TikTok、X(Twitter)、Instagramで見るべきインサイト指標は?計算方法まで徹底解説
2023/03/31
SNSを運用するにあたって、インサイトから投稿パフォーマンスやアカウントの状態を分析することは、SNS運用の効果を最大化させるために重要です。
今回は、老若男女を問わず国内で圧倒的なユーザー数を誇るX(Twitter)とInstagram、Z世代の若者を中心に最近では幅広い年齢層から支持されているTikTokの3つのSNSにおいて見るべきインサイト指標と、その計算方法をそれぞれ解説します。
これまであまり自社アカウントのインサイト分析ができていなかったSNS運用担当者の方は、ぜひこの記事を参考にインサイト分析に取り組んでみてください。
- ■目次
- インサイトとは?
- なぜ媒体によって見るべきインサイト指標が違うのか?
- X(Twitter)で見るべきインサイト指標と計算方法
- Instagramで見るべきインサイト指標と計算方法
- TikTokで見るべきインサイト指標と計算方法
- 最後に
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1. インサイトとは?
インサイトとは、基本的に各SNS媒体で提供されている、投稿がどれだけリーチしたかのパフォーマンスやどのくらいのエンゲージメントを獲得したかという数値を分析できるツールです。インサイトで見ることのできる数値やエンゲージメントの種類は媒体によって異なりますが、どの媒体でも投稿の結果が自動的に計測されて記録されています。
インサイトの数値から主要なインサイト指標を計算し分析することで、伸びた投稿と伸びなかった投稿、フォローに繋がった投稿とフォローに繋がらなかった投稿などの違いについて仮説を立て、投稿に反映させることが可能です。インサイト指標の分析、投稿の改善、投稿、インサイト指標の分析…のようにPDCAを回し、獲得できるリーチやフォロワーを最大化させることが、SNS運用成功の秘訣です。
2. なぜ媒体によって見るべきインサイト指標が違うのか?
運用しているSNS媒体によって、見るべきインサイト指標は異なります。
理由は2つあり、1つ目は、計測されている数値がSNS媒体によって異なるからです。つまり「見ることのできる数値や指標」が媒体によって違うからです。
2つ目に、SNS媒体によってアルゴリズムが異なり、投稿を伸ばすために意識するべきインサイト指標が変わるからです。なおアルゴリズムとは、SNSにおいてどの投稿を誰に表示するか、というルールのことです。
上記の2つの理由からSNS媒体によって「見ることのできる」指標と「見るべき」指標が異なります。
それでは次に各媒体で見るべきインサイト指標とその計算方法について解説します。
アルゴリズムに関してはこちらの記事に詳しくまとめていますのでご覧ください。
関連記事:
SNSのアルゴリズム徹底解説!誰も教えてくれない運用方法の秘訣とは?
3. X(Twitter)で見るべきインサイト指標と計算方法
X(Twitter)で見るべきインサイト指標は次の5つです。
- インプレッション率
- エンゲージメント率
- 平均インプレッション数・率(月間)
- 平均エンゲージメント数・率(月間)
- 補足:リンククリック数
Ⅰ.インプレッション率
計算方法 投稿のインプレッション数÷フォロワー数 |
上の写真の例だと、フォロワー数を1,000とすると、404÷1,000=40.4%となります。
フォロワーのうち何%にその投稿がインプレッションされたかという指標になります。
最近のアルゴリズムではフォロワー全員に投稿がインプレッションされることはなく、反対に非フォロワーであっても投稿がインプレッションされることがあるため、正確にはフォロワーのうち何人に露出したかという数値ではないです。
しかし、既存のフォロワーに対してどれくらいインプレッションしているかの目安を見る際に活用できる指標です。この数値が高いと、フォロワーの目を引くような見出しやクリエイティブを制作できていると考えられ、逆に低い場合には既存フォロワーの目を引くような見出しやクリエイティブを制作できていない可能性があります。
また、アカウントとの親和性が高くなかったり、懸賞アカウントなど、マーケティング成果に繋がりにくいフォロワーが多い可能性があります。
◆インプレッション率の目安 (※)
標準:フォロワー数の30%以上 高水準:フォロワー数の50%以上
※フォロワー数や業種業界により変動するため、あくまで参考としてお考えください。
Ⅱ.エンゲージメント率
計算方法 エンゲージメント数÷インプレッション数 |
写真の例だと、34÷404=約8.4%となります。
投稿がインプレッションしたユーザーのうち何%のユーザーが投稿にエンゲージメントしたかという指標です。この指標が高いと、基本的にインプレッション数も高くなります。
しかし、X(Twitter)ではエンゲージメントの初速が重視されるため、長い時間をかけてエンゲージメントを獲得した投稿に関しては、エンゲージメントが高くてもインプレッションが伸びないという場合があります。
◆エンゲージメント率の目安 (※)
標準:2.5~3% 高水準:4%以上
※フォロワー数や業種業界により変動するため、あくまで参考としてお考えください。
Ⅲ.平均インプレッション数・率(月間)
計算方法 ①平均インプレッション数=月間の合計インプレッション数÷月間投稿本数 ②平均インプレッション率=合計インプレッション数÷(月間投稿本数×月間フォロワー数) |
①の平均インプレッション数は投稿1つ当たりのインプレッション数です。これを見ることでその月にした投稿が平均してどの程度のインプレッションを稼げたのかを振り返ることができます。
②は①の平均インプレッション数がフォロワー数の規模からみてどの程度多いか少ないかを測る指標です。
Ⅳ.平均エンゲージメント数・率(月間)
計算方法 ①平均エンゲージメント数=月間の合計エンゲージメント数÷月間投稿本数 ②平均エンゲージメント率=合計エンゲージメント数÷(月間の合計総インプレッション数) |
①の平均エンゲージメント数は投稿1つ当たりのエンゲージメント数です。これを見ることでその月にした投稿が平均してどの程度のエンゲージメントを稼げたのかを振り返ることができます。
②は①の平均エンゲージメント数がフォロワー数の規模からみてどの程度多いか少ないかを測る指標です。
補足:リンククリック数
運用しているアカウントの目的にもよりますが、リンククリック数を重視することもあります。例えば、運用目的がX(Twitter)からWebサイトやLPへの送客の場合には、投稿からどの程度遷移したかを測ることは重要です。
しかし、現在のX(Twitter)のアルゴリズムでは外部遷移を誘発するリンク付きの投稿はインプレッション率が下がる傾向にあります。
上記のような目的でX(Twitter)を運用する場合には、投稿内である程度内容が完結するようにしてエンゲージメント率を高め、その上で追加情報を閲覧したいユーザーがリンク先に遷移するような投稿作りをすることが有効です。
4. Instagramで見るべきインサイト指標と計算方法
Instagramで見るべきインサイト指標は次の6つです。
- ホーム率
- 保存率
- ストーリーズ閲覧率
- プロフィールアクセス率
- フォロワー転換率
- 月間平均リーチ数
Ⅰ.ホーム率
計算方法 リーチしたアカウントのフォロワー数÷フォロワー数 |
写真の例だと、フォロワーを1,000人とすると、654÷1,000=65.4%となります。
ホーム率は、フォロワーのうち何人に投稿がリーチしているかという指標で、この指標が低いと投稿が発見タブに露出しにくいです。
フォロワーのフィードに投稿が表示されるためには、投稿内容がフォロワーの興味関心に合っていることと、フォロワーとInstagramで交流を持っていることの2つが重要です。
Ⅱ.保存率
計算方法 保存数÷リーチ数 |
写真の例だと、1,367÷124,579=約1.1%です。
Instagramのアルゴリズムでは、エンゲージメントの中でも特に保存が重視されています。これは、保存した投稿を見返すために再度ユーザーがInstagramを訪れる機会を創出しており、ユーザーのInstagramでの滞在時間増加に貢献するからです。
この保存率が高いと投稿が発見タブに露出しやすく、保存率が低いと露出しにくいです。そのため、投稿を発見タブに露出させ拡散させるには、保存するメリットのある投稿内容にする、かつユーザーに保存を促すことが重要です。
Ⅲ.ストーリーズ閲覧率
計算方法 リーチしたアカウント数÷フォロワー |
フォロワーを1,000人だとすると、上の写真の例では、286÷1,000=28.6%になります。
厳密には、リーチした”フォロワー数”÷フォロワー数の方が正確ですが、ストーリーズの閲覧者はほとんどがフォロワーのためそこまで気にしなくても大きな問題はないです。
ストーリーズの閲覧およびアンケート、質問、スタンプへの反応はInstagramにおいてアカウント同士の交流と判断されます。そのため、ホーム率で説明したように、ストーリーズで交流するアカウントが多いと、投稿がホームに表示されるアカウント数が増加し、ホーム率が向上します。結果として、投稿が発見タブに露出しやすくなります。
投稿があまり発見タブに露出せず悩んでいる方はまずストーリーズに取り組み、ストーリーズ閲覧率・ホーム率の向上に努めましょう。
Ⅳ.プロフィールアクセス率
計算方法 プロフィールのアクティビティ数÷リーチ数 |
上の写真の例だと、1,126÷124,579=約0.9%
投稿から何人のユーザーがプロフィールに流入しているかという指標です。この指標が高いと投稿からフォロワー増加に繋がる可能性が高いです。
一方で、この指標が低いと投稿からアカウントに興味を持ってもらえてない可能性が高いので、投稿内容を見直す必要があります。
Ⅴ.フォロワー転換率
計算方法 フォロー数÷プロフィールのアクティビティ |
上の写真の例だと、77÷1,126=約6.8%
投稿からプロフィールへアクセスしたユーザーのうち何人が新規でフォローしてくれたかという指標です。厳密には、既にフォロワーのユーザーもプロフィールにアクセスしているので、上の式で出る数値よりは高くなります。
この指標に関してはX(Twitter)と同じなので説明は省略します。
Ⅵ.月間平均リーチ数
計算方法 月間リーチ合計÷投稿数 |
上の例で、月間投稿数が10本だとすると、11.8万÷10=1.8万となります。
月次で投稿当たりの平均リーチを記録していくことで、リーチ数の伸びを分析しましょう。
実際には、1~5で説明したような個別投稿ごとの分析が非常に重要ですが、他の業務が忙しくインサイト分析に時間をなかなか使えないという運用担当者の方は、最低限月次での平均リーチは記録しておきましょう。
Instagramでのインサイトの見方や操作手順については下記の記事にまとめていますので、ご覧ください。
関連記事:
Instagramインサイト徹底解説! 使い方や導入手順を理解してフル活用しよう
5. TikTokで見るべきインサイト指標と計算方法
TikTokで見るべきインサイト指標は次の6つです。
- 合計再生時間
- 平均視聴時間
- 視聴維持率
- 動画フル視聴率
- シェア数
- フォロー数
Ⅰ.再生数と合計再生時間
再生数は再生された合計回数、合計再生時間は文字通り1つの動画投稿が再生された合計時間です。
上の写真の例だとそれぞれ、155k回、約325時間ですね。この指標は投稿の総合的な評価なので各投稿一定のタイミングで記録しておきましょう。
Ⅱ.平均視聴時間
平均視聴時間はこの動画1回当たりに視聴された平均時間です。
上の写真の例だと7.5秒です。
この動画は全体で約18秒の動画ですが、平均するとそのうち7.5秒しか再生されていないということです。
グラフで表示されている継続率はユーザーが離脱したポイントをまとめています。このグラフを見るとユーザーがどのポイントで多く離脱しているかが分かります。写真の例だと、冒頭3秒前後で多くのユーザーが離脱していることが読み取れます。
TikTokでは多くのユーザーがこの冒頭数秒で離脱するため、冒頭に興味や注意を引く内容を持ってきて、離脱を防ぐことが重要です。
Ⅲ.視聴維持率
計算方法 平均視聴時間÷動画時間 |
上の写真の例だと、7.5秒÷18秒=約42%です。
視聴維持率はTikTokのアルゴリズムにおいて、コンテンツの質を評価するために重視されている指標です。視聴維持率が低くなる要因としては、冒頭の引きが弱い、動画の内容がトレンドに合っていない、動画時間が内容に対して長すぎる、などが考えられます。
Ⅳ.動画フル視聴率
動画が最後まで視聴された割合のことです。写真の例では動画は全18秒再生された割合が7.99%だということを示しています。
この動画フル視聴率もTikTokのアルゴリズムでは視聴維持率と並んで重視されている指標です。
動画フル視聴率を上げるために意識することは、基本的には視聴維持率で考えることと同じです。動画フル視聴率が上がれば、基本的に視聴維持率は上がります。
Ⅴ.シェア数
上の写真の例では、49件です。
TikTokのアルゴリズムでは投稿がシェアされた数も重視されているポイントです。TikTokのUIでは投稿を直接他の媒体にシェアできるボタンが設置されており、インサイトでもシェア数が見られるようになっています。
思わずシェアしたくなるような内容の投稿作りを心がけましょう。
Ⅵ.フォロー数
上の写真では59人です。
投稿からフォローしてもらうためには投稿内容からアカウントに興味を持ってもらえるような投稿作りを意識することが大事です。
特にブランディング目的や認知拡大目的でTikTokを運用する場合には、投稿単体として消費されてしまっては意味がないので、投稿からアカウントへ、興味が移るような導線を考えましょう。
6. 最後に
SNS運用では投稿して終わりではなく、投稿のパフォーマンスをインサイトを活用して定期的に分析し、改善することが運用効果を最大化させるために重要です。
せっかくリソースとコストをかけて投稿を作成しても、パフォーマンスを分析せずに放置していては、投稿を改善し、ユーザーのニーズに沿った運用を行うことができません。
ガイアックスでは、日々運用するお客様のアカウントの施策やパフォーマンスからアルゴリズムの動向を察知し、アルゴリズムに沿ったインサイト指標をKPIとして運用することで、運用効果を最大化しています。
現在SNS運用をしているが効果がイマイチという方や、これからSNS運用開始を検討している企業担当者の方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。