PRなのに商品は写さなくてもよい? 食料・飲料業界のInstagram活用事例9選
2021/10/31
食料・飲料業界はいかにしてInstagramを活用しているのでしょうか。8つの事例をもとに調査・考察していきます。
※編集部注:
2021年10月:事例を更新・追加しました。
2017年5月:最新情報をもとに事例を追記しました。
■目次
- Suntory Whisky
- ハーゲンダッツ
- ヤマサ醤油
- GODIVA
- チキンラーメン
- ゼスプリキウイ
- Kiri
- チュッパチャプス
- スミノフ
- まとめ
1. Suntory Whisky
洋酒、ビール、清涼飲料水などさまざまな飲料を製造・販売するサントリー。その中でもウイスキーを扱っているSuntory Whiskyのアカウントです。投稿頻度は2~3日に1回、フォロワー数は約9.4万人です。
四季折々の日本らしい風景に溶け込むウイスキーの写真を英語で投稿しており、全体的に落ち着いたトーンで洗練された雰囲気です。
また、ストーリーズハイライトにウイスキーを風呂敷で包む方法を紹介する動画を追加するなど、日本文化と製品を上手に掛け合わせています。
投稿のポイント
https://www.instagram.com/p/CHYtQyaLlZSb-_uYPjniCzBgvGn_y_kyrWT3-00/
Suntory Whiskyの投稿は、日本文化が感じられるものとウイスキーを組み合わせた写真です。投稿には、海外からポジティブなコメントがたくさんついており、フォトジェニックなコンテンツ(日本の原風景×ウイスキー)がウイスキー好きな海外の方というターゲット層に響いていることが分かります。また製品の産地でもある、日本の渋みを表現している点もポイントです。
2. ハーゲンダッツ
投稿のポイント
ハーゲンダッツジャパンは、自社製品を使った簡単なアレンジレシピを紹介しています。
上記はメロンパンにアイスクリームをはさんだレシピですが、他にも季節に合わせたさまざまなレシピをおしゃれに投稿しています。
動画投稿も活用しており、ユーザーが思わず食べたくなるようなシズル感満載の動画になっています。
3. ヤマサ醤油
1645年の創業以来、醤油をベースに幅広い商品を提供しているヤマサ醤油株式会社のアカウントです。基本的に毎日投稿しており、約1万人にフォローされています。
投稿内容は、自社商品を使った料理写真でキャプションにはレシピのURLも記載。季節に合わせた料理をほぼ毎日投稿しているので、日々の献立決めにも役立つでしょう。
投稿のポイント
商品の直接的なPRはキャプションで少し紹介する程度でほとんどなく、料理の写真のみが投稿されています。さまざまな料理の写真を投稿することで、ユーザーの購買意欲を間接的に高めていると考えられます。
また、投稿のキャプションにレシピのURLは記載しているものの、Instagramの仕様上そこから遷移することはできません。代わりにストーリーズハイライトからの導線を用意しているのも、ユーザーの利便性を高める小さな工夫といえます。
4. GODIVA
1926年に創業されたベルギーの高級チョコレートブランド「GODIVA」の日本公式Instagramアカウントです。ほぼ毎日投稿しており、フォロワーは約15.4万人です。
投稿内容は主に自社商品の紹介。カタログのように商品だけの写真を投稿するのではなく、商品が日常風景に溶け込んだ写真を投稿してユーザーにアピールしています。
投稿のポイント
GODIVAはIGTVの動画投稿で、シェフによるオリジナルレシピを紹介しています。
シェフが作る時のポイントを伝えながら実演されており、真似したくなるレシピ動画になっています。
またこの投稿ではありませんが、シェフが新商品のこだわりを紹介する動画なども掲載されています。
5. チキンラーメン
次に紹介するアカウントは、「すぐおいしい!すごくおいしい!」のキャッチフレーズでおなじみ、日清食品のチキンラーメンです。フォロワー数は約3.5万人で、投稿頻度は特に決まっていません。2日連続で投稿するときもあれば、10日ほど間隔があくときもあります。
投稿内容は、商品キャラクターであるひよこちゃんをメインにしたかわいい写真や動画です。ひよこちゃんのクイズや4コマ漫画を掲載したり、アレンジレシピなどを提案したりしています。
投稿のポイント
リアルタイム性の高いメディアであるSNSでは、季節やタイミングにあった投稿の活用がひとつのポイントになります。こちらは梅雨の時期に合わせた投稿クリエイティブで、商品とキャラクターを組み合わせた遊び心のある内容です。
この投稿は新商品を全面に出して紹介しているものの、ひよこちゃんのかわいさが際立って、宣伝感を感じさせません。キャラクターを活かすことで、自然に商品をアピールできている好例です。
6. ゼスプリキウイ
ニュージーランドに本社を構えるゼスプリのキウイフルーツ、ゼスプリキウイの公式アカウントです。1年間でフォロワー数が約10万人増加し、現在は約26.2万人がフォローしています。
投稿頻度は1日おきの時もあれば10日に1回程度の時もあり、決まっていないようです。
また、投稿数も0~18回とばらつきがあります。
おなじみのキャラクターと、キウイを使ったデザートがクリエイティブのメインです。グリッド(分割)投稿を活用しており、プロフィール画面をみたときに、横に並んだ3つの投稿に統一感があることがわかります。投稿がある日は1日に3回連続投稿し、並びがずれないようにされているようです。
また、ユーザーのゼスプリキウイを使った投稿をリグラムするなど、積極的にUGCも活用しています。
投稿のポイント
グリッド投稿を活用しつつ、キウイを使ったレシピを紹介しています。カラフルで見栄えもよく、インパクトがあります。
7. Kiri®
フランス生まれのクリームチーズ、Kiriのアカウントです。投稿頻度は1日~5日に1回で、約2.6万人のフォロワーを抱えています。
商品はクリームチーズしかありませんが、メインディッシュからデザートまで、商品を使ったバラエティに富むアイディアを投稿しています。
単一商品でも、工夫次第でさまざまな見せ方ができるのだと参考になるアカウントです。
投稿のポイント
こちらの投稿は、Kiriを使ったレシピの紹介です。
完成したスイーツのそばにさりげなく商品を映り込ませ、あまり宣伝感をにじませない工夫をしています。
8. チュッパチャプス
100種類以上のフレーバーを持つ棒付き飴、チュッパチャプスの公式アカウントです。投稿頻度は2~3日に1回程度で、約6,000人のフォロワーがいます。
投稿は商品イメージと同じくカラフルな画像で、10~20代の若い女性をターゲットとした投稿が並びます。チュッパチャプスの画像を載せつつ、ユーザーの恋愛相談や集中力の上げ方といった勉強法のTipsを載せています。
さらに、UGCを醸成しやすいよう、ユーザーに商品を小道具として活用したおすすめ撮影方法も紹介しています。
投稿のポイント
こちらの投稿のようにチュッパチャプスを効果的に使った、映える写真の撮り方を紹介しています。
さらに撮影方法のみならず、プレゼントキャンペーンとして「#チュッパチャプス」とハッシュタグを付けて投稿することをユーザーに促し、UGCを活用しようとしています。
9.スミノフ
世界90か国以上で飲まれているアルコール飲料スミノフ。基本的には金曜日に投稿を更新しており、そのほかは不定期更新。現在は約2,300人のフォロワーを抱えています。
投稿は、主にスミノフを飲んでほしい場面が伝わるような写真です。季節に合わせたカクテルレシピや、おすすめのおつまみなどを洗練された写真で紹介しています。
投稿のポイント
https://www.instagram.com/p/CP-YOrLD2CyS1eZY9cV7wOnpztzdieOaDH_aYQ0/
スミノフの投稿では、ターゲット層にうけそうなテイストのイラストも活用しています。
投稿には「#スミノフライデー」というオリジナルハッシュタグを記載。「#スミノフライデー」とは、スミノフの英語表記「SMIRNOFF」の「OFF」と、平日の仕事からOFFに切り替わる金曜日の夜を掛け合わせています。
商品を手にとってほしい場面とオリジナルハッシュタグを合わせ、ユーザーへ効果的に働きかけています。
10.まとめ
これらの事例から、食料・飲食業界のInstagram活用において参考になりそうなポイントを2つ紹介します。
- 直接商品をPRしない
飲食業界では単に商品を入れた投稿をするだけでなく、商品を使ったアレンジレシピを紹介することでその商品の多様性や利便性も紹介することができ一石二鳥です。 - 商品の世界観を表現する
ブランドの世界観が強い商品に関しては、その世界観を反映するような風景・画像だけの投稿でもユーザーはしっかりと理解してくれるでしょう。
ターゲットや商品によって具体的な表現は変わるものの、上記2つは基本的な考え方として理解しておきたい部分だと思います。Instagramアカウントを運用している、する予定だという方は、ぜひ意識してみてください。
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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部