炎上を防ぐのは不可能!しかし炎上に対応することはできる!|「ローソン」の事例に見る炎上とソーシャルメディアの影響力とは。

2013/07/29

“ローソンのアイスケース”炎上事例に見るソーシャルリスク対策。

ローソン アイス 炎上 ソーシャルメディア
Photo by Steven Ritzer

FacebookやX(Twitter)、LINEなどのソーシャルメディアの普及と共に、「炎上」などのトラブルの発生が深刻になっています。あるネット上の記事や投稿に対して、ユーザーの反応や何らかのアクションがキッカケで、ネットメディア上で批判が起こり、さらに拡大するパターンです。
今回はネットメディアにおける炎上発生の経緯を、「ローソン従業員がアイスケースに入った」件の事例から見ていきます。特に情報の拡散力や影響力を持つのがソーシャルメディア。身近なツールだからこそ、そのリスク対策についても知っておきましょう。

※今回の記事は、以前こちらの記事を寄稿していただいた深谷歩さんに、弊社の炎上対策サービスに触れた内容にて寄稿していただきました。
※その他の参考記事
【日本国内】企業のSNS(Facebook・X(Twitter))炎上事例からみる炎上対策に必要なこと

    ■目次

  1. ショック!リーチがのびたのは炎上だった!
  2. 店員の悪ふざけがブランドを傷つけることに:ローソンの場合
  3. 炎上は100%回避することはできないと心得るべし
  4. あらかじめ炎上時の対応を定める
  5. ユーザーからのコメントを定期的にチェックする
  6. その後の対応策を考える
  7. 投稿モニタリングサービスで運用が楽に

1.ショック!リーチがのびたのは炎上だった!

Facebookページ成功の鍵はリーチにあり!リーチを伸ばす運用を目指そう。」では、記事のリーチを伸ばす方法について紹介しました。

しかし、投稿がシェアされてコメントもたくさんついたと思ったら、批判的なコメントばかりだったということもあります。

1つの投稿が拡散した結果メディアにも取り上げられることも

批判的なコメントが増えたときに、適切な対応ができないと、ユーザーの不満がさらに爆発します。

そして「批判されていること」そのものが話題になり、別のネットメディアに取り上げられることもあります。ネットメディアに取り上げられると、そこからさらに話題が拡散して、多くの人に知れ渡ります。

問題の深刻度によっては、テレビにも取り上げられ、ネットと接しない人にも知られることになります。これがいわゆる炎上の拡大サイクルです。

フェイスブック 炎上

2.店員の悪ふざけがブランドを傷つけることに:ローソンの場合

2013年6月、ローソン従業員の男性が店舗内のアイスクリームケースの中に入った写真を、その友人がFacebookに投稿しました。投稿後、しばらくしてその写真が拡散され、「不衛生だ」という批判が集まりました。

その写真に写り込んだロゴから、店舗がローソンだと特定され、さらには店舗が高知鴨部店であること、その従業員がその店の経営者の息子であることなども、ネットユーザーの調査で発覚しました。

7月14日には、2ちゃんねるのまとめサイトなどにも取り上げられ、炎上状態となりました。この写真を見た人の中には、ローソン本部にも直接苦情を入れる人も多数いました。

ローソン 炎上
(ITメディアニュースより)

炎上翌日にお詫びと対応方法を発表

これを受け、ローソンは迅速に事実確認を行った上で非を認め、炎上が発覚した翌日の7月15日にお詫び文をリリースしました。

また当該店舗とのフランチャイズ契約の解除、当該従業員の解雇、店舗の休業をあわせて発表しました。この対応方法には、多くの人が納得しました。

ローソン 炎上
(株式会社ローソンによる本件に対するお詫びとお知らせ)

テレビ、メディアにも取り上げられる

ローソンの公式な謝罪で収束するかに思えましたが、その翌日には多くのテレビやメディアがこの炎上事件のいきさつについて取り上げました。

これにより、ネットの炎上を知らなかった人にも、事件が知れることになりました。さらにテレビ局のニュースサイトでは、放映したニュース映像とあわせて掲載している例もあります。

ローソン 炎上
TBSニュースより)

※ラボ編集部注:2016年7月現在に上記URLが残念ながら閲覧できないため修正をしました。

ローソンのお詫びから6日がたった7月21日(原稿執筆時点)、「ローソン アイスクリーム」でGoogle検索すると、この事件について取り上げたニュースがたくさん表示されます。

ネットの炎上は、ブランドの信頼を大きく傷つけるだけでなく、そのことが後々まで悪影響をおよぼすのです。

炎上が起こったのは投稿後1か月後

もう一つ注目するべきが、炎上発生のタイミングです。

問題の写真が投稿されたのは6月18日でしたが、ネット上で話題になったのは約1か月後でした。Topsyで「ローソン アイス」に言及したツイート数を見てみると、7月14日に急にツイート数が増えて28,185件になり、お詫びを発表した翌日15日は21,348件にのぼりました。

※ラボ編集部注:2016年7月現在に上記URLが残念ながら閲覧できないため修正をしました。

このように、投稿直後は特に問題にならなくても、後々誰かに発見されて炎上するということもあります。

ローソン アイス

※ラボ編集部注:2016年7月現在に上記URLが残念ながら閲覧できないため修正をしました。

X(Twitter)だけで200万人以上に情報が拡散した可能性

では、これらのツイートにより、どれ程の人の目に情報が触れ、影響を与えたのでしょうか。

X(Twitter)ユーザーの利用動向について言及した記事よると、2013年5月調査時点でのX(Twitter)利用者の平均フォロワー数は概ね100人程度とのことです。

前述の「ローソン アイス」に言及したツイートが、短期間で少なくとも約20,000件以上ツイートされたということは、単純な概算では

X(Twitter)上だけで200万人ものフォロワーに情報が派生した可能性があると考えられます。

さらに、テレビなどのマスメディア上でも報道された点を含むと、その影響は計り知れません。

3.炎上は100%回避することはできないと心得るべし

ローソンの例のように、ネット上に公開された情報から端を発する炎上は、ビジネスにマイナスのインパクトを与えることが多々あります。

悪いイメージが広まると、これまで長い時間をかけて築き上げた信頼を一瞬で失うことになります。さらに、炎上したことが後々までも事例として取り上げられ、長く話題になり続けることさえもあります。

また、今回の事例のように関係者の投稿が原因になる場合だけでなく、生活者からの投稿、あるいは公式アカウントの発言が原因で炎上することもあります。

炎上を回避するのは不可能。しかし対策はできる!

つまり、炎上のリスクを100%排除することは不可能だといえるでしょう。

クレームや不適切な発言を100%防ぐことを目指して運用をするのではなく、何か問題が発生したときに、すぐに気づき適切な対応ができる体制をを作ることが不可欠です。対応次第では、信頼を高めることもできるのです。

4.あらかじめ炎上時の対応を定める

炎上に対応できる体制を整えるには、まずはソーシャルメディアの運用に関して、発生し得るリスクを想定し、それに対してどのように対応するのかを考えます。

そして、従業員の不適切な投稿やユーザーからクレーム、苦情、批判などネガティブなコメントが投稿された場合、その問題の深刻度の評価が誰が対応しても同じようになるように基準を定めます。

問題の深刻度、種類によって、連絡する部署、対応方法を検討するチームなどをあらかじめ決めておくことで、問題が起こった時に、迅速な対応ができます。

フェイスブック 運用体制

これらを踏まえて運用ポリシーや運用マニュアルを整備して、関係者に教育・周知することで、一貫した対応が取れるようになります。

今回ローソンが迅速な対応ができたのも、問題発覚時の事実確認、フランチャイズ加盟店の契約違反があった場合の対応などがあらかじめ決まっていたからではないかと考えられます。

5.ユーザーからのコメントを定期的にチェックする

ポリシーに従って迅速に対応するためには、担当者がユーザーからの投稿やコメント、あるいはネット上の話題を定期的にチェックする必要があります。

Facebookページの投稿をチェックするには

例として、Facebookページにユーザーからのコメントがあった時のチェック方法について取り上げます。

Facebookページには、新規に投稿やコメントがあった時に、通知を受け取るように設定することができます。

通知を受け取るには、Facebookページの編集画面の「基本設定」で設定します。以下の項目をチェックします。

(1) メールによるお知らせ

ユーザーから投稿、コメント、メッセージがあった場合、Facebookに設定しているメールアドレス宛てにお知らせを受け取ります。

(2) ページマネージャのモバイル通知

Facebookページにユーザーから投稿やコメントがあった場合、スマホアプリのページマネージャでプッシュ通知を受け取ります。

(3) Facebookサイトでのお知らせ

Facebookページの投稿にユーザーが「いいね!」した場合、コメントした場合、ページにメッセージを送った場合に、Facebook上の「お知らせ」に通知が届きます。

▼【旧版】[Facebookページを編集]→[基本設定]画面から設定できる。
フェイスブック お知らせ
▼【新版】[Facebookページを編集]画面→[設定を編集]タブ→[お知らせ]から設定できる。

通知の量は多すぎても少なすぎてもダメ

特に(2)スマホアプリのページマネージャは、PCを立ち上げていない時でも、ユーザーからの投稿やコメントがあると、プッシュ通知機能でお知らせを受け取れるので、Facebookページ運営者は必ずインストールしたいアプリです。

▼スマホアプリ版Facebook

アプリアイコン上や画面上部にユーザーからのアクションがあったことを知らせる表示がされる

(3)Facebookサイトでのお知らせは、投稿やページヘの「いいね!」も通知されるので、通知数が多すぎて逆に見落としそうになることがあるので注意しましょう。

6.その後の対応策を考える

炎上は鎮火したと思ってもくすぶり続けることがあるもの。前述した事例では、謝罪後にもその店舗に様子を見に行って、交換されたアイスクリームケースの写真を撮影する人などもいました。

よって、一度炎上状態になった場合は収束したと思われても、その後の意見の流れなどを見ながら特に注意深く運用をして、信頼を回復していく必要があります。

誠意を持って対応し、ユーザーの声に耳を傾けることができれば、その姿勢を評価してまた応援してくれる人もでてきます。そうなれば、過去の炎上を再度持ち出す人がいても、応援してくれるユーザーが擁護してくれるということもあります。

7.投稿モニタリングサービスで運用が楽に

さて、炎上対策について解説をしましたが、上記のような体制を自社だけで構築し、運用をしていくのは負担が大きいという方には、投稿モニタリングサービスがおすすめです。

投稿モニタリングサービスは、ユーザーからの投稿やコメントをモニタリングして、問題があるときにアラートをあげるサービスです。投稿モニタリングサービスを活用すれば、Facebookページの運用者は、ユーザーの反応を常に気にし続ける必要がなくなり、日々の投稿作成に集中できます。

投稿モニタリングサービスには、NGワードを登録しておき、システム的にモニタリングしそのワードを含む投稿があったときに、アラートをあげてくれるような簡易的なサービスから、24時間365日有人モニタリングをするサービスまで、様々なサービスレベルがあります。

ガイアックスの投稿モニタリングサービス「コミュニティパトロール」

ガイアックスでは、投稿モニタリングサービス「コミュニティパトロール」を提供しています。コミュニティパトロールには、以下のような特徴があります。

運用ポリシーの策定もサポート

本文で解説したように、一貫した対応をするためには、まずは運用ポリシーモニタリングの基準(問題のある投稿 / コメントと判定するための基準)を定める必要があります。

この基準があいまいだったり、不十分な場合、適切な運用ができなくなります。そこで、ガイアックスの投稿モニタリングサービス「コミュニティパトロール」では、ポリシー策定のコンサルティングを含めたサポートを行なっています。

フェイスブック リスク対策

何を見張るのか、モニタリング基準の策定もばっちり

なお、業界や業種に応じて特に注意したいモニタリングポイントは異なります。例えば、ビール業界であれば、未成年の飲酒や一気飲みなどの危険な飲み方を想起させるような投稿は特に注意をはらわなければなりません。

ガイアックスでは、様々な業界へのサポート実績があるため、業界独特のルールや文化を意識したポリシー策定が可能です。

24時間365日の有人モニタリングサービス

「コミュニティパトロール」では、24時間365日有人モニタリング業務専門のスタッフが目視で投稿のモニタリングを行なっています。

システムではわからない、日本語独特のニュアンスなども判断しながらモニタリングをしています。

専用ツール「Police on Facebook (PoF)」の提供

ガイアックスでは、掲示板などのモニタリング業務での100社以上の導入実績のあるツール「Police」を提供していますが、このPoliceとFacebookを連携させたFacebookアプリPolice on Facebook「PoF」をご利用いただくことができます。

このアプリを利用することで、新着の投稿などが一目でわかります。また、Policeにはレポートを生成する機能や、コメントへの対応を管理する機能も用意されており、運用の効率化をはかります。

投稿モニタリングサービス「コミュニティパトロール」についてご興味がある方は、こちらのページから詳細をご参照ください。


以上、『炎上を防ぐのは不可能!しかし炎上に対応することはできる!』でした。

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