その手があったか!発想が参考になる「X(Twitter)」プロモーション事例10選[海外編]と、企画で押さえるべき3つのポイント
2012/05/16
海外のX(Twitter)プロモーション事例
X(Twitter)もプロモーションに活用できていますか?
プロモーションや顧客との関係構築にFacebookを利用するメリットが色々あるため、ついFacebookだけに目が行ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そういった方々向けに、今回は「ブログタイムズBlog」さんとのコラボレーション特集で、発想がとても参考になる海外のX(Twitter)プロモーション事例を10個ご紹介します。
前回Facebook編で大好評だった記事「その手があったか!発想が参考になるFacebookプロモーション事例10選[海外編]と企画で押さえるべき3つのポイント」の第二弾です!X(Twitter)をプロモーションツールとして運用している方は是非参考にしてみてください。
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- ■目次
- 事例1.X(Twitter)のタイムラインを活かす/Smart
- 事例2.アカウントの使い方を一点集中型にする/KLM
- 事例3.フォロー数で寄付額を決める/Sara Lee Deli
- 事例4.ツイートにわくわくするインセンティブを与える/Playboy
- 事例5.ツイートを160枚のカードでリアルに再現する/ESPN
- 事例6.ツイートが燃料の自動車レースを行う/Mercedes-Benz
- 事例7.つぶやき傾向からオススメのクリスマスプレゼントを分析する/Lowe Roche
- 事例8.注目されている映画と共同プロモーションを仕掛ける/McDonalds
- 事例9.自閉症の子供たちの生の声を発信する
- 事例10.ユーザーと近い距離でのコミュニケーションを図る/NHS
事例1.X(Twitter)のタイムラインを活かす/Smart
X(Twitter)パラパラ漫画
アルゼンチンの車ブランド「Smart」がX(Twitter)のタイムライン上で行ったキャンペーン。
絵のように構成したツイートにそれぞれ少しずつ変化を持たせて、大量にタイムライン上にポストするというもの。
「Smart」はコンパクトカーブランドであり、その身軽さ・機動力の高さをアピールするために、パラパラ漫画で車が街中やトンネルを潜り抜ける様子を表現したのでしょう。
そのパラパラ漫画の模様がわかる動画はこちら。音楽に載せて見るとまるでテレビCMかのような作りになっています。
ポイント:ツイートにストーリー性を持たせる
今では各企業でツイッターアカウントを持っていることは半ば当たり前になっていますが、アカウントを作って広告ポストをしているだけでは、有効なプロモーションとは言えません。
X(Twitter)での日本人の平均フォロー数は325人で、1日の1人あたり平均ツイート数は25.7回です。つまり、一人ひとりのタイムラインには一日平均8,353ツイート流れていることになります。(出典:facenavi 日本人Twitterユーザー調査)
さらにヘビーユーザーほどリストで管理する人が多いでしょうから、企業アカウントでのつぶやきは思っている以上に見られていないと考えられます。
そこで一時的に大量に広告ポストすればいいかというとそういうわけでもなく、スパム扱いされてかえって悪影響が出ます。
しかしこのように例え漫画形式でなくとも、各ツイートにストーリー性を持たせてあげれば、関心を引けるだけでなく、ブランディングとしても効果が期待できそうです。
X(Twitter)のタイムラインを活かす/Smartの詳細はこちらをご覧下さい。
事例2.アカウントの使い方を一点集中型にする/KLM
最安値の運賃を伝えるX(Twitter)サポートサービス
こちらはX(Twitter)を、あるカスタマーサポートに特化させたコンテンツとして機能させた事例で、Facebook活用事例の記事でも紹介させていただいたKLM航空のものです。
KLMはユーザーが「行き先」と「日程」を【@KLMfares】宛てにツイートすると、その時点での旅程の最安値と、予約URLをリプライしてくれるサービスを行いました。
あるユーザーが、”3月に(月単位でもいいようです。)シンガポールからアムステルダムまで”、というツイートを送信すると、
”最安値はSGD1116便です”との返事と、予約URLがリプライされています。
ポイント:カスタマーサポートをより身近に感じさせる
この事例はもちろんX(Twitter)の有効活用事例として紹介していますが、KLMの狙いとしては、カスタマーサポートをより身近に感じさせる点にあったのではないでしょうか。
以前ソーシャルメディアの消費者データにおいて、<>カスタマーサポートに対して消費者は非常に速い速度での対応を求めていることが分かりました。
(データは「ソーシャルメディアを利用する企業は知っておくべき9個のホンネ調査」より参照ください。)
先ほど例に挙げたやり取りでは、企業側からの返信は一分で帰ってきたそうです。返信速度だけでなく、無機質なメール返信ではなく、その場に応じた”個人”への対応はより温かみを感じさせます。
アカウントの使い方を一点集中型にする/KLMの詳細はこちらをご覧下さい。
事例3.フォロー数で寄付額を決める/Sara Lee Deli
新規フォロワー1人に対し$1の寄付
Sara Lee Deliはサンドウィッチの日(11月3日)に、24時間の間にSara Lee DeliのX(Twitter)アカウントを1人がフォローするごとに、$1寄付するというキャンペーンを行いました。
寄付先は「Share Our Strength」という子供の飢餓撲滅を掲げて活動する団体で、最大$25,000まで寄付することを約束しました。
またSara Lee Deliのアカウントをフォローした人には、サンドイッチのレシピと調理の秘訣や、店舗で使えるクーポンが贈られ、締切日の深夜0時にはフォロワーは1,500人となっていました。
ポイント:参加障壁を下げて当事者意識を持たせる
普段私たちが駅前などで見かける募金よりも、このキャンペーンの方が参加しやすく、またリアルに感じられるのは何故でしょうか?それには二つ理由が考えられます。
まず一つはいわゆる一般的な募金は一時的な側面しか見られないから。
一つにはこのキャンペーンでは募金のような一時的な関わりだけでなく、経過がリアルタイムで感じられるという点でしょう。更にはサンドウィッチを引き合いに出すことで、より現実味を帯びたものとなっています。
もう一つは参加が非常に容易である点です。改まって”募金活動”するのではなく、ちょっとしたアクションでも、十分に貢献できることを示しています。
この二つによってユーザーは特に気負いする必要もなく、しかし経過に対して当事者意識を持つことが可能になります。
フォロー数で寄付額を決める/Sara Lee Deliの詳細はこちらをご覧下さい。
事例4.ツイートにわくわくするインセンティブを与える/Playboy
協力リツイートでヌードグラビアを覆うパーツをはずす
Playboyは新しい表紙モデルに登用した”Maria Paz Delgado”のヌードグラビアをチラつかせることで、X(Twitter)での話題拡散を狙ったキャンペーンを行いました。
”Maria Paz Delgado”のヌードグラビアを覆っている四角い複数個のパーツを、ユーザーがリツイートする度に順々にはがしていくという企画です。
PlyboyのX(Twitter)アカウントのフォロワーは、彼女が出演しているあるエンタメ番組中に、”Maria Paz Delgado”のハッシュタグをつけてリツイートするように要求されます。
そして15リツイートされるごとに、写真を覆うパーツが一枚ずつ剥がされてゆき、写真全体がお披露目となります。
ポイント:ちょっと頑張ればクリア出来る感を
このキャンペーンはユーザーの心を的確に捉えていたことが、全てのカギとなっています。
これが例えば100リツイートにつき1枚剥がれるものであったり、Facebookでのコメント付きシェアを求めるものであった場合、これほど盛り上がりはしなかったでしょう。
企画自体非常に面白いものであり、更に参加障壁がそれほど高くないことで、ユーザーの興味をくすぐり、ノリでついやってしまうキャンペーンに仕上がっています。
ツイートにわくわくするインセンティブを与える/Playboyの詳細はこちらをご覧下さい。
事例5.ツイートを160枚のカードでリアルに再現する/ESPN
Human Tweet
スポーツ専門の放送局ESPN主催のスポーツイベント、”X Games”の開催中に行ったプロモーションで、ハッシュタグ(#humantwitter)付きの@xgame宛てに送られたツイートを、スタンドにいるスタッフ160名で再現するというもの。
スタッフはあらかじめアルファベットの書かれた大きなカードを手元に用意し、つぶやかれたことをその場で一人ひとりがカードを掲げることでX(Twitter)とリアルを連動させました。
ポイント:デジタルなものを敢えてアナログに表現
本来アナログなものをデジタルに持っていっているわけですが、敢えてそれをアナログで表現しなおすことで、人々の関心を引くと共に、一つのツイートに少し人間的な温かみを与えようとしています。
Facebookの海外事例にもいくつか見られましたが、やはりこうしたデジタルとアナログの融合は非常に有効なプロモーション手段となり得るようです。
ツイートを160枚のカードでリアルに再現する/ESPNの詳細はこちらをご覧下さい。
事例6.ツイートが燃料の自動車レースを行う/Mercedes-Benz
”応援Tweet”が車の燃料
Mercedes-Benzはユーザーからのツイートを燃料にして走る車によるレースを、プロモーションとして打ち出しました。
ニューヨークシティ、ロスアンゼルス、シカゴ、タンパの4都市からそれぞれ1チームずつ出場しており、各チームへの”応援Tweet”が彼らの車の燃料となります。また各チームには100~200万のフォロワーを持つビッグユーザーが、パトロンとして就くように工夫されています。
インセンティブとしては、優勝チームを支援したユーザーには、抽選でMercedes-Benzがスポンサーのイベントに招待される権利や、最も素晴らしい”応援Tweet”をした人へC-Classクーペを贈呈するなどが用意されていました。
ポイント:インフルエンサーを巻き込む
本企画において重要な役割を果たしたのが4人のビックユーザー達です。企画の主旨自体も非常にユニークなものではありますが、レースをするほどの燃料(4ツイートで1.6Km走行可能)を得るには面白さだけでは限界があるでしょう。
テレビ番組でのタレントや、キャンペーンのイメージキャラクターが重要なように、こうした一般プロモーションにも、人々の企画への関心を高める大変有効な”起爆剤”となるのです。
ツイートが燃料の自動車レースを行う/Mercedes-Benzの詳細はこちらをご覧下さい。
事例7.つぶやき傾向からオススメのクリスマスプレゼントを分析する/Lowe Roche
つぶやき傾向の分析をする”Twanta.com”
広告代理店Lowe Rocheが行ったプロモーションで、知人のX(Twitter)アカウントを入力すると、過去のつぶやき傾向からその人にオススメのクリスマスプレゼントを紹介してくれる”Twanta.com”というサイトを開設しました。
またサイトでは、紹介してくれたクリスマスプレゼントを購入できるリンクも貼っていたり、Facebookで診断結果の共有もできるようになっていました。
ポイント:プロモーションに強引さを出しすぎない
日本でもX(Twitter)のアカウント名を入力すると何らかの診断をしてくれるアプリはありますが、中にはスパム的なものや、無駄にシェアをさせたがるものもあります。
遊び要素の強い診断ではなく、クリスマスプレゼントを悩む人にとってはもっともらしくアドバイスしてくれるこのサイトは、現実的にもニーズがありそうです。
まずはユーザーにとって、本当に価値があるコンテンツから始めることが大切でしょう。
つぶやき傾向からオススメのクリスマスプレゼントを分析する/Lowe Rocheの詳細はこちらをご覧下さい。
事例8.注目されている映画と共同プロモーションを仕掛ける/McDonalds
マクドナルド×アバタ―
マクドナルドが当時上映前で、注目が最高潮に高まっていた映画『アバタ―』と共同して行った”ビックマック”のプロモーションです。
マクドナルドのアカウントをフォローしているユーザーが、ツイッターを用いて、マクドナルドや映画に関係した言葉の暗号を解読していくというもので、最初に正解した10名には『アバタ―』のプライベート上映権や、アバターのプロデューサーとビックマック・ランチをする特典が与えられました。
ポイント:話題性の高いものとタイアップする
事例6ではインフルエンサーを巻き込むことで企画のプレミアム感を演出していましたが、こちらでは話題性のあるコンテンツを上手く巻き込んでいます。
マクドナルドとアバタ―のビックネーム同士だからこそ成し得たプロモーションでもありますが、旬なものを結びつけて考える発想は大変参考になります。
注目されている映画と共同プロモーションを仕掛ける/McDonaldsの詳細はこちらをご覧下さい。
事例9.自閉症の子供たちの生の声を発信する
ツイッターで行う啓蒙活動
ボニー=セイヤーズという自身が自閉症の子供を抱える女性によって行われたプロモーションです。
自閉症の子供たちの声や、彼らを育てる上で身についた知識などを、ツイッターを通して、自閉症に関心を抱いていない人達への啓発的な意味を込めて発信していました。
ポイント:自分発信のメディアであることを活かす
これまでのこういった啓蒙活動はテレビや新聞といった制作を一枚噛ませる形のメディアか、非常にアナログでコストのかかるものがほとんどでした。
その点X(Twitter)はコストらしいコストはほぼかからず、今回のプロモーションのように当事者の生の声を簡単に多くの人に届けることが可能です。
また自分発の発信方法をとることから、自閉症患者が自らの持つハンディキャップと向き合う気持ちにさせるのにも効果があるようです。
自閉症の子供たちの生の声を発信するの詳細はこちらをご覧下さい。
事例10.ユーザーと近い距離でのコミュニケーションを図る/NHS
イメージ回復のためのオンライン・キャンペーン
イギリスの国営医療サービス機関であるNHSのイメージ回復キャンペーンで、問題点ばかり取り上げられる気運を払拭するためのプロモーションです。
X(Twitter)で”welovetheNHS”のハッシュタグをつけて、ユーザーからの意見・質問回収や、NHSからのお知らせなどを配信していました。
ポイント:真摯さや誠実さを上手くアピールする
事例2でご紹介した、身近に感じさせる手段としての意味合いと非常に似ていますが、こちらは活用のユニークさではなく、より丁寧な対応を行うための施策と言えるでしょう。
個人個人の声にきちんと耳を傾け、真摯に対応する、オーソドックスですがしかし、こうした国営サービスのように少し距離が遠い存在には、イメージ向上のためにぜひ取り組みたいプロモーションです。
ユーザーと近い距離でのコミュニケーションを図る/NHSの詳細はこちらをご覧下さい。
まとめ
1.貢献意欲を掻き立てる
事例3、4、6のように、自分の行ったアクションに対しての結果が見えやすいプロモーションが多く見受けられます。
X(Twitter)は情報量が多く、バズが効きやすい反面、一つ(または一人)のツイートが埋もれてしまいがちです。ゲーミフィケーションにもあるように、人は自分の行動に対する近しい成果物がある方が、参加意欲は向上します。
企画のユニークさだけでなく、現実的なアクションとリアクションや、それに対する見返りを用意することが重要です。
2.リアルタイム感を演出する
これはほとんど全ての事例に共通する事柄ですが、たとえデジタルで完結していようと、アナログと連動していようと、今まさに自分のとった行動に対してデバイスの向こう側で、何らかの反応が起こることは非常に重要です。
貢献意欲の話にも重なりますが、アクションに対してすぐにリアクションがあると、世界のどこかでちゃんと繋がっている感覚を得ることができ、そのブランドやプロモーションをより身近に意識させることができるのです。
3.個人のコミュニケーションツールとして機能させる
明確な棲み分けがあるわけではありませんが、潜在顧客の囲い込みに威力を発揮するFacebookと違い、ミニブログとも呼ばれるようにX(Twitter)は発信メディアとしての色が強いSNSです。
また一般ユーザーのアカウントと団体のアカウントとで形式の差がないことから、より個の窓口としてのコミュニケーションが成り立ちやすい環境であると言えるでしょう。
事例2や9、10に見られるように、Facebookページへの書き込みより遥かに気軽に、ブランドや団体とコンタクトがとれ、そのやり取りもまた一つの発信として機能させることが可能なのです。
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以上、という事で『その手があったか!発想が参考になる「X(Twitter)」プロモーション事例10選[海外編]と、企画で押さえるべき3つのポイント』でした。
(執筆 左納、編集 井出:Facebook、X(Twitter))
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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部