【事例効果つき】徹底解剖!Instagram広告のすべて
ビジュアルに特化したSNSとして人気のInstagram。今や月間アクティブユーザーは4億人を超え、エンゲージメント率(ソーシャルサービスにおけるユーザーの積極的な反応数値)においては、Twitterの47倍という高い数値を出しています。今回は、その注目すべきInstagramの広告についてまとめました。
※編集部注
2017年3月15日:ストーリー広告に関する上位法を追加しました。
2016年11月29日:最新情報をもとに加筆修正しました。
- 目次
- Instagram広告とは
- Instagram広告の効果的な利用方法
- 4種類のInstagram広告
- Instagram広告の種類別:文字数や写真・動画サイズ
- Instagram広告で選択できる「目的」と「CTA」
- Instagram広告にかかる費用
- Instagram広告の効果測定
- 広告出稿にあたって気をつけたいこと
- 4つの効果事例
- まとめ
Instagram広告とは
数あるSNSの中でも人気を誇る「Instagram」。現在ユーザー数は、日本だけでも1,200万人にのぼります。写真投稿に特化しているのが特徴で、ユーザーの半数近くが10~20代の若い女性であるというデータもあります。
<参考記事>
11のソーシャルメディア最新動向データまとめ
その「Instagram」のフィード上に表示できるのが「Instagram広告」です。Facebookの広告と似ていますが、フィード上にのみ表示することができ、通常の投稿の中に混ざるようにして表示されます。いわゆるインフィード広告です。単なる画像広告のみならず、動画やカルーセル形式でも表示させることができます。
Instagramのアカウントがなくても出稿できる
InstagramはFacebookの傘下にあるため、基本的にはFacebook上で広告を出稿することができます。Instagramのアカウントがなくても、Facebookの広告アカウントとFacebookページがあれば出稿することができ、Facebookと同じセグメントを利用することもできます。
Instagramアカウントを所有せずに出稿する場合、広告出稿時にはFacebookの情報が利用され、ユーザー名やアイコンなどはFacebookページと同じものになります。また、投稿に対してコメントをもらった場合、それに返信することはできません。プロフィールページもないため、通常通りユーザー名からプロフィールページへリンクされることもありません。
参考:https://www.facebook.com/business/help/910175409024706
Facebookと同じように詳細なターゲット設定ができる
Instagramでも、Facebookと同様に詳細なターゲット設定ができます。既存の顧客データを元に広告を表示させたいユーザーを抽出したり(カスタムオーディエンス)、また全ユーザーから既存顧客と似たユーザーを探し出して広告を表示させることも可能です。その他にも、もちろん地域、年齢、性別、言語、趣味・関心、ページの閲覧履歴など、非常に詳細な設定で狙いたい層に向けて広告を表示させることができます。
Instagram広告の効果的な利用方法
Instagramが利用可能になった当初は、リンク誘導ができないため成果に直結しない、効果測定がしにくい、という印象があったかと思います。しかしながらここ数年で、公式の解析ツールが使えるようになったり、CTAが強調されるようになったりと、広告主向けの機能も充実してきています。
こういった変化によって、Instagram広告をFacebook広告とほぼ同じように使ってしまっているという方も少なくありません。実際にFacebookで広告を配信しようとすると、デフォルトでInstagramにも配信されるようになっています。
▼アプリのインストールを目的とした広告を出稿しようとした場面
もちろんそれがダメとは言いませんが、やはり異なるSNSには異なるユーザーニーズがあるものです。ここでは基本に立ち返り、Instagram広告をより有効活用するために抑えておきたいポイントをご紹介します。
写真映えする商品・サービスを訴求する
Instagramのベースにあるのは、美しい画像や動画です。これは広告でも変わりませんからInstagram広告で訴求する商品はフォトジェニック、ムービージェニックでなければいけません。
相性がいいのは有形商材でおしゃれに演出しやすいもの。例えばファッション系のアイテムやスイーツなどです。もし訴求したいものがフォトジェニックではなかったり無形商材(体験型のサービスなど)だったりする場合は、商品の見せ方を変えたり、サービスを利用している動画などを使い、視覚的に訴えるように工夫しましょう。
機能面ではなく情緒的な面を強調する
写真メインのSNSであるInstagramのユーザーは、ファッションやライフスタイルなど「自分の趣味や感性に近いもの」を見たい、参考にしたい、という意識が強いです。
一般的な広告であれば、商品の機能や使った際のメリットなどを訴求したくなるものですが、どれほど理論的にすぐれたアピールをしても、感性に訴えかける部分がなければユーザーにスルーされてしまう可能性もあるのです。
ぱっと見たときにときめくか、自分が使っている場面を想像してワクワクするか、というような情緒的な面を強調することで、Instagramユーザーに刺さる広告になるでしょう。
適切なCTA、誘導先を設置する
以上のような条件を満たした広告であれば、ユーザーに興味を持ってもらえる確率は高まります。それをしっかりと広告効果につなげるために重要なのがCTAです。現在のInstagram広告では様々なCTAの文言を選ぶことができ、スムーズに外部サイトに誘導できます。
しかしながら、この誘導先のページにも注意が必要です。Instagramで表現されていた世界観を途切れさせないようなクリエイティブを作り込むことで、ユーザーも違和感なく入り込むことができます。結果として成果につながりやすくなるのです。
4種類のInstagram広告
Instagram広告には3つの種類があります。
① 写真広告
② 動画広告
③ カルーセル広告
④ストーリー広告
それぞれの広告を詳しくみていくことにします。
①写真広告
もっとも一般的な広告です。画像は広告を作成するときに選んだフォーマットによって正方形または長方形で表示されます。
Webサイトへの誘導やモバイルアプリのインストールをうながすリンクを設定することができます。
画像引用:https://www.facebook.com/business/help/976240832426180/
②動画広告
最大30秒の動画を投稿できる広告です。画像は広告を作成するときに選んだフォーマットによって正方形または長方形で表示されます。写真広告と同じく、Webサイトへの誘導やモバイルアプリのインストールをうながすリンクを設定することができます。
正方形(左)、長方形(右)
画像引用:https://www.facebook.com/business/help/976240832426180/
③カルーセル広告
左にスワイプしていくことでスライドショーのように画像を見ることができる広告。1つの広告に3~5個の画像とリンクを設定することができます(コメントは1枚目のみ)。
画像引用:https://www.facebook.com/business/ads-guide/clicks-to-website/instagram-carousel/
④ストーリー広告
日々の出来事やイベントを写真・動画で”ストーリー”としてシェアできるInstagramストーリーに表示される広告で、ユーザーの趣味や関心に対してリーチする目的で使用します。
Facebookの広告マネージャから作成でき、画像(1枚あたり5秒程度)や、最大15秒間の動画を広告として利用できます。広告出稿後はユーザーのInstagram Storiesの途中で再生されます(スキップも可能)。
企業が運用するためのツールとして、すでに広告測定機能が備わっており、測定結果をもとによりユーザーにリーチできる広告・コンテンツが配信可能です。
ストーリー広告の事例
画像引用:http://blog.business.instagram.com/post/155717870326/business-insights-and-ads-in-stories
Airbnbではインスタグラム ストーリー上で新プロダクト「Experiences on Airbnb」のキャンペーン広告をうちました。15秒の動画広告で、サービス認知度向上を目的として配信しました。その結果、広告想起率の向上や旅行・観光の旅行先選定時に利用するサービスでAirbnbを挙げた回答者の数が上昇するなどの効果がありました。
ストーリー広告の出稿手順は以下でご覧いただけます。
Instagram Stories(インスタグラム ストーリー)で広告出稿する方法は?
Instagram広告の種類別:文字数や写真・動画サイズ
広告の種類別に、広告に使える画像サイズやキャプションの文字数などをまとめてご紹介します。
①写真広告
- アスペクト比:1:1
- 最小解像度:600 x 315ピクセル(1.91:1横長) / 600 x 600ピクセル(1:1正方形) / 600 x 750ピクセル(4:5縦長)
- 最大解像度:1936 x 1936ピクセル
- 推奨されている解像度:1080 x 1080ピクセル
- 推奨されているキャプション文字数:テキストのみ、125文字以内を推奨(最大2200字)
- ファイルタイプ:.jpgまたは.png
- サイズ:30MBまで
基本的には正方形(アスペクト比1:1)が推奨されています。Instagramの性質上、正方形のほうが画面占有率も高く、見栄えもいいでしょう。
参考:https://www.facebook.com/business/ads-guide/brand-awareness/instagram-photo/
②動画広告
- アスペクト比:1:1
- 最小解像度:600 x 315ピクセル(1.91:1横長) / 600 x 600ピクセル(1:1正方形) / 600 x 750ピクセル(4:5縦長)
- 推奨されているキャプション文字数:テキストのみ、125文字以内を推奨(最大2200字)
- ファイルタイプ:.mp4 もしくは .movを推奨
- サイズ:4GBまで
- 動画の再生時間:3秒~60秒
推奨されるアスペクト比や、技術的要件での最小解像度、キャプション文字数などは画像広告とあまり変わりありません。しかし動画なので、動画の長さなどクリアするべき条件は増えてきます。細かい要件は以下からご確認ください。
参考:https://www.facebook.com/business/ads-guide/brand-awareness/instagram-video/
③カルーセル広告
- アスペクト比:1:1
- 最小解像度: 600 x 600ピクセル(1:1正方形)
- 最大解像度:1936 x 1936ピクセル
- 推奨されている解像度:1080 x 1080ピクセル
- 推奨されているキャプション文字数:テキストのみ、125文字以内を推奨(最長2200字)
- ファイルタイプ:.jpgまたは.png
- サイズ:画像1枚につき30MBまで
- 画像点数: 3~5点
こちらも画像広告と大きく変わりませんが、カルーセル広告の場合、必ず画像の形は正方形(アスペクト比1:1)でなければなりません。また、最低でも3枚の画像が必要になります。
参考:https://www.facebook.com/business/ads-guide/brand-awareness/instagram-carousel/
④ストーリー広告
画像推奨要件
- 画像サイズ:1080 x 1920ピクセル
- 画像比:9:16
それぞれ1件の画像を使用した広告を、追加料金なしで最大6件作成できます。
動画推奨要件
- 解像度:最低720ピクセル
- アスペクト比:9:16
- ファイルタイプ:.MOV、.MP4、.GIFファイル
- サイズ:3 GB
現時点では解像度などの詳細スペックは、日本語の公式ヘルプには情報がありません。ただ、前述の広告マネージャにおける画面・動画アップロード画面には各推奨事項の記載があるため、要件にそっていればおおむね問題なく出稿可能かと思われます。
主なポイントとしては、動画の再生秒数上限が15秒であることや利用する画像・動画は縦長でなければならない点が挙げられます。
Instagram広告で選択できる「目的」と「CTA」
まずはなにより、適切な目的とCTAを選ぶことが重要です。Instagram広告でも、Facebook広告と同じようにさまざまな目的から選択できるので、自社の目的を明確にして、間違ったものを選ばないようにしましょう。
※ストーリー広告を使いたい場合、選択できる目的は「リーチ」となり、現状はCTAは利用できません。
目的
Instagram広告の目的は、以下から選ぶことができます。
- ブランドの認知度アップ
- リーチ
- トラフィック(ウェブサイトへのクリック数またはアプリストアへのクリック数)
- アプリのインストール
- エンゲージメント(投稿のエンゲージメントのみ)
- 動画の再生
- コンバージョン(ウェブサイトでのコンバージョンまたはアプリ内コンバージョン)
参考:https://www.facebook.com/business/help/1621419411431034
CTA
選択できるCTAは、選択した広告の目的や広告の種類によって変わります。例として、以下のようなCTAを設定できます。
- リンクを開く
- 購入する
- 予約する
- インストールする
- ダウンロード
- 詳しくはこちら
- お問い合わせ
- 申し込む
- アプリを利用
- ゲームをプレイ
- 音楽を聴く
- ビデオを見る
- 他の動画を視聴
- 登録する
Instagram広告にかかる費用
Instagramに広告を出稿する場合、いくらくらいの料金がかかるのでしょうか?
Instagram広告の料金システムはFacebookとほぼ同じなので、広告主が自分で課金方法を選択し、予算を設定することができます。低予算でも出稿でき、事前に設定した課金のタイミングに応じて予算が消化されます。
Instagram広告の課金対象(請求のタイミング)
Instagram広告の課金対象として、現在確認できているものは以下の4つです。
CPM
インプレッションの数で料金が計算されます。広告がユーザーのフィードに表示されると、それがインプレッションとしてカウントされます。CPMとはCost Per Mill(1,000インプレッション単価)の略ですが、その名のとおりユーザーに対して広告が1000回表示された段階で支払いが生じます。
CPC
Webサイトやアプリへ誘導したい場合は、CPC課金が適しています。CPC(Cost Per Click / リンククリック単価)を選択した場合、広告主のウェブサイトまたはアプリに移動するリンクがクリックされるたびに支払いが発生します。
CPI
CPIはCost Per Install(インストール単価)の略で、アプリ広告の場合に適用されます。広告経由でアプリがインストールされるごとに支払いが生じるタイプです。
動画の10秒間の再生
動画広告の場合選択できる形式です。動画を合計10秒以上再生、もしくはほぼすべて再生されるか、いずれかの条件を満たして初めて支払いが発生します。
Instagram広告の効果測定
Facebook広告と同様に、Instagram広告の各数値は、広告掲載後すぐに「広告マネージャ」に表示されます。
選択した目的に応じて、確認できる数値も自動的にカスタマイズされます。たとえば、投稿エンゲージメント広告を作成した場合であれば、投稿エンゲージメントの数や合計リーチ数が表示されます。
他にも広告が見られた回数、クリック数(アプリのインストール数)、いいねの数、結果に対しての費用など、確認できる項目は詳細に用意されており、大体の効果測定は「広告マネージャ」を通して見られます。表示項目も自由にカスタマイズすることができるので、効果が気になったら「広告マネージャ」を確認してみましょう。
広告出稿にあたって気をつけたいこと
ここでは、広告を出稿するさいに気をつけたいことについてお伝えします。
広告ポリシー
Instagramでの広告出稿は、Facebookの広告ポリシーによって審査が行われます。
- テキストの画像に占める割合は20%未満
- 酒類など年齢制限のある素材の使用
- 禁止、制限されているコンテンツの使用
をはじめ、さまざまなチェック項目がありますので、ぜひ一度こちらを確認してみてください。
品質ガイドライン
広告ポリシーのほかにInstagram独自の広告審査も見直しており、Facebookでは承認された広告がInstagramでは否承認になることもあります。とくに、
- 解像度やピンボケなど、低品質の画像
- 文章の文法や過剰な記号の使用など、低品質のテキスト
- 画像とテキストが合っていない、ブランドと関係のないランディングページが設定されているなど、関連性のない広告
などは、却下されることもありますので気をつけたいですね。
ハッシュタグ
Instagramで多用されるハッシュタグは、広告にもつけたほうがいいのでしょうか?結論から言うと目的別でつけるか否かを使い分ける必要があります。
前提として、広告のテキストにハッシュタグをつけることは可能ですが、ハッシュタグで検索された際に検索結果に広告が表示されることはありません。よって、1つの投稿にたくさんのハッシュタグをつけることは広告の観点でメリットがありません(広告リンクをクリックしてほしいのに、ハッシュタグをクリックされてしまう可能性が高まるため)。
ハッシュタグをつけるケースとしては、ブランディングを目的とした広告が挙げられます。企業としてのメッセージ発信や認知度向上などを目的とする場合、それらがより伝わるようなハッシュタグをつけてもいいでしょう。
ハッシュタグをつけないケースとしては、ダイレクトレスポンス広告があげられます。仮にハッシュタグをクリックされてしまった場合、本来広告が意図する誘導先ではなく、ハッシュタグ自体のリンク先に誘導されてしまうためです。仮につける場合でも、最低限の数でとどめることをおすすめします。
4つの効果事例
最後に、Instagram広告によって効果があらわれた事例を4つご紹介します。
スーモ
日本最大級の不動産ポータル「SUUMO(スーモ)」は15秒の動画を9本製作。ユーザーの中でもっとも利用者の多い若年層を意識し、個性が伝わる部屋や暮らしをリアルに再現しました。動画は好意的に受け入れられ、動画再生率20%を達成。特に“サーファー編”では、ブランド認知度+6%、広告想起+44%の向上を実現しています。
コカ・コーラ
「コカ・コーラ」はインドネシアでの成長拡大をねらい、15秒のキャンペーン向け動画を2本製作。動画にはインドネシア人を起用し、広告コピーには現地語であるBahasaを使用するなどローカライズされた広告は、広告の想起性が44ポイント、キーワード想起性は7ポイント上昇しました。
メルカリ
フリマアプリ「メルカリ」は、ダウンロード数のさらなる増加を目指して、キャンペーン広告を制作。“広告らしさ”を徹底的に排除し、売れ筋アイテムをInstagramらしい構図で撮影・加工したことで、インストール数は53%上昇、CPI(インストール単価)は38%削減することに成功しました。
土屋鞄製造所
良質な革製品を販売する「土屋鞄」は、ブランドの認知を目的にキャンペーンを展開。ハンドメイドの高品質な鞄へ愛着を持ってもらいたいという思いをビジュアルで表現したことで、広告想起+29ポイント、ブランド認知+6ポイント上昇、広告に接触した人の数は50万人を超えました。
まとめ
Instagramのユーザー構成でもっと多いのは、10代後半から30代前半の若年層。Instagram広告におけるターゲティング設定は、若年層を意識するのが効果的といえそうです。
また、2015年のアップデートによって縦長や横長の画像・動画を投稿できるようになったり、カルーセル広告・動画広告がリリースされたりなどと、着実に進化しています。今後も企業や団体にとって、ますますInstagramは必要不可欠となっていくでしょう。
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2017.03.15