注目ではなく「対話」の時代へ。 マーケター必見、主要SNSのアルゴリズムまとめ

2020/10/01

いまや人々の生活に大きな影響力を持つようになったソーシャルメディア。私たちが何気なく使用している裏で、アルゴリズムが活躍しているのはご存知でしょうか。

もちろん企業のマーケティングにおいても、アルゴリズムは非常に重要な役割を果たしています。プラットフォームによって様々なタイプがありますが、今回は主要な4つのSNSに絞って解説いたします。

今回は、Ste Davies氏の記事(https://www.stedavies.com/social-media-algorithms-guide/)をご本人の許諾を得て編集部で翻訳・編集しました。

※注:本記事は、デジタルメディアの戦略家として世界で活躍される同氏の独自の見解や調査が基となっております。どのプラットフォームも、アルゴリズムの詳細は基本的にブラックボックスとなっておりますが、同氏の見解には媒体社が掲げる方針と合う分析も含まれており、編集部が有益な情報と判断して記事化いたしました。

※編集部注:
2020年10月13日:同氏記事の更新に伴い、本記事の内容と図解を更新しました。

    ■目次

  1. SNSのアルゴリズムを振り返る
  2. SNSのアルゴリズムを把握するメリット
  3. Facebook
  4. X(Twitter)
  5. Instagram
  6. YouTube
  7. まとめ

1. SNSのアルゴリズムを振り返る

黎明期はユーザー同士が繋がり合うことが特に意識された

ソーシャルネットワーキングの黎明期には、本来なら繋がり得なかった人たち同士をオンラインで繋げることが意図されていました。例えばFacebookでは家族や友人を、LinkedInでは同僚や職場の知人、X(Twitter)では知らない誰かを繋げる、など。

しかし、各プラットフォームが収益化の方法を模索するため提供サービスを多様化させるにつれ、プラットフォーマーはニュースの配信を効率化させるアルゴリズムの実装を重要視するようになりました。

SNSのなかでも、特にFacebookは自分たちのプラットフォームをニュースの配信者として自覚するようになり、アルゴリズムもそうなるよう変更しました。報道機関もSNS上では、読者を獲得するために気軽に読め、シェアしやすいコンテンツを意識して増やしています。

また2015年には、Facebookがニュースサイトの流入数においてGoogleを超え、SNSのなかでトップの地位を確立しました。

そのため、ある事態をもたらしたのです。それはクリックベイト記事(=読者がついクリックしてしまうような悪質な釣りコンテンツ)や、フェイクニュース、ボット、荒らしや政治合戦がフィードを占領してしまう状況です。

そのため、人々はFacebookやX(Twitter)を閲覧すると強い不安や不快な気分を訴えるようになりました。結果として(本来期待されている人々は繋がり合うためではなく、)憤りに任せてニュースを拡散させ、主義主張の異なる自分たちのグループを作るようになったのです。

2018年から、SNSのアルゴリズムは発信者とオーディエンスとの関係性をより重視するように

Facebookはニュース記事よりも「意味のある交流」の優先順位を上げると告知しました。またX(Twitter)ではプラットフォームにおける自動化を見直し、ボットが偽りのエンゲージメントを作り出すのを防いでいます。加えてLinkedInはより個人的で私生活の分かるユーザーの情報更新を優先表示するようになりました。

これらすべてのアップデートは第三者のサイトへのリンクよりも、プラットフォーム独自のコンテンツを優先する仕様になりました。そのため2018年には2015年以来初めて、ニュースサイトへの流入数において、「検索」の流入数が「SNS」経由の流入数を上回りました(※)。

(※編集部補足:SNS上でユーザーがコンテンツを見るようになり、それまでリンクを踏んでニュースサイトへ送客されていた流入数が下がったため、相対的に「検索」流入が上回ったという意味。)

これは、ソーシャルネットワーキングの新時代の幕開けと言えます。なぜなら、これらは私たちが以前見た(ユーザー同士が繋がることを想定された)ソーシャルネットワーキングの姿であり、単純な情報消費と異なるより人間的な繋がりだからです。

またこれらはインフルエンサーマーケティングが成長してきている理由の一つにあたります。企業のブランドは、オーディエンスと深く関係を築いているインフルエンサーと起用するようになりました。

加えて、アルゴリズムは再度変更され、多くの広告主にとって流入経路の終わりを意味し、ほとんどの場合は既存のビジネスモデル全体の終焉を意味していました。そのため、SNSで顧客と繋がりたい広告主は考え方を変える必要が出てきました。

オーディエンスではなく、コミュニティを構築すること、注目集めではなく対話といったより誠実なコミュニケーションを図ることが広告主にとって不可欠になります。またSNSで繋がるときには、今後はより誠実な態度が求められるようになったと言えます。

2. SNSのアルゴリズムを把握するメリット

初期のSNSでは、人々をオンライン上でつなぐことが目的でした。しかし収益化の方法を模索するために各SNSが提供内容を多様化していくにつれ、ニュース配信を効率化するアルゴリズム実装が重要視されていきます。

その結果、フェイクニュースに代表される悪質なコンテンツがSNSにおいて大きな影響力を持つようになり、問題視されるようになりました。そのような背景があり、2018年、SNSとそのアルゴリズムの流れが再び変わり始めました。

多くのSNSで、聴衆ではなくコミュニティを構築すること、注目集めではなく対話といったより誠実なコミュニケーションを図ることが広告主にとって不可欠になります。

そのためにもアルゴリズムを知っておくことが有効と言えます。他にも、各SNSのアルゴリズムの把握には以下のメリットがあります。

  • 影響力:コンテンツが与える影響力を大きくする
  • ROI(投資利益率または投資収益率):SNS上の投稿に費やしたコストに対するリターンを最大化する
  • 評判:アルゴリズムにとって長期に渡って信頼できる情報源になる
  • 社会的影響力の拡大:ネット上のデマ拡散を防ぐことが出来る様になる

それでは、各SNSのアルゴリズムを確認していきましょう。

3. Facebook

これまでのFacebookのアルゴリズム

初期は「エッジランク」として知られていたFacebookのアルゴリズム

Facebookは世界で最も有名な(悪名高くもある)SNSのアルゴリズムを有しています。このアルゴリズムは過去数年で、欧米だけでなく、世界中の政治論争の中心にありました。

Facebookはユーザーに対してさらなる価値を提供し、ユーザーの目を広告へ釘付けにさせるよう進化を続けています。また、Googleの検索アルゴリズムも同様ですが、アルゴリズムが定期的に進化を続けることが恐らく主な原因となり、従来型の企業やインターネットメディアにおいてレイオフが起き続けています。

以前は「エッジランク」として知られていたFacebookのアルゴリズムですが、過去数年にわたり、同社にとっては思わぬ理由でスポットライトを浴びることとなりました。それはオーガニックリーチが瀕死を迎え、ニュースフィードやクリック誘導、フェイクニュースにより弱り切っている鬱々しい状況を指します。

現在は死にかけのオーガニックリーチ

2014年からFacebook上の投稿のオーガニックリーチは減少し始めました。オーガニックリーチ数は平均で6.5~16%減少しており、これは1万人のフォロワーを抱えるページであれば650人にしかリーチしない計算になります。

5万人以上のフォロワーがいるページではさらに大きな下落を記録し、リーチは2%にまで落ち込みました。

Facebookが挙げた理由は、単純にプラットフォーム上により多くのコンテンツが作られ、ユーザーは自分にとって最も関連が深いコンテンツしか見ないから、という説明でした。

以降、Facebookはアルゴリズムの調整を続けてFacebookページの投稿のオーガニックリーチがさらに減少しました。同時期にFacebookによる広告収益が頭打ちを迎えており、今後は収益成長の大半をInstagramに頼ることになるかもしれません。

今日のFacebookページは、キャンペーンを展開する以外に用途がなくなってきています。

ニュースフィードからストーリー(Stories)投稿へ

ストーリー投稿はSNSの勢力図を一変させました。特に多大な打撃を受けたのがニュースフィードです。

ユーザーの友人や家族、インフルエンサーがInstagramやSnapchat、Facebookに投稿する、24時間で消える系コンテンツ(エフェメラルコンテンツ)こそ、消費者が最も求めているものと言えます。

今やニュースフィードは過去の遺物となり、以前、社会に与えたような影響力はもう持っていません。

Facebook社は、ストーリーズ機能を将来有望であると考え、毎日10億以上のストーリーズ投稿が共有されています。ただ、他の広告インベントリ同様、いまだ収益化に成功していません。

しかしまだ収益化で来てないとはいえ、ストーリーズ投稿は(現在注目が集まる)活動拠点であり、Facebook社の収益化能力を見限ることはまだできません。

クリック誘導やフェイクニュースを利用する時代の終焉

かつてFacebookで「バイラルする(口コミで広めていく)」ことは簡単でした。ユーザーがシェアするようなコンテンツを作り、適切な配信方法で拡散すれば必ずFacebookのプラットフォームで広がりました。

これが大手ニュースコンテンツサイトのビジネスモデルです。こうしたコンテンツは社会心理学を応用して作られ、ユーザーの喜怒哀楽の感情を引き起こすよう上手く作られており、クリックやシェアを促します。

こうした戦術はあらゆる悪質な方法で模倣され、完全なフェイクコンテンツにもよく活用されていました。

Facebookでは、かつてのアルゴリズムが2016年のアメリカ大統領選やイギリスのブレグジットにおいて悪用された経験があります。どちらもFacebook上で情報が大々的に展開され、偽サイトからのフェイクニュースが流れたり、信頼できる情報源からのクリックベイトさえ発生したりしました。

Facebookのプラットフォームは、いまだに簡単にフェイクニュースが共有される傾向がありますが、同社は近年、1400万件のテロリストコンテンツの削除し、世界中の選挙を安全に行うための「選挙対策室」を設置しました。また、ウェブサイトや政治的な広告キャンペーンを行うユーザーに身元確認の義務づけするなど、フェイクニュースを根絶する能力を向上させています。

加えて、ニュースをシェアする際のFacebookユーザーの行動も変化しました。プライバシー問題への不安から、親しい人とニュースを討議する際、MessengerやWhatsApp(両者ともFacebook社の所有するサービス)などのメッセージングアプリを選ぶようになったと報告する調査結果もあります。

新たなFacebookのアルゴリズム

ネガティブなメディアの報道が増え、ユーザーがFacebookを訪れた後に憂鬱な気分になってしまうという調査結果もあり、Facebookはユーザーにとってネガティブな感情を引き起こすコンテンツの流通を根絶する姿勢にすぐ変わっていきました。

同社CEOのザッカーバーグ氏は、アルゴリズムを中心に据えた新しいFacebookの方向性を大まかに説明しています。

私たちはFacebookを設計段階から大きく変更しようとしています。プロダクトチームに指示していた『関連性の高いコンテンツ重視』から『意味のある交流重視』へ目標を変えました。(編集部意訳)

つまり、Facebookは(特に企業にとっての)クリック誘導や第三者のサイトへの勧誘よりも、家族や友人とのやり取りが生まれる場にしていくことを優先したのです。

またFacebookが挙げた、「意味のある交流」に影響力があるユーザーは以下の通りです。

  • 他の人の写真やステータスの更新にコメントをしたりいいね!するユーザー
  • 友人がシェアしたニュースやブランドの投稿に反応するユーザー
  • 視聴した動画やニュースフィードで読んだ記事やお互いのコメントに返信する複数のユーザー
  • 友人のグループとの会話を始めるためにメッセンジャー上でリンクを共有しているユーザー

こうした「意味のある交流」を促す動きに対して、コミュニケーションツールとしてFacebookを使用する広告主からは、不安の声が聞こえてきました。

最も注目すべきは、オンラインメディアにより広告収益を上げていた大手企業の状況です。新しいアルゴリズムによるリファラルの流入数が突然減少したため、廃業や買収に追い込まれました。オーガニックリーチが過去最低を記録し、友人や家族間のコミュニケーションが優先され、こうした多くの組織はFacebook活用に注力し続ける価値があるのかどうか疑問視しています。

その規模の大きさとオンラインでの優位性を考えると、企業にとってFacebookは(現状はまだ)努力する価値があると言えますが、こうしたアルゴリズムの変更には、新しいアプローチが必要となります。

Facebookのアルゴリズムの仕組み

さらにFacebookのアルゴリズムについて、現在分かっている仕組みは以下の通りです。

  • 最初のエンゲージメントを測定するために、少人数のユーザーに投稿が配信される
  • 友人や家族との会話の材料となるコンテンツを優先する
  • メッセンジャーで共有されるリンクの優先順位を決定する
  • ユーザーの信頼性(ページを完全に記入していること、共有履歴など)が高い
  • ユーザーにシェアされて、さらにディスカッションの材料となるブランドまたはサイト運営者のコンテンツは優先順位が高くなる
  • ライブ動画は優先順位が高くなる
  • プラットフォームに直接上げられた動画はリンクよりもエンゲージメントが高い
  • エンゲージメントはポイントシステムに基づいている
  • 長い形式のコメントを含む投稿はより重要視される
  • ネイティブコンテンツは、他のサイトへのリンクよりも優先される
  • Bufferの調査によると1日5回の投稿するのが最適
  • 「シェアしてください、いいね!してください、コメントしてください」といった投稿は優先度が下がる
  • センセーショナルなコンテンツは優先度が下がる
  • 偽のタイトルを使った記事の優先度は下がる

Facebookのランク付けのフロー(緑がアルゴリズムに良い影響を与える)

Facebook上でコンテンツを作るときに気を付けたいポイント

上記のアルゴリズムの特徴を踏まえて投稿をするとよいですが、いくつか注意したいポイントも存在します。以下を確認していきましょう。

ユーザー間の議論促進のためにコンテンツを作成する

Facebookのアルゴリズムを使って作業する人は、プラットフォーム用のコンテンツを開発する際にこの新しい標準を考慮する必要があります。

信頼できるプロフィールの作成

オウンドサイト上にFacebookのリンクを表示するだけではなく、信用できるプロフィールを作成するとアルゴリズムにも好影響を与えられます。

できる限りライブ動画を使用し、エンゲージメントを高める

Facebookは、他のどのコンテンツよりも6倍のエンゲージメントを生み出していることを知っているため、ライブ動画に優先順位をつけると明言しています。

全体的なビデオ戦略を練る

当分はFacebookに直接投稿されたビデオの優先度を上げるとFacebookが公言しており、データからも実証されています。

アルゴリズムに評価される(あなたがシェアしているものの中から良いと思うものだけを選ぶ)

Facebookにすべてのコンテンツを共有するのは得策ではありません。それらのコンテンツがエンゲージメントを生成しない場合、信頼性スコアは低下してしまいます。アルゴリズムを踏まえて、適切なプラットフォームの選択とユーザーに有益な投稿を心がけましょう。

「釣り広告」など、過剰な扇動をするコンテンツを投稿しない

過剰な宣伝記事、いいね!してねと頼んだステータスやコメントやシェアなどは、どんなものでもFacebookアルゴリズムによってランクが下げられます。絶対にしないでください。

Facebookのアルゴリズムについて記事にまとめました。下記の記事も合わせてご覧ください。

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4. X(Twitter)

X(Twitter)のアルゴリズムの特徴

X(Twitter)は開始以来、控えめに言ってもジェットコースターのような激しい道のりを歩んできました。数年もの間は収益が出ず、2018年まで年間利益を上げられていませんでした。

また収益性以外にも、プラットフォームの健全化やスパムやボットアカウントの削除により、それらに関わる一部のユーザーを失っています。

X(Twitter)は今後もニッチなSNSであり続けるでしょうが、X(Twitter)が惹きつけるユーザーには世界で最も影響力のある人々を含んでいます。X(Twitter)はメディアや政治的エリートに好まれるプラットフォームであり、情勢を動かす上で重要な役割を果たしています。

X(Twitter)が彼らに人気なのは、リアルタイムであることや操作が簡単であること、ブログを書いたりポッドキャストを作ったりするような専門的な知識を必要としないことなどが関係しているのでしょう。

「アルゴリズム・タイムライン」の登場

X(Twitter)のアルゴリズムは2016年に導入されました。

以前は時系列に表示されていたX(Twitter)のタイムライン(TL)ですが、現在では変わってきています。アルゴリズムによって、ユーザーに最適(だと思われる)投稿が優先的に上部に表示されるようになっています。

アメリカ大統領選にロシア系のアカウントが関与した疑惑がきっかけとなって、X(Twitter)のアルゴリズムも修正が加えられています。その影響で、X(Twitter)で投稿やいいねを自動的にできるようにするツールやアカウントの使用に制限がかかる様になりました。

X(Twitter)は「今何しているのか」を重要視し、「時間」こそアルゴリズムに依然大きな影響力のある項目だと考えています。またタイムラインでは、アルゴリズムによる表示形式が(デフォルトで)優先的に使われていますが、以前のように時系列並びに変更可能です。

トロール、ボット、選挙期間中の悪用問題

Facebookと同様、近年ではX(Twitter)でも論争が巻き起こります。「X(Twitter)は匿名のトロールや過激派グループに暴言や憎悪を増幅させるようなプラットフォームを提供している」と非難されてきました。

また、2016年のアメリカ大統領選では、ロシアのアカウントやボットの介入を許したとも言われています。2018年1月、X(Twitter)は、上記の選挙期間にプラットフォームを悪用したとされるロシア関連のアカウント5万件を削除したと発表しました。

またこれらを受けて、同社は2018年2月に発表された既存のX(Twitter)のアルゴリズムに、新たな変更を加えようとしました。今後はX(Twitter)のプラットフォーム上での自動化(またはボットの使用)は禁止となるでしょう。

加えてX(Twitter)は、これらのボットの使用を仲介するサービスに対して、以下の声明で明確な警告を発しています。

「予約投稿を利用した場合も含め、自身のアプリによる、(自身が開発した、または直接管理しているアカウントかどうかに関わらず)他の多くのアカウントからの自動的手段による同一な、あるいは似ている内容のコンテンツのツイートや「いいね」、リツイートは禁止しています。」と。

140文字から280文字(アルファベット入力時)に拡張したアルゴリズム・タイムライン

X(Twitter)のアルゴリズムの意図は、タイムラインをよりユーザーにとって関連性の高いものにすることで、彼らの最も関心を持つ人の重要なツイートを逃さないようにしています。

X(Twitter)はライブ感を味わえるニュースサイトであると同時に、SNSプラットフォームであるとも考えています。ユーザーがログインした時に 「今何が起きているのか?」を表示することで、プラットフォームの特徴を強化しています。

一方で、残念ながら何日も前のツイートは表示されません。X(Twitter)の持つ基準では古すぎるからです。X(Twitter)は「たった今、何が起きているのか」を追求しており、「今週はどうなっているのか?」を求めるFacebookやLinkedInとは対照的です。

確かに、ユーザー間の関連性を重視したアルゴリズムによる表示形式は、時間が経ったツイートを最初に表示することはありますが、X(Twitter)において、「投稿時間」が重要な要素であることに変わりません。もしリーチとエンゲージメントを最大化させたいのであれば、それらを加味する必要があります。

2017年9月にX(Twitter)は、140文字制限から280文字制限に移行するという大胆な変更を行いました(英語入力のカウントを変えた)。しかし、この変更がプラットフォームの終焉を招きかねないと考えたユーザーからは、怒りの声が噴出しました。

後講釈にはなりますがX(Twitter)には、多言語による、より多くの文脈を含んだツイートのエンゲージメントデータを分析した上で分かった、優れた戦略がありました。同じ文字数でも、より多くのメッセージを伝えられる日本語のツイートが、英語のツイートよりも、はるかに多くのエンゲージメントを稼いでいることが判明したのです。

そうした戦略とは裏腹に、2018年10月時点で平均的なツイートの長さがまだ35文字しかなかったことが報告されています。

X(Twitter)のアルゴリズムを回避するには、タイムラインへと切り替えること

同社による別の大胆な動きですが、2018年9月には、ユーザーが最新投稿をフィードの一番上に表示できるように、時系列のタイムラインに切り替えることができるようになると発表しました。

X(Twitter)社のカスタマーサポートによるツイートによると、「タイムラインでの私たちの目標は、あなたが気になる可能性の高いツイートと、最新ツイートのバランスを取ることです。しかし、私たちは常にこのバランスを正しく取れるとは限りません。」と述べています。

X(Twitter)のアルゴリズムの仕組み

X(Twitter)のアルゴリズムについて、現在分かっている事は以下の通りです。

  • X(Twitter)のアルゴリズムにおいて、投稿時間は大きな影響力がある
  • 信頼できるプロフィール作りはアルゴリズムに好評価される
  • 280文字の制限ぎりぎりまで活用するとエンゲージメント率が上がる
  • リンク誘導の投稿よりネイティブ投稿が好ましい
  • 最もエンゲージメントを付けているユーザー達の投稿は早く表示される
  • 始めのエンゲージメントを測定するために投稿は少数のユーザーに表示される
  • いいねやリプライ、リツイートは大きな加点がされる傾向がある
  • 閲覧していた投稿の時間の長さや訪れたプロフィールが表示されるコンテンツに影響を与える
  • フォロワーの投稿に対するアクションやリアクションが多いと、フォロワーのタイムラインに自分のコンテンツが反映されやすくなる

X(Twitter)のランク付けのフロー(緑がアルゴリズムに良い影響を与える)

X(Twitter)上でコンテンツを発信するときに気を付けたいポイント

それではX(Twitter)上でコンテンツを発信するときに気を付けたい事を確認していきましょう。

フォロワーがX(Twitter)を使っている時間に投稿する

特定のツールを活用し、フォロワーがいつX(Twitter)を使用しているのか確認し、それに合わせて投稿することで、よりたくさんのエンゲージメントを獲得できます。

より関連性の高い分野のフォロワーを開拓する

ただフォローを繰り返してフォローバックを期待するのではなく、フォローしているアカウントに関連しているトピックで専門性を高めると、やがてフォローバックが来るでしょう。

ただのフォロワーの水増しではエンゲージメントが獲得できません。

フォロワーの好むトピックで投稿する

X(Twitter)のアナリティクスなどで、フォロワーが何に関心を持っているのかを調べましょう。フォロワーにとって関連性の高いツイートほどエンゲージメントを獲得できやすくなります。

280文字の制限を利用してより多くの情報を載せる

X(Twitter)社は投稿の文字が多ければ多いほどエンゲージメントを獲得できると名言しています。より多くの情報を発信できることが影響しているのが理由として考えられるでしょう。

信頼性の高いプロフィールを作成する

アルゴリズムはスパムのようなプロフィールに低評価を付けるので、関連する全ての情報をプロフィールに掲載して最新の状態にしておくのが望ましいです。

毎日ログインする

毎日投稿をしてフォロワーに価値を提供し続けると、X(Twitter)のアルゴリズムはより高い評価をつけます。先週のツイートがエンゲージメントを獲得するとさらに評価が高まるでしょう。

フォロワーにアクションを起こす

リプライやリツイートなどのアクションをすると、フォロワーのタイムラインにより表示されるようになります。他の人に対するエンゲージメントをすると、X(Twitter)のアルゴリズムはあなたがコミュニティに貢献したと判断します。

X(Twitter)のアルゴリズムについて記事にまとめました。下記の記事も合わせてご覧ください。

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5. Instagram

Instagramのアルゴリズムの特徴

Facebookのアルゴリズムほど有名(あるいは悪名高い)ではありませんが、Instagramのアルゴリズムは確かに最も良くできたSNSのアルゴリズムであり、Instagramが消費者文化を変える力へとますますなっていく中で、最も重要な存在となるでしょう。

Instagramは間違いなく今、最も注目すべきSNSプラットフォームであり、今後もしばらくはこの地位に留まるはずです。ファッション業界の某企業のように、流行の先端を行く特定の広告主でさえ何が流行りで何が流行りじゃないか扇動できない業界をInstagramが作り替えます。

Instagramでは(写真の投稿や編集など)クリエイティブな工程を他のどのSNSプラットフォームよりも簡単にしたため、今では一般人がインフルエンサーになる主要なプラットフォームとなっています。

Instagramにおけるインフルエンサーマーケティングは、データで見ても継続的な上昇傾向にあります。ファッションやフィットネス、旅行、ゲーム、ペット、さらにはCGIのインフルエンサーまであらゆる分野のインフルエンサーが集まっています。

また、十分な才能がありしっかりと取り組めば、誰でもいわゆる「インスタセレブ」になることが可能です。一方で、兄弟サイトのFacebookとは比較になりませんが、 Instagramもまた近年ネガティブなメディアの報道にさらされていました。

インフルエンサー詐欺

実際よりも影響力があるように見せるため、発信の第一歩としてInstagramのアルゴリズムを悪用しようとする人がたくさんいます。

他のアカウントを自動的にフォローしてからアンフォローしたり、自分のコンテンツにコメントや「いいね!」をしたりするボットや外部サービスを利用する人は珍しくありません。

それらはInstagramが関与していないであろうシステムを操作して行われます。本来あるべきフォロワー関係やユーザーとの交流を築く行為ではありません。

さらに悪いことには、偽のフォロワーやエンゲージメントを購入するユーザーさえプラットフォーム上では蔓延しています。5~10ドルで数千のフォロワーや「いいね!」、コメントを購入できてしまうからです。

こうした詐欺が一掃されるまでは、多くの偽りのインフルエンサーが企業や代理店を騙して、仕事をしたり、お金を使わせたりすることになります。もちろん、企業や代理店の担当者が想定していた影響力とは費用対効果(ROI)が一致しないため、長期的に見れば、そうした詐欺は発覚することになるでしょう。

タイムラインからInstagramのアルゴリズムへの移行

Instagramはエンゲージメントを最大化するため、2016年半ばに独自のSNSのアルゴリズムを発表しました。

Instagramのアルゴリズムが発表される前は、フィードは時系列で機能しており、最新の投稿が一番上に表示されていました。当時は、投稿の表示が半減するまで72分掛かったのに対し、現在は公開から数日経過してもエンゲージメントを受け取ることができます。

また、ユーザー自身が最もエンゲージメントする人達が前日に何かを投稿していたとしても、ユーザーが次にログイン時には、タイムラインの一番上に表示されるようになりました。

エンゲージメントは、Instagramアルゴリズムの重要なランキング要素です。投稿が「いいね!」や「コメント」、「コメントへのいいね!」、「投稿保存」、「DM返信」、「DM経由での送信」といった数が多ければ多いほど、アルゴリズムによって重み付けが行われます。

Instagramのアルゴリズムの仕組み

Instagramのアルゴリズムについて、現在分かっている事は以下の通りです。

  • 投稿時、エンゲージメントを測定するためにフォロワーの内、選ばれたグループ内にまず表示される
  • その中でも特に重要なのが以下の3つの要素である
    • 1.興味(投稿に「いいね!」をすればするほど、その投稿を見る可能性が高くなる)、
    • 2.タイムライン(最近の投稿を優先)
    • 3.関係性(「いいね!」や「コメント」が多いと、友達や家族と思われる)
  • 定期的な投稿をするとユーザーのタイムラインにより表示され、多くの投稿をしている人を格下げしない
  • ストーリーズやインスタライブなどの特別な機能を使っているユーザーを優先することはない
  • DM経由でシェアされた投稿はアルゴリズムに高いランクがつけられる
  • コメントは「いいね!」より比重が重い
  • ハッシュタグを30個までに制限し投稿を最適化することでより発見されやすくはなるが、各投稿に同じハッシュタグを使うべきではない

Instagramのランク付けのフロー(緑がアルゴリズムに良い影響を与える)

Instagram上でコンテンツを発信するときに気を付けたいポイント

エンゲージメントが重要なポイントになるInstagram。投稿で気を付けておきたいポイントを以下で解説します。

定期的に投稿する

不定期に投稿するユーザーはアルゴリズムによってランクが下げられ、フォロワーに表示される際に優先されなくなります。

自身が関連しているコンテンツやユーザーにアクションする

自身のプロフィールに関係しているコンテンツやユーザーに対するエンゲージメント数を増やすと、そのようなアカウントのタイムライン上に自身のコンテンツが表示されやすくなります。

投稿のタイミングを気にする必要はない

Instagramのアルゴリズムは数日前のコンテンツも表示させるため、X(Twitter)の様に投稿のタイミングはそれほど重要なポイントではありません。

「検索される」ためにハッシュタグを活用する

もし自身のコンテンツが検索ぺージのトップに表示された場合、数百、数千のいいねやフォロワーを生み出すことができます。

Instagramのアルゴリズムについて記事にまとめました。下記の記事も合わせてご覧ください。

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6. YouTube

YouTubeのアルゴリズムの特徴

YouTubeのアルゴリズムは、このプラットフォームの人気を考えると、最近のソーシャルメディアの中でも、おそらく解読するのが最も難しいアルゴリズムの一つでしょう。

15億人のグローバルユーザーと統計的に世界第2位の検索エンジンを持つYouTubeは、無視できないプラットフォームです。

YouTubeのアルゴリズムは、サイトに最も貢献するユーザーにサービスを提供するために開発されました。これは、投稿の一貫性とユーザーが抱える(チャンネルの)登録者数に基づいたランキングの要素に一部が反映されています。

あなたが有名であるか、何かしらの分野で秀でた才能を持っているか、または他の誰よりもユニークな視点で動画を制作しない限り、ゼロからYouTubeで視聴者数を獲得するのは並大抵のことではありません。

その理由は、残念ながらYouTube上の動画はコンテンツの質が非常に高く、考えられる限りすべてのトピックがすでにカバーされているからです。それに加えて、アルゴリズムの恩恵を受けるためには週に4~5日の頻度で投稿が必要になります。

これこそYouTube内のSEOが成長している領域であり、Brian Dean氏のような多くの「伝統的な」SEOの専門家がYouTubeのプラットフォームに焦点を当てスキルを磨き始めている理由です。

推奨アルゴリズムと子供の安全性

ここ1~2年でYouTubeの推奨アルゴリズムは、子供の動画への不審なコメントや小児性愛に関連した検索のオートフィルのせいで、炎上してきました。

主要な広告掲載企業は、問題が改善されるまでYouTube上の広告を一時停止させましたが、依然として本稿執筆時点では同様の問題がまだ発生しています。

Google(Alphabet社)やFacebook社のような巨大な企業は、自社のSNSのアルゴリズムを完全にコントロールできていません。

YouTubeのアルゴリズムテストにインフルエンサーが反発

2018年5月、多くのYouTuberは、視聴者がすでに購読しているチャンネルよりも購読していないチャンネルの動画を推奨するアルゴリズムのテストを実施したことで怒りをあらわにしました。

YouTube側は、ユーザーのごく一部でテストを実行しただけだと言いましたが、何人かのYouTuberがこの動きに対して、不信感を公に表明しています。

心に留めておくべきことは、ユーザーには (たとえ最も影響力のあるユーザーであっても )どんなSNSでも、自分のチャンネルやコンテンツを完全にコントロールできるわけではないし、決してそうはならないということです。SNSは、あくまで借地であるという解釈です。

YouTubeのアルゴリズムの仕組み

YouTubeのアルゴリズムについて、現在分かっている事は以下の通りです。

  • ランク付けの要因として、ユーザーの視聴時間や視聴者の保有率が重要である
  • 投稿頻度もアルゴリズムにとって重要な要素である
  • 最近投稿された動画は、始めのエンゲージメント測定の為に少数のユーザーに表示される
  • チャンネル登録者が多ければ多いほど動画の優先表示度が上がる
  • 動画の再生回数が多いほど、優先順位が上がる
  • チャンネルの再生回数が多ければ多いほど、優先順位が上がる
  • 動画の高評価・低評価数やコメントは重要なランキングの要素
  • タイトル、説明文、キーワードタグも重要な要素
  • 最適な動画の長さは7-16分である
  • YouTubeのアルゴリズムはAIなので、学習する

YouTubeのランク付けのフロー(緑がアルゴリズムに良い影響を与える)

YouTube上でコンテンツを発信するときに気を付けたいポイント

主なコンテンツが動画形式であるYouTube。投稿で気を付けておきたいポイントを以下で解説します。

一貫した投稿が重要である

散発的に投稿しているチャンネルは、YouTubeのアルゴリズムによってランクが下げられてしまいます。

毎週同じ時間に動画を投稿し続けるのがベストな方策でしょう。

これはアルゴリズムの問題はもちろん、新しい動画が投稿された時にチャンネル登録者からの反応を高める効果があります。

チャンネル登録者を獲得する下地の構築

チャンネル登録が多ければ多いほど、YouTubeのアルゴリズムにとっては「信頼できる」チャンネルと見なされます。

ターゲットオーディエンスが楽しめる動画を制作する

当然のことですが、より多くの「いいね!」が付くとYouTubeのアルゴリズムから高評価を得られます。視聴者は動画を楽しめる動画が良く、 「低評価」を押したくなるような物議を醸す動画を作る必要はありません。

最初の数分間で視聴者の心をつかむ

動画の視聴時間が長ければ長いほど、魅力的なコンテンツであるだろうとYouTubeのアルゴリズムに認識されます。

多くのYouTuberが視聴者の心をつかむために特定の戦術を取っています。

7-16分の長さに動画の長さを設計する

上記の時間内に収められた動画コンテンツがもっともエンゲージメントを獲得し、視聴者数に対するチャンネル登録者数の割合も一番良くなります。

YouTubeのアルゴリズムについて記事にまとめました。下記の記事も合わせてご覧ください。

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7. まとめ

Facebook、X(Twitter)、Instagram、YouTubeのアルゴリズムの特徴や仕組み、コンテンツ発信の際に気を付けたいポイントをまとめました。上記のアルゴリズムは今後変更される可能性が高いですが、ユーザーにとってもっとも有益なコンテンツ作りが本質的に重要と言えます。

また各SNSのアルゴリズムは基本的に非公開のものです。様々な検証や公式の手がかりから推測して構築されていますので、最新の情報をキャッチアップして効果的にSNS上での発信を心がけましょう。

編集部でも継続してアルゴリズムのトレンドを取り上げていく予定です。

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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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