LINE公式アカウントの運用費用は?配信、広告出稿にかかる費用もまとめて解説
2025/05/29
LINE公式アカウントは、顧客との接点を強化するうえで欠かせないツールとして、多くの企業や店舗で導入が進んでいます。
一方で、料金体系がわかりにくい、無料と有料の違いが曖昧、広告との関係性が不明など、初めて導入を検討する担当者にとっては不安要素も少なくありません。
本記事では、LINE公式アカウントの料金プランを中心に、無料・有料プランの違いや追加課金の仕組み、広告との連携活用法までを徹底解説します。
目次
本記事は企業のSNSマーケティングを包括的に支援をしているガイアックスが解説しています。運用実績10年以上、大手企業を中心に累計1,000社以上の運用実績があります。
SNS運用、SNSキャンペーンに興味のあるご担当者様は、ガイアックスにご相談ください。
LINE公式アカウントの料金体系とは?【2025年最新版】
LINE公式アカウントは、店舗・企業がLINEを通じてユーザーとつながるための代表的なツールです。
2025年現在、料金体系は無料プランと2種類の有料プランに分かれており、それぞれ配信可能なメッセージ数や機能に違いがあります。
誤解されやすい点も多いため、本章では最新の料金プランとその違い、追加料金が発生する条件、無料プランで本当に使える機能の範囲を分かりやすく解説します。
無料・有料プランの基本料金と違い
LINE公式アカウントの料金は「フリープラン」「ライトプラン」「スタンダードプラン」の3種類に分かれています。
主な違いは、月に送信できるメッセージ通数と追加メッセージにかかる課金単価です。以下の無料・有料プランの比較表をご覧ください。
プラン名 |
月額料金(税込) |
無料メッセージ数 |
追加メッセージ単価(税込) |
主な利用シーン |
---|---|---|---|---|
フリープラン |
¥0 |
200通 |
配信不可 |
初期導入・お試し |
ライトプラン |
¥5,000 |
5,000通 |
¥5.5/通 |
小規模店舗や個人事業主 |
スタンダードプラン |
¥15,000〜 |
30,000通 |
¥3.3〜/通(従量課金制) |
中規模以上・積極的な配信が必要な企業 |
※スタンダードプランの追加メッセージ単価は、配信通数に応じて段階的に割引されます。
追加メッセージの課金ルールとカウント方法
無料メッセージ数を超えてメッセージを配信すると、追加メッセージとして課金されます。
メッセージのカウントには「通数課金」のルールが適用され、1ユーザーに1通送信すれば「1通」としてカウントされます。
たとえば、5,000人の友だちに一斉配信した場合、5,000通分がカウントされる仕組みです。
画像やスタンプを含んだリッチメッセージも1通として扱われますが、カルーセル形式の複数スライドを含む場合は1通以上としてカウントされることもあるため注意が必要です。
また、同一ユーザーに複数通送信すると、その分すべて課金対象となります。
⚠️ 注意:無料プランで送信上限に達すると、追加配信は自動で行われません。事前のプラン変更が必要です。
無料プランでできること・できないこと【誤解されがちな点も解説】
無料プランでもLINE公式アカウントの開設や初期設定、チャット対応、一部のメッセージ配信は可能です。
送信上限は月200通と少なく、複数回の配信やキャンペーン活用には向いていません。
メッセージ配信予約機能や一部の自動応答機能、セグメント配信(友だち属性による絞り込み)など、ビジネス運用で重要な機能は有料プランでのみ利用可能です。
注意すべきは、「友だちが増えても無料で無制限に配信できる」と誤解されているケースです。
補足:無料プランでは月200通まで。それ以上は自動で課金にはならず、プラン変更が必要です。
アカウント運用の目的に応じて、早い段階でプランアップを検討するのが現実的です。
メリット:
初期費用・月額費用がゼロ
アカウント開設や初期設定が可能
お試し運用に最適
デメリット:
送信上限が月200通まで
自動応答や予約配信などの一部機能は非対応
ビジネス運用には機能不足
LINE広告のプラン変更・支払い方法・管理画面の使い方
LINE公式アカウントは、運用フェーズに応じて柔軟にプラン変更が可能です。
ただし、変更の反映時期や追加課金の発生条件を把握していないと、無駄なコストや機会損失につながるおそれがあります。
また、支払い方法や請求書の発行、日常的な操作に必要な管理画面の使い方は、初めての導入時にこそ丁寧に押さえておきたいポイントです。
ここでは、料金プランの確認・変更方法から、法人対応を含めた支払い管理、操作に慣れていない方に向けた基本的な画面構成までを解説します。
プラン確認・変更の手順とおすすめタイミング
LINE公式アカウントのプラン変更は、管理画面である「LINE Official Account Manager」から行えます。
- 「LINE Official Account Manager」にログイン
- 「設定」タブを開く
- 「料金プラン」で希望プランを選択
- 「変更する」ボタンを押して完了
ログイン後、対象アカウントを選び、左側のメニューから「設定」タブを開きます。
そこに表示される「料金プラン」から現在のプラン状況を確認でき、変更したいプランを選択して「変更する」ボタンを押すことで申請が完了します。
この変更は、申し込み当月には反映されず、翌月の1日から適用される仕様です。
そのため、配信ボリュームが増えることが予想される場合は、当月末までに変更申請を行っておく必要があります。
特にフリープランでは追加メッセージが送れないため、送信制限に達する前に事前の切り替え判断が欠かせません。
ポイント:プラン変更は即時反映されず、翌月1日から適用されます。
支払い方法と請求書発行のやり方
LINE公式アカウントの支払いは、クレジットカード、LINE Pay法人アカウント、そして一定条件下での請求書払いに対応しています。
デフォルトではクレジットカードでの支払いが基本ですが、法人での導入を検討する際には請求書の発行対応も重要な検討事項となります。
支払い方法の確認や変更は、管理画面右上の「アカウント設定」から「請求情報」タブを開いて行います。
この画面では、現在の支払い方法の確認に加えて、請求情報の編集、過去の利用履歴の閲覧、そして請求書PDFのダウンロードも可能です。
法人で請求書払いを希望する場合は、事前にLINE社への申請と審査が必要です。
導入時にこの手続きを済ませておけば、経理処理や予算管理の観点からもスムーズに運用できます。
初心者向け|管理画面の基本操作ガイド
LINE公式アカウントの管理画面は、ブラウザ上で利用可能な「LINE Official Account Manager」というツールを通じて操作します。
ここで押さえておきたいのは以下のような機能です。
- チャット機能
- メッセージの配信・予約
- 友だちの情報管理
- リッチメニューの設定やクーポンの作成
- 配信結果の分析
多岐にわたる機能を備えていますが、構成自体は視覚的に分かりやすく設計されているため、初めてでも比較的スムーズに操作を習得できます。
最初のログイン時には、不要な自動応答メッセージがオンになっている場合もあるため、本番配信の前に必ずテストを行い、想定通りの動作を確認しましょう。
配信予約やセグメント配信など、戦略的な運用に必要な設定項目も多いです。各機能の意味と使い方を事前に理解しておくことで、より効率的なアカウント活用が実現できます。
LINE広告との違いと連携活用法
LINEを活用したマーケティングには、大きく分けて「LINE公式アカウント」と「LINE広告」の2種類があります。
両者は混同されがちですが、役割や機能は明確に異なります。
また、連携して活用することで、集客からリピーター獲得まで一貫したコミュニケーションが可能となります。
ここでは、それぞれの違いや連携方法、効果的な配信ステップまでを具体的に解説します。
LINE広告と公式アカウントの違い【役割・機能】
LINE広告は、LINE内のタイムラインやLINE NEWS、LINE VOOMなどに表示される広告配信サービスです。
ユーザー属性や興味関心に応じて配信できる点が強みであり、新規ユーザーへのリーチに特化しています。
LINE公式アカウントは、企業や店舗がユーザーと直接つながり、チャットやメッセージ配信、クーポンなどを通じて関係を深めるためのツールです。
広告が「見込み顧客を集める」役割を担うのに対し、公式アカウントは「つながった顧客と関係性を維持・強化する」役割を担います。
ヒント:広告は“入口”、公式アカウントは“接点の維持”という位置づけであり、目的や活用シーンが明確に異なる
LINE広告から友だちを増やす方法と費用の目安
LINE広告を活用して公式アカウントの「友だち」を増やすには、「友だち追加広告」が効果的です。
この広告をクリックしたユーザーは、直接アカウントの追加ページに誘導され、そのまま友だち登録へとつながります。
費用はオークション方式による課金で、1人の友だち獲得単価はおおむね200円〜400円程度が目安となります。ターゲット設定の精度や広告クリエイティブによっては、それ以上の単価になる場合もあります。
費用対効果を高めるには、登録後にどのようなコンテンツや特典を提供するかまでを設計することが重要です。
ヒント:広告は“集客装置”として機能するが、登録後の体験設計によってはすぐにブロックされてしまう
広告と連携した配信設定のステップとポイント
LINE広告で集めた友だちに対しては、LINE公式アカウントを使って継続的なアプローチを行うことが重要です。
まずは、登録直後に自動で配信される「あいさつメッセージ」を設定します。この初回メッセージで、今後の配信内容や特典案内などを明示することで、ブロック率を下げられます。
その後、配信するコンテンツはセグメント配信やステップ配信などを活用し、ユーザーの興味や反応に応じて内容を調整します。
たとえば、クーポン配布や新商品の告知、キャンペーン情報などをユーザー層に応じて送り分けることで、エンゲージメントを高めることができます。
配信のタイミングや頻度にも配慮が必要で、ユーザーにとって有益でタイムリーな情報提供を意識することで、継続的な関係構築が可能になります。
ヒント:広告と公式アカウントを連携させることで、単発の接点を継続的なファン化へとつなげる運用が実現できる
LINE広告との連携方法は簡単です。
手順1:広告マネージャにログインして、「広告アカウント」タブを開き、「新しい広告アカウントを作成」をクリックします。
https://account.line.biz/login
手順2:広告アカウントの作成ページを開いたら「請求先情報」「広告主情報」「商材情報」「基本情報」各項目を入力します。
手順3:LINE広告とLINE公式アカウントの連携は、商材情報で行います。
「LINE公式アカウントのベーシックID/プレミアムIDを入力」にチェックをいれたら、直下の入力ボックスに、ベーシックIDかプレミアムIDを入力して、LINE広告とLINE公式アカウントの連携は完了です。
ベーシックID/プレミアムIDは、LINE Official Account Managerの連携したいアカウントのホームで確認できます。
さらに、LINE公式アカウントのLINE Official Account Manager でLINE広告との連携を承認してもらう必要があります。広告マネージャで表示される承認用のURLをコピーして、そのURLにアクセスして連携を承認してください。
もしLINE Official Account Managerにアクセスできない場合は、管理者に依頼しましょう。
業種別|LINE公式アカウントの活用事例3選
LINE公式アカウントは、業種を問わず幅広い企業で導入が進んでいますが、その活用法は業態や目的によって大きく異なります。
本章では、飲食・EC・美容の3つの分野において、LINE公式アカウントがどのように活用され、どのような成果を上げたのかを具体的な事例を通して紹介します。
サッポロライオン(飲食)|クーポン配信で来店率アップ
ビアホールチェーンのサッポロライオンでは、LINE公式アカウントを活用し、ユーザーとの接点を強化する取り組みを行っています。
とくに力を入れているのが、クーポン配信による来店促進です。
ユーザーが友だち登録をすると、限定クーポンが即座に送られ、その場での利用につなげています。
この施策により、クーポン経由の来店率は高く、紙のチラシやアプリによる施策と比べてもコンバージョン率が高い傾向が見られました。
ポイント:LINEミニアプリを活用することで、予約やポイント管理もLINE上で完結する仕組みを構築し、利便性と回遊性の向上を実現
アクタス(EC)|カゴ落ち対策でリピート率向上
家具・インテリアのECサイトを展開するアクタスでは、カートに商品を入れたまま購入に至らなかった「カゴ落ちユーザー」へのフォロー施策にLINEを活用しています。
ユーザーが商品を閲覧したり、カートに追加したタイミングで、LINEを通じてリマインドメッセージを配信。
「お気に入りの商品、在庫が残りわずかです」といった内容で、購買意欲を刺激し、購入率を高める施策を行っています。
ポイント:接客に近い配信によってユーザーの利便性と購買体験が向上し、リピート購入率も大きく改善
DIAMOND EYES(美容)|リマインド機能で予約効率化
アイラッシュサロンを展開するDIAMOND EYESでは、予約業務の自動化と効率化を目的にLINE公式アカウントを導入しています。
LINE上での予約受付や変更はもちろん、来店日前日のリマインドメッセージの自動配信を活用することで、直前キャンセルや無断キャンセルの減少に成功しました。
リマインドには、「明日のご来店をお待ちしております」という丁寧な文面と共に、予約時間や注意事項が明記されており、ユーザーにとっても安心感のある設計になっています。
ポイント:きめ細やかな運用で、顧客満足度とスタッフの業務効率の両立を実現
LINE公式アカウントに関するよくある質問
LINE公式アカウントに関心を持つ方からは、運用開始前に抱えがちな疑問や不安の声が多く寄せられています。
ここでは、特に質問の多いテーマを取り上げ、基本的な仕組みや実務で気を付けるべきポイントをわかりやすく整理しました。
初めての導入を検討している方にも参考になる内容です。
Q. LINE公式アカウントはいつから有料になった?
LINE公式アカウントは、2019年4月のリニューアルにより、従来の「LINE@」から移行するかたちで、段階的に新しい料金体系へと変更されました。
これにより、「無料プランでの無制限配信」が廃止され、現在は200通までの無料枠がある「フリープラン」と、有料で拡張が可能な2つのプランに統一されています。
以降、料金体系の見直しは数回にわたって実施されており、直近では2023年に一部の配信単価が改定されました。
Q. 無料メッセージ数は何通まで?いつリセットされる?
フリープランでは、1カ月あたり200通までのメッセージ配信が可能です。この「通数」はアカウント単位ではなく、ユーザー数に応じて計算されます。
たとえば100人の友だちに2回ずつ配信すれば、それだけで200通を消費する計算です。
リセットは毎月1日日本時間の午前0時に行われ、新たな200通分が付与されますが、タイミングによっては意図せず課金が発生してしまう可能性がある点に注意が必要です。
Q. 個人でも使える?登録・連携のやり方は?
LINE公式アカウントは法人だけでなく、個人事業主やフリーランスでも開設・運用が可能です。
開設にはLINEの個人アカウントが必要で、LINE公式アカウントのWebサイトから登録します。
登録後はLINEアプリと連携することでスマートフォンからでもメッセージ配信やチャット対応が可能です。
複数人での管理や高度な設定を行う場合はブラウザ版「LINE Official Account Manager」を併用すると便利です。
Q. メッセージ配信の予約や時間指定は可能?
LINE公式アカウントでは、メッセージ配信の予約機能が標準で利用可能です。
配信作成時に「日時指定」を選ぶことで、指定した日時に自動的に配信されます。
配信日時は後から変更・キャンセルも可能ですが、配信通数に余裕がない状態で予約を設定すると当日エラーとなる場合があるため、事前の配信枠確認を忘れずに行ってください。
まとめ|自社に最適なLINE運用は「目的別プラン選び」から
- 無料・有料プランの違いを正しく理解する
- 目的に合ったプラン選択・運用を心がける
- 広告との連携でさらなる集客・販促が可能
LINE公式アカウントは、業種や規模を問わず、ユーザーとの接点を構築・維持できる優れたコミュニケーションツールです。
効果を最大化するためには、自社の目的に合ったプランや機能を選ぶことが何より重要です。
たとえば、配信頻度が少なく費用を抑えたい場合はフリープランでも十分なケースがありますが、キャンペーンや新商品告知など継続的な配信を行いたい場合は、有料プランへの切り替えが必要になります。
LINE広告との連携やセグメント配信といった高度な活用を見据えるなら、スタンダードプランを選ぶことで、より戦略的な運用が可能になります。
導入初期は手探りでの運用になることも多いですが、配信数の上限や機能制限に悩まされる前に、自社のKPIや運用体制を明確にし、それに合わせた設計を行うことが成功への近道です。
LINEは「届けたい人に、確実に情報を届けられる」プラットフォームであり、ユーザーと直接つながる価値は今後さらに高まるとされています。
プランの違いや機能の特性をしっかり理解し、まずは“小さく始めて、大きく育てる”姿勢で、最適なLINE活用をスタートさせましょう。
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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部
