見直してみてください。

KPIの設定方法についてはこちらの記事で詳しく詳しく解説しています。

関連記事:

X(旧Twitter)運用のKPIどう設定する?SNS運用のプロが解説

Instagram運用のKPIどう設定する?SNS運用のプロが解説

SNS運用の効果測定の方法

最初に申し上げますが、SNS運用の効果測定は極めて難しいです。

特に、SNS運用のKGIをブランド認知向上や売上向上に置いている場合、SNS運用がそれらにどれだけ貢献しているかを測定するのは困難なことが多いです。

難しいということを前提に、方法論を考えると大きく2つの方法で運用効果を測定することができます。

消費者パネルでの定量アンケート調査

基本的に定量的な効果測定をするには消費者パネルを活用したアンケート調査を行います。

SNS運用で期待される役割は主に、比較検討段階のユーザーの好意度向上や既存顧客へのリピート促進です。

「SNSを使えば認知が増える」と考えている方は多いですが、基本的にオーガニックのSNS運用で有意に認知を拡大するのは難しいです。詳しい理由についてはこちらの記事にまとめているので、興味がある方は読んでみてください。

関連記事:X(旧Twitter)運用のKPIどう設定する?SNS運用のプロが解説

ですので、アンケート調査で効果があったか測定する対象は「比較検討」段階と「トライアル以後」のユーザーグループになります。

比較検討段階の効果測定

例えば、美容やアパレルなどのカテゴリの商材では、特にInstagramで検索し比較検討するというユーザーの行動があります。そのため、比較検討段階のユーザーがどの程度Instagramの情報を参考にしたかを聞くことで一定運用効果を測定できます。

アンケート内で「比較検討の際に参照した媒体、情報源」を聴取し、「SNS公式アカウント」が占める割合を測定しましょう。

SNS運用開始前と運用開始後で2点間でアンケート調査を実施し、SNS公式アカウントを参考にしたと回答した人の割合の差分を見ることで運用効果を評価する材料になります。

また、運用開始後も定期的に同内容のアンケート調査を実施することで、その割合がどのように推移するかを追うことで運用効果を測定できると考えられます。

トライアル以降の段階の効果測定

「ブランド・エクイティ」とよばれるブランドの資産がSNS運用によってどう動いたかを測定する、という思想に基づいてアンケートによる効果測定を行うのがおすすめです。

測定する項目は、SNSアカウントでターゲットにどのような影響を与えたいのかによって異なります。

以下が目的ごとの項目例です。

  • 機能的な優位性を伝えたい
    • →機能的なイメージ保有率のスコア
  • 好意を醸成したい
    • →NPI
    • →好意
    • →情緒的なイメージ
  • 販売促進したい
    • →購買頻度
具体的なアンケート項目の設計

アンケートでは、下記の2点と上記の項目を聞くことが必要になります。

①自社SNSアカウントを見たことあるか

②自社商品・サービスを購買・利用したことがあるか

このように設計することで、①②であると答えた人とないと答えた人で、測定項目の結果に差分が生じるかを分析することが可能です。

比較検討段階、トライアル以降の段階でのアンケート調査によって、一定SNSアカウント運用の効果を測定することはできますが、因果関係まで示すのはかなり難しいです。

アンケート調査の結果「SNSアカウント見たことがあるグループの方が見たことがないグループよりも自社商材への好意度や購買頻度が高い」ということが分かっても必ずしも=「SNSアカウント見たから、好意度や購買頻度が高くなった」ということにはなりません。

そもそも「自社商材への好意度や購買頻度が高い人が自社SNSアカウントを見たことがあった」だけの可能性は否めません。

ただ、少なくとも「自社商材への好意度や購買頻度が高い人」に自社SNSが露出しているということは言えるため、アプローチしたいターゲットにしっかりと情報が届いてることは確認できると考えられます。

このように、限界はありますが、定量アンケート調査を活用することで、SNS運用がどれくらい購買の比較検討時に参考にされたかや、ブランドエクイティの変動に貢献しているかを調査することは可能です。

次に2つ目の方法を紹介します。

口コミ数の推移や質的変化の分析

SNSが担う主な役割はターゲットとの接触頻度を増やし、好意度や印象を高めることです。

そして、ターゲットが自社の情報に触れるきっかけは公式アカウントの投稿だけではなく、ユーザーが自発的にする口コミもあります。口コミ数が増えれば増えるほど、ユーザーが自社の情報に触れる機会が増します。

そのため、SNSアカウントの運用の効果を測定するには、投稿のインプレッション数を見るだけでなく、どれだけ口コミ増加に貢献しているかも見るべきです。

SNS運用の開始前後や時系列で自社商材やブランドに関する口コミ数の推移を見ることで運用効果を一定程度測定することができます。

もちろん、SNS運用以外の施策や季節要因・経済要因などのマクロ環境も口コミ数には影響を与えるため一概にSNS運用の効果だと言えませんが、定量的に口コミがきちんと増加していっているかを見ることは大事です。

また、定量的な口コミ数の推移だけでなく、口コミ内容の質的変化まで分析できるとベターです。

自社公式アカウントの情報発信により、企業として伝えたいことが正しくターゲットに伝わっていけば、「こういう口コミが出てほしい」という口コミが増えていくことが期待できます。

どんな口コミが出ているか、口コミの内容がどのように変わっているかを見ることで、SNS運用などのブランディング施策により期待しているブランドイメージを構築できているかを評価できます。

SNS運用で売上は上がるのか?

ここまでSNS運用の効果測定の手法を紹介してきましたが、売上にどの程度貢献したかについての測定は一切紹介していません。元々の売上規模がよほど小さい場合は、打っている施策が少ないことなどが理由でSNS運用により売上が上がったとわかることはあると思います。TikTok売れと言われるような事例がそれに当てはまります。

TikTok売れについてはこちらの記事を読んでみてください。

関連記事:TikTok売れとは?成功事例10選

しかし、一定以上の規模になるとSNS以外にもテレビCM、Web広告、オウンドメディアなど他にも膨大なマーケティング施策を打っており、消費者が持つブランドイメージはそれらが複合的に合わさって形成されているため、SNS単体の施策がブランドイメージにどの程度の影響があったかを判断するのは難しいです。

ここで、ブランドイメージの話をしている理由は、競合が存在する商材であれば、消費者が何かを購買する際第一想起されるかや想起集合に入るかはその商材・ブランドへの好意度や印象の強さが大きく影響するからです。

消費者は普通複数のブランドを想起し、好意度・印象の強さなどに基づいて一定の比率でランダムに購買行動をします。

例えば、私が何か炭酸飲料を購入しようとする際、コカ・コーラ、三ツ矢サイダー、麒麟レモンなどが想起され、購入する確率は名前を上げた順に高いです。この購入する確率は私が持っている各ブランドへの好意度や印象に依存します。

よほどのファンはない限りコカ・コーラしか飲まないという人はおらず、たまには他の炭酸飲料も飲むはずです。その際選択される確率というのはその人の中にある各炭酸飲料へのイメージで決まります。

だからこそ、消費者が持つブランドイメージを向上させ、好意度や印象を上げることが、購買時に選択される確率を高め、売上UPに貢献することなります。

しかし、このブランドイメージはSNSだけでなく他の施策によっても変動するため、SNS運用単体がどれだけ寄与しているかを測るのが難しいのです。

まとめ

今回はSNSの効果測定の方法を解説しました。SNS運用で何を目的とし、どのような戦略の下で運用しているかによって効果測定の仕方は異なります。

自社のSNS運用が目的としていることから、何を分析するべきかを考え今回紹介した方法で評価してみると示唆が生まれるかもしれません。

当社では、専門のリサーチチームが存在し、これまでSNS運用を支援している企業様のアカウントの効果測定を数多く行ってきました。SNS運用の効果測定についてお悩みの方はぜひお気軽にご相談してください。アカウントの運用目的や運用状況に応じて最適な調査手法をご提案させていただきます。

SNS運用の効果測定なら、ガイアックスにお任せください!

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